通関士合格体験記

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 通関士を独学で突破したときの合格体験記です。出題の形式はシンプルなのですが、暗記問題が多くて、めんどくさいっちゃーめんどくさい試験でした。努力をしないと合格できない試験ではあります。

 通関士の合格体験記です。通関士の試験勉強を通して、貿易や国際経済についてのアンテナを入手することができ、世界観がぐっと広がりました。

データ的なこと

・受験回数/2回。いい経験になりました。

・受験勉強期間/2回。(実質勉強期間は通算で10ヶ月弱。)

・1回目の受験の使用テキスト・問題集/LEC「でる順-必修基本書」、LEC「でる順-セレクト本試験問題集」、LEC「でる順-記述式対策問題集」、LEC「申告書問題集」の計4冊。

・2回目の受験の使用テキスト・問題集/1年目に加えて、クレアール「通関士直前模試」の5冊。

・模試/ 04年度の本試験が、結果的に模試となる。

・予算/受験料2年分の6,000円。テキスト・問題集代が6,000円。模試の問題集が1,200円。申告書問題集が2,000円くらい?

最新年度の教材レビューはこちら。

「通関士の独学」にて、難化の通関実務の進め方など、最新傾向と勉強方法について述べてます。

要領めくもの

 暗記問題が多いので、1回あたりの勉強時間は多くても1時間と30分くらいでした。暗記問題は根を詰めても仕方がないので、短めにさっさと切り上げました。とにかく、覚えるのがホントに大変です。

 暗記行為ばかりを、長時間、ずぅ~~っとやっても、効果的とはいえません。メリハリのある勉強をオススメします。細切れ時間が最大に活きるような、試験勉強へシフトしてください。

 ※ 平成18年度より出題形式と配点が大きく変わっています。過年度のデータですので、ご注意ください。

使用テキスト・問題集の総評

 テキストと過去問はLECの「でる順シリーズ」を使いました。また、記述式の問題集もLECを利用しました。

 通関士は穴埋め形式の出題があるので、法律の条文の原文に近い、LECのテキストを選択しました。

 テキストが決まると、問題集も決まるわけで、結果的にLECで揃えました。

 LECで、質・内容ともに、十分にまかなえます。これだけで合格できます。

 LECは、やはり法律系に強いですね。

 今回は2年に渡って受験することになったのですが、法改正の数が少なく、内容も些少だったので、古いテキストを使い続けました。

 テキストの買い替えは、次の年度の法改正の量と重要度を元に検討すれば良いでしょう。ただ、買い換えた方が絶対的に安全です。

 結論としては、LECの上記の3冊(「でる順-必修基本書」、「でる順-セレクト本試験問題集」、「でる順-記述式対策問題集」)をオススメします。

 ※ 通関士の「選択式」については、その他の「選択式」を採用している試験同様に、「選択式」の問題集が販売されるはずなので、それをしっかりやれば良いかと思います。

要らない問題集

 端的に言いますと、LECの「申告書問題集」は要りません。申告書は過去問にて出題されたものを、100回繰り返した方が合格に近づきます。

 ぶっちゃけていうと、LECの「申告書問題集」は問題の質も低く、解説の量も不十分で、資源ゴミのレベルです。とにかく、解説の少なさは致命的です。

 1回目の受験の時に、念のためにと思って購入したのですが、今、思い返すと、2回目の受験のときには、一度も使うことがなかったので、初心者からベテランまで、必要ないと思います。

 この「申告書問題集」に掲載されている問題を解くくらいなら、過去問を廻すことをオススメします。

 ※ 平成18年度より出題形式がかわり、申告書は計3枚が出題されることになりました。申告書の比重がとても大きくなるので、問題演習の量をできるだけ多く確保してください。

微妙な問題集

 2年目は問題演習のために、クレアールの模試問題集を利用しました。

 ぶっちゃけて言うと、合格への貢献の度合いからすれば、「過去問」の方に軍配を上げます。

 クレアールの模試問題集は、択一式・記述式の問題は妙に捻っていて、なんとも難解で、対して、申告書問題はとにかく簡単で、受験生の力となるものが少ないなあーと思いました。

 要するに、難易度のバランスが悪いのです。

 2回の受験経験からすれば、過去問さえできれば本試験は突破できると思います。当該模試問題集レベルの難しいことはしなくても良いかと。

 ちなみに、「致命的な誤字・誤りの多さ」で、この模試問題集は記憶に残っています。記述式の解答で、「清算人」を「精算人」という間違いをしたらイカンでしょう、商業レベルの出版物で。

 そのほか、申告書問題では致命的なミスともいえる、日にちと為替レートのズレの誤植があり、オイオイと突っ込みました。あれはおもしろかったwww。ありえない、という意味で。

独学でしんどかったこと

 通関士試験の特色は何といっても、穴埋め「記述式」。

 この「穴埋め」という試験方式は、ひたすら「一途な努力」が要求される試験方式です。

 これが、まぁしんどかった。ただ、暗記、暗記、暗記です。

 穴埋めですから、ホント、やることはひたすらな暗記です。

 使用した問題集は、LECだったのですが、見てください、この非人間的な問題集を。もはや日本語ですらありませんw。

 

 こんなことを2年もやったオイラって。。。という感じです。

 通関士にはこのような、単調な作業なので、ひたすらにしんどい拷問問題があります。

 ですから、受験をする方は、ホントに「1回」で決める気持ちで行きましょう。ぶっちゃけ、こういう問題を何度も相手にするのは、人生の無駄です。

 開き直ってやるしかないですね。

楽だった択一試験

 択一式の問題は、基本事項からの出題が多いので比較的楽でした。出題数も合計40問ですから負担は少なくて済みます。

 択一式の試験勉強は、当時の記録によると、1回目の受験の時は、4月から勉強を開始→5月には「あーできるやろう」という状態にまで到達しました。

 2回目の受験の時は、本試験日の1ヶ月前にあたる9月から始めました。

 9月からでも、去年の遺産があったので、十分、合格ラインは取れるようになっていました。

 択一式は、「過去問を3回繰り返せば大丈夫」です。

 2回、通関士を受験して、その2回とも、「過去問を3回繰り返すだけで良い」という同じ教訓しか得られませんでした。

 択一式は、あまり意識せずとも出来るようになります。その他の問題集は、そうそう必要がないと思います。

 2回の受験とも、過去問が一番役にたったと思っています。

地獄の記述式

 記述式はホントにイヤでした。なんでやねん。。。を何度呟いたか。問題集の文字を全部合わせて、何メガやねん、と。。。1Gに満たないテキストデータを、なんで、アタマの中に入れなあかんのや。。。

 DVDに焼いて検索させたらええんとちゃうんか。。。2年間は、こんな愚痴ばかりでした。

 っと、愚痴以外に、記述式で印象に残っているのは、1回目の受験のときに、LECの拷問記述式問題を真っ黒にしている人がいたこと。

 「え?!そんなに真っ黒になるまでやらなあかんのっ?」と仰天。

 「その点オイラのは白いこと…練習不足で落ちるかもしれない…」と、思ったものでした。実際、そうなりましたけど。

 合格を確実なものにしたいならば、何度も、そう、真っ黒になるまでやり込みなさい、ということですね。

 なお、記述式の勉強は、2回目の受験の際は、7月のはじめから取り組みだしました。1回目の知識があったからこの遅さですが、初めての受験の人は、もっと早い時期から始めたほうが「絶対的に」無難です。

面白かった申告書問題

 通関士試験の醍醐味は、やはり輸入・輸出申告書を作成する「申告書問題」でしょう。

 問題文の読み取りと推理、パズルと計算、細かな作成ルールのマスター感、などなど、合計2回の受験勉強の中で、2回とも面白かったです。

 計算が合ってるかなぁと思いながらの採点のドキドキ感は、エキサィティングでした。

 ぶっちゃけていうと、記述式の丸暗記や択一式の単調さから救ってくれる、唯一の息抜きといった感じでした。

 「申告書問題」はやればやるほどに面白くなるし、解答の時間も短くなるし、点数も伸びます。

 通関士試験の中で一番重要なところであり、また、おもしろいところなので、関税法のテキストをざっと読んだら、スグに取り掛かるのが「楽」でいいです。

通関士の受験のまとめ

 通関士試験は、久しぶりに2回も受けた試験で、「己」を知る良い勉強になりました。

 試験勉強の副産物は、2年も貿易・関税云々を考えていたので、日経や雑誌の貿易記事が丹念に読めるようになったことです。通関士試験は、こういう、日常生活に変化をもたらす試験であります。

 通関士という資格は、将来は商社や貿易会社に勤めたい・転職したいという人は、語学力に加えてよいアピールになるでしょう。

 オイラ的には、履歴書の「行政書士」よりかは評価が高く、いろいろ社会勉強になる資格だと思っています。

 試験のレベル的にいえば、簡単な部類に入りますが、うまく利用すれば、多くの付加価値と将来の種を生みだします。

 通関士は、市販のテキストと過去問で、十分に独学合格できるので、低コストで貿易のしくみの基礎を学べる良い試験です。

 是非、通関士で人生の窓を開けてください。個人輸入もグンと近づきます。

 まー2年、かかるかもしれないけどwww

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