第35回試験の第5問『精算表』の設問4を解説するページです。当該設問は、「減価償却費」を処理する問題です。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。
◇問題◇
◇問題全文◇
◇解答用紙◇
(クリックして拡大。)
結論から言うと、当該設問の「仕訳はこちら」です。
おなじみ「減価償却費」の処理です。
問題文には…、
「機械装置(工事現場用) 実際使用量 6,150 単位」
「取得原価 ¥600,000 耐用年数 5年 残存価額 ゼロ 減価償却方法 生産高比例法」
「見積総使用量 30,000 単位」
「なお、月次原価計算において、毎月 500 単位を未成工事支出金に予定計上している」
…とあります。
まず、この機械装置は、「工事現場用」とあるので、工事原価に含めることがわかります。
よって、機械装置の減価償却費は、「未成工事支出金」に入れることになります。
処理方法は、「生産高比例法」ですが、問題文を読めば、「実際使用量 6,150 単位」と「見積総使用量 30,000 単位」を使えばいいんでないの?と予想できるかと思います。
さて、計算ですが、「600,000*6,150/30,000」で「123,000」が実際発生額と相なります。
次に、問題文には、「なお、月次原価計算において、毎月 500 単位を未成工事支出金に予定計上している」とあります。
毎月500単位なので、1年(12カ月)では「500*12」で「6000」単位が計上されています。
ということは、予定配賦額は、「600,000*6,000/30,000」で「120,000」となります。
まとめます。
実際発生額は、「123,000」です。
予定配賦額は、「120,000」です。
差額の「123,000‐120,000」の「3,000」だけ、計上不足なことがわかります。
減価償却費(未成工事支出金)を増やす仕訳を切ると…、
借方:未成工事支出金 3,000
貸方:機械装置減価償却累計額 3,000
…と相なります。
②の備品ですが、問題文には…、
「② 備品(本社用)」
「取得原価 ¥120,000 耐用年数 4年 残存価額 ゼロ 減価償却方法 定額法」
「なお、このうち¥20,000 は当期 10 月1日に取得したものである。」
…とあります。
まずもって、注意すべきは、「本社用」とあるので、工事原価には含めないことがわかります。
次に、注意すべきは、「なお、このうち¥20,000 は当期 10 月1日に取得したものである。」のところです。
よって、「備品」の「120,000」のうち、「100,000」と「20,000」とを別にして計算しないといけないことがわかります。
んでは、まず、昔からあった方の備品「100,000」から計算していきましょう。
「耐用年数 4年 残存価額 ゼロ 減価償却方法 定額法」なので、「100,000/4」で「25,000」が償却されます。
「解答用紙」を見ると「備品減価償却費」との勘定科目があるので、これを使えばいいことがわかります。(販管費で処理しないようにしましょう。)
仕訳は…、
借方:備品減価償却費 25,000
貸方:備品減価償却累計額 25,000
…と相なります。
次は、「当期 10 月1日に取得した」「20,000」の備品を処理しましょう。
問題文の前文を見ると、「会計期間は1年(4月1日から3月31日)」とあります。
よって、10・11・12・1・2・3で「6カ月」だけ処理すればいいことがわかります。
「耐用年数 4年」は、「4*12」で「48カ月」です。
「20,000*6/48」で「2,500」と相なります。
仕訳は…、
借方:備品減価償却費 2500
貸方:備品減価償却累計額 2500
…と相なります。
先の2つの仕訳を合体すると…、
借方:備品減価償却費 27,500
貸方:備品減価償却累計額 27,500
…と相なります。
以上で、終了です。
落ち着いて、指差し確認をしながら、「整理記入」に、転記してください。
当該設問の仕訳は、「こちら」です。
あと、念のために、問題全体の答えですが…、
…こうなっています。
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