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簿記2級は「捨て問」禁止-商簿と工簿、どっちが苦手か把握

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

簿記2級に過去のセオリーは通用しない。かつてのように工業簿記を捨て問にできないので、商業簿記と工業簿記・原価計算の両科目をバランスよく勉強し、点を確保する必要がある。

簿記2級の特徴は、『捨て問』がないことです。

これがため、簿記2級が破格に“めんどくさく”なっています。

かつての簿記2級は、「商業簿記で点を稼ぎ、工業簿記では足切れを免れる」のがセオリーでした。

しかし、昨今では、工業簿記・原価計算で、そこそこの点数を確保しないと、受からなくなっています。

その背景には、商業簿記の難化があります。

商業簿記が難化したのは、ひとえに、実務上の会計処理が複雑になったためです。

かつては、財務諸表はB/S(貸借対照表)とP/L(損益計算書)の2つしかありませんでした。

しかしいまや、それらに加えて、キャッシュフロー計算書等々が加わって、5つもある時代です。

新しい取引も増えました。

たとえば、以前大流行だったストックオプションやデリバティブ、リースなどです。

簿記試験とは実務試験なので、新しい取引・制度の発生とともに、実務が複雑になれば、応じて、簿記試験の内容も、“深化拡大”します。

だって、そういう新取引も記帳しないといけないからです。

このため、もろに商業簿記の難易度が上がってしまい、商業簿記では安定して点数を確保できなくなったのでした。

で、応じて、“変化のほとんどない”工業簿記・原価計算で、点を取る必要が生じた、と言う次第です。

簿記2級では、商業簿記と工業簿記・原価計算の両試験科目を、満遍なく勉強して、「両方ともできるようになっておく」必要があります。

一口で言うと、「簿記2級には、苦手科目があってはいけない」という次第です。

つまり、どの試験科目も「捨て問」にできない、という塩梅です。

おおむね、商簿が得意な人は工簿がダメで、工簿がいける人は商簿が苦手な傾向があります。

簿記2級の試験勉強には、「苦手科目の解消」という、うっとおしい作業があることを、まずは知っておきましょう。

商簿と工簿、どっちが苦手か把握

さて、簿記2級の試験勉強を開始したら、まずは、商業簿記と工業簿記・原価計算のテキストをざっと読んで、どちらが苦手か、把握してください。

先述したように、『捨て問』が存在しない昨今の簿記2級は、両科目で点を取らないと受からないため、「苦手の克服」が合格のキーとなっています。

『苦手』を「ふつう」にするには、そこそこの時間が取られます。

目先の勉強が順調でも、『苦手』に手を付けていないと、本試験に間に合わなくなってしまいます。

よくある勉強のケースとしては、「商業簿記を済ませてから、工業簿記・原価計算に進む」ですが、推奨できません。

商業簿記は、ある程度、ゴリ押しが可能な試験科目で、多少、サボっていても、直前でガツガツ勉強すれば、短期間で合格ラインに到達できます。

しかし、工業簿記・原価計算は、無理強いの効かない試験科目で、苦手な人は、できるようになるまで結構な時間を食うのです。

参考:工業簿記の勉強方法

簿記2級の試験勉強は、「苦手科目」の方に重心を置いて、進めていかなくてはいけません。

『苦手』を後回しにしたり、放置したりすると、間違いなく落ちることを、頭の片隅に置いておきましょう。

序盤から、『苦手』に布石をしておくことが、簿記2級の独学ポイントです。

なお、勉強方法等は、「簿記2級の独学」を、

独学向け教材については、「教材レビュー」を参考ください。

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