第二種電気工事士(2電工)の令和2年度(2020年度)下期の午後筆記の総評や、各科目(電気理論・配電理論・配線設計・電気機器・工具材料・電気工事・検査・法令・配線図)へのコメント。過去問演習に当たっての参考にしてください。
第2種電気工事士の「R2下期の午後筆記試験」ですが、“相変わらず”、きちんと勉強した受験生なら、穏当に合格できた試験となりました。
ざっくり雑感を述べていきます。
結論から言うと、即答できる問題が増えた反面、難解な選択肢で頭を悩ませる問題が増えた、ってな次第です。
また、“朗報ですが”、検索しないと到底解けない「難問」は、姿を消しています。
よって、すべての問題にて、点数を取る可能性があります。
まずもって、当該筆記では、問題を一瞥しただけで解ける問題が、かなり目立ちます。
ざっと挙げると、たとえば、「写真鑑別」で…、
…といった次第で、「写真鑑別」は、間違えようがないと思います。
文章問題でも…、
…のように、即効で解ける問題が多かったです。
これらは、ほんの30秒で、さっくり解答できたと思われます。
しかし、なのです。
上述のように、即効で解ける問題が増えた反動といいましょうか、“テキストを逸脱する手強い選択肢”の問題が目立つのです。
たとえば…、
・「11問:器具」の「ロ:フィクスチュアスタンド」
・「12問:絶縁最高許容温度」の「ロ:HIV」
・「13問:ねじなし電線管の工具」の「ロ:ディスクグラインダ」
…などです。
こんな風に、あまりテキストに載ってない語句・用語・名称が選択肢に登場しています。
そう、問題自体はカンタンなのだが、難しい選択肢を入れることで、受験生を惑わしにかかっている、ってな塩梅です。
テキストを逸脱する難選択肢は、受験生を惑わせるためだけの出題者の「ブラフ(はったり)」です。
今後の試験でも、当該ブラフ傾向は、続くように思われます。
よって、選択肢中に、耳目をしたことがないものが出ても、慌てず落ち着いて、解答して下さい。
ぶっちゃけ、難選択肢は、最終解答には影響しないことが多いので、『無視』したらよいでしょう。
雑感としては、以上です。
んでは、科目ごとに、詳細です。
第1部の「一般問題」ですが、少々手強い問題があります。
あの「法令」が厄介でした。
しかし、それでも、大半は、過去問レベルでした。
「電気理論」は、文系に厳しい問題がありますが、それ以外は、過去問演習をした人なら、得点できたはずです。
まずもって、「1問:直流回路電圧」は、文系の理解を超えています。
次に、「4問:交流回路の力率」も、(???)となったと思います。
しかし、残りの問題は、公式暗記等で凌げる問題ばかりでした。
「電気理論」は、文系でも、「7問」のうち、「4~5問」は、取れたと思います。
ここで、失点がないほど、「捨て問」が増えます。
過去問の数も、そんなに多くないです。
文系の人は、「電気理論」の過去問を何回も解いて、解き方と答えと出題パターンとを憶えてしまいましょう。
「配電理論・配線設計」ですが、おおむね例年通りの出題であり、ちゃんと過去問を消化していれば、正解できる問題が多いです。
「配電理論・配線設計」を苦手としている人が多いですが、「表」や「公式」の暗記で取れる問題がそこそこあるので、そこだけに絞るのが吉です。
たとえば、「8問:許容電流計算」や「10問:分岐回路設計」は、ほぼ毎回、“同じような”出題となっています。
文系ド素人は、こういう問題で、点を確保してください。
「電気機器・工具材料」ですが、先述したように、即答できる問題がある反面、判断に悩む選択肢があります。
出題者の「ブラフ(はったり)」に、引っかからないようにしましょう。
また、「近年ほとんどでなかった問題」と「傾向の変わった問題」がありました。
まず、「近年ほとんどでなかった問題」ですが、「19問:絶縁処理」です。
当方、まったく見当も付かず、本問では、テキスト首ったけとなりました。
今後、定番化するおそれもあるので、チェックだけはしておいてください。
次に、「傾向の変わった問題」ですが、「20問:工事方法」です。
この問題は、金属管工事などの特定の工事だけ押えておけばよかったのですが、“傾向が変わったのか”、金属線ぴ工事などが問われています。
金属線ぴ工事などは、近年、まったく問われてなかったので、落とした人も多いと思います。
これまた、今後の定番になりそうなので、チェックだけは、入れておいてください。
最後に、「12問:絶縁最高許容温度」ですが、当該論点は、“かなり”の復活基調にあり、最近になって、実によく出題されています。
見落としがちな論点なので、キッチリ押えておきましょう。
「検査」ですが、ちょっと難しいのもありますが、“過去問の使い回し”のため、過去問演習をキッチリこなした人なら、解ける問題ばかりです。
文系ド素人の人は、少し実務的要素の絡む、「24問:回路計(テスタ)」や「26問:接地抵抗計」などは、(実物知らんから、なんだか、わけわからんな)となりますが、「答え」と「解説」だけは、押えていってください。
当該試験ですが、「法令」に手を焼きます。
「28問:法令一般」は、2電工では稀な「横断問題」です。
よって、(???)となった人も多いと思います。
ちなみに、わたしは、できませんでした。答えを見て、(まさかここが出るとは!)と思いました。
今後、こういう出題の可能性が高いので、「法律の名称が問われる」と、「要領」を押えましょう。
次に、「29問:電気用品安全法」ですが、きちんと勉強した人なら、大丈夫ですが、かなりいやらしい選択肢があるため、最終解答に悩むと思います。
テキストの精読と、過去問演習とで、確実な知識を蓄えてください。
第2部の「配線図」ですが、オーソドックスで、例年通りの出題です。
過去問をシッカリ解いた人なら、大きな失点はなかったでしょう。
以下は、雑感です。
最初に指摘しておきたいのは、「配線図を解き始める前に、第49問・第50問をチェックする」です。
その理由は、「未使用問題」や「資料問題」を、効率的に解くためです。
「未使用問題」とは、第49問のように、「使用されていない○○はどれか?」という問題です。
「資料問題」は、第50問のように、「○○と××は、それぞれ、いくつ使われているか?」を問う問題です。
この種の問題は、資料を端から端まで調べる必要があり、かなり、手間を食います。
よって、当該「未使用問題」と「資料問題」は、解答の最後になって着手するのではなく、最初からやるべきです。
たとえば、本問では、「未使用問題」の対象が「コンセント」ですから、第31問から、資料の「コンセント」を目にするたびに、「丸」を入れていく、ってな寸法です。
最後らへんの第49問・第50問あたりになって、慌てて資料を調べ始めるのは、泥縄の極みであり、非効率の最たるものです。
「配線図」では、当該「未使用問題」と「資料問題」が出ることを前提にして、問題を解いてください。
さて、本問の「配線図」ですが、テキストでは目にしない語句の選択肢があります。
たとえば、「35問:図記号名称」の「ニ:カットアウトスイッチ」です。
文系ド素人の人は、(???)となるはずです。
先述したように、こういう「テキストで見聞きしたことがない」のものは、出題者の「ブラフ(はったり)」です。
惑わされず、『無視』して、落ち着いて解答してください。
当該試験では、例年4問ほどある「複線図」問題が、3問しかなく、苦手としている人にとっては、助かったはずです。
他のところでも述べていますが、個人的には、「複線図」は、捨ててもよいと思います。
わたし自身、受験生当時は、「捨て問」としていました。
理解できない、やる時間がないのであれば、いっそのこと、筆記では「複線図」を捨てましょう。
どのみち、「技能」で、腐るほどやります。
令和2年の下期の午後筆記は、ざっと、こんな次第です。
出題者の「はったり(ブラフ)」が目立ちます。
テキストで目にしなかったものは、大概「×」か、最終解答には影響しないものです。
出題者の手口に、引っかからないようにしましょう。
さて、やはりですが、結局のところ、筆記は、「過去問」が大事です。
過去問をキッチリ解いていれば、(???)な選択肢があっても、他の選択肢から、正しい正解が選べるようになっています。
過去問は、何回も何度も、繰り返して、答えと解き方とを憶えるくらいに、やり込みましょう。
2020年10月16日 10:28 AM
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