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令和2年度(2020年度)の第二種電気工事士:下期:午後筆記試験の総評

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

第二種電気工事士(2電工)の令和2年度(2020年度)下期の午後筆記の総評や、各科目(電気理論・配電理論・配線設計・電気機器・工具材料・電気工事・検査・法令・配線図)へのコメント。過去問演習に当たっての参考にしてください。

第2種電気工事士の「R2下期の午後筆記試験」ですが、“相変わらず”、きちんと勉強した受験生なら、穏当に合格できた試験となりました。

ざっくり雑感を述べていきます。

結論から言うと、即答できる問題が増えた反面、難解な選択肢で頭を悩ませる問題が増えた、ってな次第です。

また、“朗報ですが”、検索しないと到底解けない「難問」は、姿を消しています。

よって、すべての問題にて、点数を取る可能性があります。

特徴1‐即答可能

まずもって、当該筆記では、問題を一瞥しただけで解ける問題が、かなり目立ちます。

ざっと挙げると、たとえば、「写真鑑別」で…、

16問:器具写真鑑定1

17問:器具写真鑑定2

18問:測定器写真鑑定

…といった次第で、「写真鑑別」は、間違えようがないと思います。

文章問題でも…、

11問:器具

13問:ねじなし電線管の工具

15問:零相変流器

27問:導通試験

…のように、即効で解ける問題が多かったです。

これらは、ほんの30秒で、さっくり解答できたと思われます。

しかし、なのです。

特徴2‐手強い選択肢が増える

上述のように、即効で解ける問題が増えた反動といいましょうか、“テキストを逸脱する手強い選択肢”の問題が目立つのです。

たとえば…、

・「11問:器具」の「ロ:フィクスチュアスタンド」

・「12問:絶縁最高許容温度」の「ロ:HIV」

・「13問:ねじなし電線管の工具」の「ロ:ディスクグラインダ」

…などです。

こんな風に、あまりテキストに載ってない語句・用語・名称が選択肢に登場しています。

そう、問題自体はカンタンなのだが、難しい選択肢を入れることで、受験生を惑わしにかかっている、ってな塩梅です。

テキストを逸脱する難選択肢は、受験生を惑わせるためだけの出題者の「ブラフ(はったり)」です。

今後の試験でも、当該ブラフ傾向は、続くように思われます。

よって、選択肢中に、耳目をしたことがないものが出ても、慌てず落ち着いて、解答して下さい。

ぶっちゃけ、難選択肢は、最終解答には影響しないことが多いので、『無視』したらよいでしょう。

雑感としては、以上です。

んでは、科目ごとに、詳細です。

第1部:一般問題

第1部の「一般問題」ですが、少々手強い問題があります。

あの「法令」が厄介でした。

しかし、それでも、大半は、過去問レベルでした。

電気理論

「電気理論」は、文系に厳しい問題がありますが、それ以外は、過去問演習をした人なら、得点できたはずです。

まずもって、「1問:直流回路電圧」は、文系の理解を超えています。

次に、「4問:交流回路の力率」も、(???)となったと思います。

しかし、残りの問題は、公式暗記等で凌げる問題ばかりでした。

「電気理論」は、文系でも、「7問」のうち、「4~5問」は、取れたと思います。

ここで、失点がないほど、「捨て問」が増えます。

過去問の数も、そんなに多くないです。

文系の人は、「電気理論」の過去問を何回も解いて、解き方と答えと出題パターンとを憶えてしまいましょう。

配電理論・配線設計

「配電理論・配線設計」ですが、おおむね例年通りの出題であり、ちゃんと過去問を消化していれば、正解できる問題が多いです。

「配電理論・配線設計」を苦手としている人が多いですが、「表」や「公式」の暗記で取れる問題がそこそこあるので、そこだけに絞るのが吉です。

たとえば、「8問:許容電流計算」や「10問:分岐回路設計」は、ほぼ毎回、“同じような”出題となっています。

文系ド素人は、こういう問題で、点を確保してください。

電気機器・工具材料・電気工事

「電気機器・工具材料」ですが、先述したように、即答できる問題がある反面、判断に悩む選択肢があります。

出題者の「ブラフ(はったり)」に、引っかからないようにしましょう。

また、「近年ほとんどでなかった問題」と「傾向の変わった問題」がありました。

まず、「近年ほとんどでなかった問題」ですが、「19問:絶縁処理」です。

当方、まったく見当も付かず、本問では、テキスト首ったけとなりました。

今後、定番化するおそれもあるので、チェックだけはしておいてください。

次に、「傾向の変わった問題」ですが、「20問:工事方法」です。

この問題は、金属管工事などの特定の工事だけ押えておけばよかったのですが、“傾向が変わったのか”、金属線ぴ工事などが問われています。

金属線ぴ工事などは、近年、まったく問われてなかったので、落とした人も多いと思います。

これまた、今後の定番になりそうなので、チェックだけは、入れておいてください。

最後に、「12問:絶縁最高許容温度」ですが、当該論点は、“かなり”の復活基調にあり、最近になって、実によく出題されています。

見落としがちな論点なので、キッチリ押えておきましょう。

検査

「検査」ですが、ちょっと難しいのもありますが、“過去問の使い回し”のため、過去問演習をキッチリこなした人なら、解ける問題ばかりです。

文系ド素人の人は、少し実務的要素の絡む、「24問:回路計(テスタ)」や「26問:接地抵抗計」などは、(実物知らんから、なんだか、わけわからんな)となりますが、「答え」と「解説」だけは、押えていってください。

法令

当該試験ですが、「法令」に手を焼きます。

28問:法令一般」は、2電工では稀な「横断問題」です。

よって、(???)となった人も多いと思います。

ちなみに、わたしは、できませんでした。答えを見て、(まさかここが出るとは!)と思いました。

今後、こういう出題の可能性が高いので、「法律の名称が問われる」と、「要領」を押えましょう。

次に、「29問:電気用品安全法」ですが、きちんと勉強した人なら、大丈夫ですが、かなりいやらしい選択肢があるため、最終解答に悩むと思います。

テキストの精読と、過去問演習とで、確実な知識を蓄えてください。

第2部:配線図

第2部の「配線図」ですが、オーソドックスで、例年通りの出題です。

過去問をシッカリ解いた人なら、大きな失点はなかったでしょう。

以下は、雑感です。

未使用問題・資料問題の対策を

最初に指摘しておきたいのは、「配線図を解き始める前に、第49問・第50問をチェックする」です。

その理由は、「未使用問題」や「資料問題」を、効率的に解くためです。

「未使用問題」とは、第49問のように、「使用されていない○○はどれか?」という問題です。

「資料問題」は、第50問のように、「○○と××は、それぞれ、いくつ使われているか?」を問う問題です。

この種の問題は、資料を端から端まで調べる必要があり、かなり、手間を食います。

よって、当該「未使用問題」と「資料問題」は、解答の最後になって着手するのではなく、最初からやるべきです。

たとえば、本問では、「未使用問題」の対象が「コンセント」ですから、第31問から、資料の「コンセント」を目にするたびに、「丸」を入れていく、ってな寸法です。

最後らへんの第49問・第50問あたりになって、慌てて資料を調べ始めるのは、泥縄の極みであり、非効率の最たるものです。

「配線図」では、当該「未使用問題」と「資料問題」が出ることを前提にして、問題を解いてください。

難解な選択肢は、無視せよ

さて、本問の「配線図」ですが、テキストでは目にしない語句の選択肢があります。

たとえば、「35問:図記号名称」の「ニ:カットアウトスイッチ」です。

文系ド素人の人は、(???)となるはずです。

先述したように、こういう「テキストで見聞きしたことがない」のものは、出題者の「ブラフ(はったり)」です。

惑わされず、『無視』して、落ち着いて解答してください。

複線図

当該試験では、例年4問ほどある「複線図」問題が、3問しかなく、苦手としている人にとっては、助かったはずです。

他のところでも述べていますが、個人的には、「複線図」は、捨ててもよいと思います。

わたし自身、受験生当時は、「捨て問」としていました。

理解できない、やる時間がないのであれば、いっそのこと、筆記では「複線図」を捨てましょう。

どのみち、「技能」で、腐るほどやります。

まとめ

令和2年の下期の午後筆記は、ざっと、こんな次第です。

出題者の「はったり(ブラフ)」が目立ちます。

テキストで目にしなかったものは、大概「×」か、最終解答には影響しないものです。

出題者の手口に、引っかからないようにしましょう。

さて、やはりですが、結局のところ、筆記は、「過去問」が大事です。

過去問をキッチリ解いていれば、(???)な選択肢があっても、他の選択肢から、正しい正解が選べるようになっています。

過去問は、何回も何度も、繰り返して、答えと解き方とを憶えるくらいに、やり込みましょう。

R2下期 午後筆記の過去問は、こちらです。

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