第二種電気工事士(2電工)の令和元年度(2019年度)上期筆記の総評や、各科目(電気理論・配電理論・配線設計・電気機器・工具材料・電気工事・検査・法令・配線図)へのコメント。過去問演習に当たっての参考にしてください。
「R1下期の筆記試験」ですが、きちんと勉強した受験生なら、穏当に合格できた試験となりました。
下期試験恒例の“難問”は影を潜めて、グーグル検索をしないとわからないタイプの問題は、1問もありませんでした。
こういう試験のときこそ、受からないとダメです。
落ちた人は、猛省してください。実に、もったいない試験でした。
第1部の「一般問題」は、「奇問」が1問出たくらいで、ふつうの出題です。
その「奇問」とは、「11問:食器洗い機用コンセント」です。
正解を選べなくはないですが、これまでにない、新傾向の問題が出題されました。
難問・奇問枠として、今後も顔を出す予感が「大」です。押えておきましょう。
さて、試験問題の大半は、過去問からの問題でしたが、注意すべき問題があります。
「12問:最高許容温度」です。
かなり昔に出ていた論点なのですが、最近では、ずっと、姿を消していたのです。
しかし、復活傾向があります。
2018年(H30)の上期筆記にも、登場しているので、テキストで、押えておくべき論点です。
第2部の「配線図」ですが、これまた、特に難しい問題もありませんでした。
受験生泣かせの「複線図」ですが、難しい3路スイッチや4路スイッチ等がなく、オーソドックスな物ばかりとなっています。
「複線図」を少しでも勉強した人なら、1~2点は、上乗せできたはずです。
「図記号」や「写真鑑別」、その他の問題も、まったく問題なしかと思います。
以下、科目別のコメントです。
今回の試験の電気理論ですが、一口で言えば、「やさしい」です。
オーソドックスで、かつ、定番の出題で、文系でも、点を確保できたはずです。
まあ、最低でも、「1問:合成抵抗」は、取れたはずです。
小難しいのは、「4問:正弦波交流回路」です。
これは、過去問でも、あまり出なかった問題なので、文系の人は、目を白黒させたことでしょう。
できなくても、仕方のない問題です。
正直、文系は、インピーダンスやらインダクタンスが出たら、脳が腐り始めるので、早々に「捨て問」にして、他の問題で、活路を見出しましょう。
「配電理論」ですが、例年通りの出題であり、ちゃんと過去問を消化していれば、正解できる問題ばかりでした。
「7問:電圧降下」などは、公式さえ憶えていれば、文系でも取れます。
公式の暗記で取れる問題は、貪欲に、狙って行きましょう。
「捨て問」がビシバシできるようになります。
「配線設計」ですが、最近の試験傾向からすると、ほぼ『固定化』しているといっていいです。
「8問:許容電流計算」や、「9問:分岐許容電流」、「10問:分岐回路設計」といった問題は、ほぼ、毎回出題されています。
どれも、「表」の数字を暗記すれば、点が取れます。
暗記で取れる問題こそ、文系の本領発揮。
通勤・通学時に憶えるのが一番です。
なお、再び、問われるようになったのが、「15問:遮断時間」です。
H30上期筆記にも、同様の問題が出題されています。
あまり出ないですが、「表」の暗記で1点なので、文系は、貪欲に取るようにしてください。
「13問:ノックアウトパンチャ」は、ストレートな出題です。
これまでになかった出題形式なので、この種の“一直線型”の問題が増えるかもしれません。
直接的に問われても、答えられるようになりましょう。
「14問:スターデルタ始動」は、「誘導電動機」のお馴染みの論点です。
とはいえ、当該誘導電動機の論点は、文系には敷居が高いので、何回テキストを読んでも、(???)なら、「捨て問」でもよいでしょう。
「工具材料」の写真鑑別は、基礎的なものですが、「16問:材料写真」には、注意してください。
最近は、「圧着端子‐圧着工具」と「圧縮端子‐圧縮工具」の出題が、目立つようになっています。
昔の試験ではそう出なかったのですが、昨今になって、チョコチョコと、親戚のおじさんのように、顔を出すようになっています。
個人的には、要注意工具なので、テキストでシッカリと、特徴を押さえておいてください。
電気工事と検査ですが、どれも、基礎的な出題で、特に、手こずることなく、解答できたと思います。
面倒なのは、「23問:電磁的不平衡」くらいです。
わからないなら、「捨て問」です。
当該年度の法令も、特に、問題ないです。
本当に定番のものばかりで、ぜんぜん解ける問題です。
1問たりとも、落とさないようにしましょう。
特に、問題ありません。
「35問:ペンダント図記号」で、ドキッとするくらいです。
ぜんぶ、テキスト・過去問で、お馴染みのものです。
十分に、点数は確保できたはずです。
ただ、「46問:図記号器具」の選択肢「イ」と「ロ」には、注意です。
今後、こういう出し方が増える感があるので、「出され方」を、押さえておくべきです。
テキストのコメントまで、キッチリ押えておきましょう。
先に述べたように、三路スイッチなど、難しいものがなかったので、取れる問題が多かったです。
余裕のある人は、取れないわけじゃないので、技能試験の予習を兼ねて、「複線図」を勉強してみてください。
まあ、無理なら無理なので、できそうにないなら、「捨て問」です。
わたしが受験生当時は、「複線図」は、捨ててました。失点は、「電気理論」などでカバーしました。
なお、「複線図」が書けないと、技能試験には“絶対に”受からないので、どのみち、技能で、しこたま勉強することになります。
令和元年の下期筆記は、ざっと、こんな次第です。
正直、勉強が足りない人でも、そこそこ、通ったのではないか?と思います。
ただ、過去問演習においては、油断しないようにしてください。
当該年度の試験問題は、「やさしい」部類に入ります。
んなもんで、解けて当然・合格点が取れて当然です。
今後の試験では、もっと難しい問題が出ても、まったくおかしくないのです。
実際に、応用的・複合的な問題が、ドンドコ登場した試験もあるのです。
当該過去問で、合格点(6割正解)が取れたといっても、油断してはいけません。
どの問題も、基礎・基本的なものばかりなので、大半の問題を、解けるようになっておきましょう。
2019年10月12日 5:54 PM
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