建設業経理士2級 第35回 過去問+解説 第2問 文章問題(1)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『工事進行基準』の文章問題。第35回試験の第2問‐文章問題の1問目。おなじみ、工事進行基準の問題です。公式をガチ暗記して臨んでください。これができないとダメです。また、本問は、シッカリと問題文を読まないと、ついウッカリと解答ミスをしかねない問題です。傾向把握の一環として、チェックしておきましょう。

第2問 文章問題(1)工事進行基準

 ◇問題◇

 

 (クリックして拡大。)

解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

ポイント

 

 

 上記2つは、超絶重要な公式です。建設業経理士では、絶対に出ます。ガチ暗記しましょう。

処理1

 まずもって、前期までの工事収益を計算しましょう。

 問題の舞台のA工事ですが、大本は、「工期7年 請負金額¥50,000,000 総工事原価見積額¥40,500,000」です。

 次に、問題文には、「前期において、労務費高騰等の影響から¥2,000,000 を総工事原価見積額に反映させている」とあるので、総工事原価見積額を修正しないといけないことがわかります。

 ですから、総工事原価は、「40,500,000+2,000,000」の「42,500,000」となることがわかります。

 そして、問題文には、「前期までの工事原価発生額 ¥8,500,000」となっています。

 これらの数字を公式にぶち込むと…、

 =50,000,000*(8,500,000/42,500,000)-0

 =50,000,000*(8,500,000/42,500,000)-0

 =50,000,000*0.2-0

 =10,000,000

 …となり、前期までの工事収益は、「10,000,000」なことがわかります。

補足

 本問で分かり難いのは、「前期までの工事原価発生額 ¥8,500,000」となっている点です。

 前々期と前期とで工事原価発生額を分けて、前々期と前期とで工事収益を計算させたらすっきりするのです。

 しかし、本問では、細かい指示がないので、前々期と前期とをまとめて計算せざるを得なくなります。

 このあたりは、要領よく割り切ってやってください。

処理2

 当期の工事収益を計算します。

 その前に、問題文の指示「発注者との交渉により追加請負金¥5,000,000 を獲得することとなった。」を処理します。

 つまりは、工事の請負金額に¥5,000,000を増やします。

 請負金額は、¥50,000,000でしたので、「50000000+5000000」で「55,000,000」が新しい請負金額となります。

処理3

 公式に数字をぶち込みます。

 新しい請負金額は、処理2より「55,000,000」でした。

 過年度の工事原価は、問題文より「8,500,000」でした。

 問題文には、「当期の工事原価発生額¥7,650,000 である」とあります。

 総工事原価は、処理2より「42,500,000」です。

 んで、過年度の工事収益は、処理1より「10,000,000」でした。

 これらの数字を公式にぶち込むと…、

 =55,000,000*(8,500,000+7,650,000/42,500,000)-10,000,000

 =55,000,000*(16,150,000/42,500,000)-10,000,000

 =55,000,000*(0.38)-10,000,000

 =20,900,000-10,000,000

 =10,900,000

 …となり、「10,900,000」が答えとなります。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 >>> 次の問題へ。


第35回

 インデックス

第1問:仕訳

 1問:配当

 2問:社債発行

 3問:固定資産の売却処理

 4問:賞与引当金

 5問:材料貯蔵品(すくい出し式)

第2問:文章問題

 1問:工事進行基準

 2問:未払利息

 3問:有価証券の売却

 4問:総合償却

第3問 個別問題

 1問:現場監督者給料手当の処理

第4問 理論+計算

 工事原価明細表

 理論問題

第5問 精算表

 精算表:インデックス・ポイント

 精算表:設問1

 精算表:設問2

 精算表:設問3

 精算表:設問4

 精算表:設問5

 精算表:設問6

 精算表:設問7

 精算表:設問8

 精算表:設問9

 精算表:設問10

 精算表:設問11

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

みんなとシェアする