通関士-関税定率法、外国貿易・外国為替法など

通関士試験の関税定率法についての独学学習のポイントを紹介していきます。似た制度や規定が多く、それらの違いが好んで出題されます。過去問で狙いを絞った学習をしてください。

関税定率法は細かくてややこしい

※ 平成18年度より出題形式と配点が大きく変わっています。過年度のデータですので、ご注意ください。

※ 最新情報は「通関士の独学」や「通関士 教材レビュー」、「通関士ポータル」をご利用ください。

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関税定率法は通関士試験の択一式の中でもややこしいです。

しかしながら、問われていること自体は、過去問で定番事項なので、勉強が進んで、後になればなるほど、点数を獲得しやすくなります。

そう、『最初はとっつきにくいけど、慣れたら簡単』でございます。

極端に言えば、最初の方はちんぷんかんぷんという事です。

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関税定率法は横断的に

関税定率法の出題のポイントは、似たような制度がたくさんあって混合しまくり、というコトでしょう。

だから一読しただけでは、チンプンカンプンです。

特に減免税の出題では、各制度間の比較による出題が顕著ですし、課税価格の決定、特殊関税でも比較問題が多数出題されています。

ですから、この関税定率法の学習では、各制度間・各規定の横断的なと取り組みが必要となります。

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Aはこーいうこと、Bはあーいうことね。

アレは締め切りは6ヶ月だ、コレは締め切りはない。

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こんな風に、似たような制度間を「常に」比較参照して学習を進めてください。最終的に知識がカッチリと、脳ミソにはまります。

過去問の演習に平行して、常に過去問に出た各制度の特色を押さえておけば、効率よく知識を定着させることができます。

10秒のざっと見が、試験1週間前の楽勝モードに繋がります

「焦るのはわかります」が、落ち着いて各制度間を押さえる、過去問で間違えたら必ず見直す、チラシの裏にポイントを書き出す、などなど独学の基本的なベンキョスタイルをとっておけば、受験日には100%仕上がっています。

毎回毎回、知っていても、ざっと眺めるだけで定着度は段違いです。

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関税定率法の各規定のポイント

過去2回の受験ともに、大きな障害にはなりませんでしたが、慣れるまでは大変です。以下は、各単元の受験経験から引き出されたポイントですので、参考にしてください。

−−−課税価格の決定−−−

何が優先されて課税価格が決められていくか、を素直に押えていけば良いかと思います。難しくはないです

ちょっとした引っ掛けで、細かい知識のチェックがあるのも特徴です。。

引っ掛けで問題で印象的だったのが、「製造原価により課税価格が決定する方法」です。

この方法では、「当該輸入貨物」の製造原価で決定されますが、「同種又は類似の輸入貨物」で課税価格が決定されるという引っ掛けはウマイナァと思ったものでした。

−−−特殊関税−−−

特殊関税は、報復関税・相殺関税、不当廉売関税・緊急関税・対抗関税などなどがあります。

簡単に言えば、その名のとおりの関税なので、何故その名前になったのかということから、各部詳細を押えれば簡単にマスターできます。

なお、「関税割り当て制度」と「外為法の輸入割当」の混同に注意です。関税割当は「税率」で、輸入割当は「量」の規制です。

混同すると、わけわからんようになって記憶に残らなくなります。ポーンと度忘れするので、混同なくおぼえちゃってください。

−−−特恵関税−−−

特恵関税は、通常の輸入通関と違ってくることを念頭に読み込んでいきます。完全生産品か否か、輸送は、原産国はどうか、原産地証明書の違いなどが、主な出題です。

基本的なことを押えたら深追いは禁止です。

誰も知らない超難しい出題がされても、落とすための問題でしょうから、過去問にでてきた基本事項だけを押えておけばいいでしょう。

−−−輸入禁制品−−−

記憶だけで、難しくありません。知的財産権を押えておけば事足ります。

語呂合わせは、「戸(田)、ジイ、死地(を)かい(くぐり)」ですね。

戸→ト→特許権
(田)
ジ→実用新案権
イ→意匠権
シ→商標権
チ→著作権・著作隣接権
(ヲ)
カ→回路配置利用権
イク→育成者権

ちなみに戸田さんとは、お隣の人の名前です。ざっと語呂合わせで覚えるだけで得点はできるでしょう。

−−−NACCS特例法−−−

点数できます。過去問演習でオッケー。電子情報処理組織にてできるかできないかは、語呂合わせでダイジョウブ。

できないものを語呂合わせすれば万全。

2005年度では「ハコの端(は)し」と作成しました。ハコはコンテナでっすw

は→外国貨物の廃棄届け
こ→更正請求
の→納期限延長
は→ふね用品積み込み承認申請
し→証明書類の交付
(は)
し→指定地外検査許可申請

−−−各種減免税−−−

関税定率法では最も出題される事項です。ラインごとに分けて押えていく方が混乱が少ないです。

この箇所は、1日や2日などでがーーとやらないで、毎日時間をかけてキッチリ各制度の特色を押えていく方がよかです。

いっぺんにやってしまうと、スグに混乱が襲い掛かってきます。自分なりに分類・カテゴリ分けをして少しでも、混乱・混同の罠を避けましょう。

ライン的には以下のようにしていきました。

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−ライン1:加工修繕減税・加工組立減税

「加工」が国内では困難」という条件がつくのが、加工修繕減税。そんな条件がつかないのが加工組立減税。ややこしいですねwww

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−ライン2:再輸入免税

返品だがや免税です。いつ返品が来るかに条件は付けれませんから「期限用件」はなしです。

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−ライン3:再輸出免税

ややこしい規定で、よく出題されます。輸入・輸出・輸出後に届出が必要となります。「3つ」の要件が必要と覚えておきましょう。

その3つにあーだこーだ細かい条件がつくので、肉付けを忘れずに。

個人的には再輸出免税の再の「さい」をもじって、「さんゆしゅつめんぜい」と覚えました^^;

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−ライン4:輸入時同一状態輸出の戻し税

売れ残ってまったがや減税ですね。国家は在庫処理を1年くらいと見ているようなので、輸入許可の日から1年以内に、送り返せとおっしゃっております。

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−ライン5:違約品等戻し税

全然ちゃうやん減税です。個人輸入をした自分をイメージすれば速やかに覚えることができるでしょう。

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−ライン6:無条件免税・特定用途免税

すんげーーーかったるいのが、このふたつの免税。細かいものを覚えないといけないのでまいっちんぐです。

出題的には「〇〇〇〇〇〇は無条件免税が適用される」と選択肢があり、答えは「特定用途免税が適用され、無条件免税は適用される」といった人を食ったような出題がされます。

まずは過去問にて問われたことをチェックして、「国際連合がらみの教育用スライドは無条件」「学校とかのスライドは特定用途」などなど、馬鹿らしいけど自分なりに意味づけて押えていくしかないです。

引越し荷物は無条件、車や飛行機・特定用途、みたいな感じですね。

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その他いろいろ

そのほかに、外交官用の免税、製造用原料の免税などなどたくさんありますが、過去問に出たことを中心にして押えればいいでしょう。

そんなに神経質にやることなし。時間がなかったり、めんどくさかったら捨ててもいいでしょう。

本格的に出題されたら多分、誰にも解けんデスタイ。

以上、各種減免税を見てきました。混同が最大の敵!!をモットーに、各種規定を、コツコツと記憶に入れていってください。

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−−−外国為替・外国貿易法−−−

外国為替・外国貿易法は、関税定率法の学習から、日を置いてやっていくほうが賢明です。関税定率法ででて来まくった似たような規定、表ばかりで最も混乱しました。

最大の混乱要因は、なんといっても「違う系統に属する、違う体系の法律」ということを無視していたことです。

関税定率法と同一線上で考えると、混乱する元なので、気分を切り替えて臨むのが最適だと経験は教えています。

関税関係は、財務省・国税局ですが、外国為替・外国貿易法は、経済産業省・経済産業大臣の管轄となる事項になります。

しかしながら、内容的には簡単なので、上記の関税定率法の各制度・各単元・表など全てがシッカリ固まってからで良いかと思います。

でも、よく出るので絶対に注意よw

関税定率法まとめ

過去2回の試験経験からすると、先ほどにいいましたように「最初わからず後かんたん」でした。

過去問を解いても、学習初期は「アレ?なんやったかなぁ」という疑問が湧いたものです。2回目もねwww

似たような制度が多いので、どうしても、混乱してしまいます。
多くの受験生が混乱するからこそ、狙われるというわけですね。

とはいえ、関税定率法も過去問に出たことを押さえておけば、合格ラインには到達するかと思います。

極端にいえば、時間がなくてベンキョできないという人は過去問をごり押しで、ゴリゴリやっておけば、少なくとも合格の僥倖はあるらん、という感じが強いです。

最も簡単に「どういう風にベンキョしていこう?」という質問に答えるなら、『過去問が確実に解けることを目標にしましょう」と答えます。

過去問上で、問題と答えの感触、出題のパターンを入手するわけです。

問題を解く時は、テキストを見ながらでもいいです。出題がどんな風なのかを確認しながら、進めておけば抵抗が少なく進められます。

この方法は、受験までに時間がないという人にオススメします。

過去問がきちんと取れるようになれば、テキストを精読して点数の担保を増やしておけばいいでしょう。

最初のややこしいのぅを乗り越えてクリアできれば、あとは簡単です。

「ややこしいのぅ」の峠を越えることを目標の第一歩にしてください。

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学習が難関な記述式

「穴埋め記述式」はLECさんの問題集でお世話になりました。

しかし、LECの記述式拷問問題集は量が莫大で、大変しんどいです。択一式の勉強を利用しながら、コツコツを目を通すことをお勧めします。

ホンマの丸暗記です。

過去問を解く・テキストを読む・拷問を受ける

上記のコトをやったあとでも、本格的に「LECの記述式拷問問題集」をしようとしてはいけません。できるだけ「LECの記述式拷問問題集」をざっと見ます。

いきなり覚えようとせず、軽く目を通すことを何度もしておきましょう。

じょじょに抵抗感をなくしていくほうがベターです。

一気にやろうとすると、本当に吐き気を催して寝込んでしうので要注意です。

択一式が進めば、記述式拷問問題集でコツコツとフォローするといった感じで、莫大な量をやるというバイアスを軽減してください。

一気にやると、ほんとイヤン状態です。

しかし、「LECの記述式拷問問題集」以外に、合理的な記述式対策のできるツールもないないのであしからず、というのが現状です。

おそらく、不合格者のうち、勉強不足で落ちる人はこの記述式でアウト!になってくると思います。ですから、丹念にやっておくことを。

ま、拷問を受けて来い、とw

 
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