本問は『工事原価明細表』の問題。処理で注意すべきは、「工事未払金」と「前払費用」系の処理です。苦手な人は、解き方を暗記してください。細かい計算が多いうえ、T字勘定やBOX図をたくさん書くので、ケアレスミスに注意してください。
◇問題◇
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結論から言うと、「答えはこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」です。
まずもって、本問は、ボリュームが大きいので、「後回し」が賢明です。
第5問の精算表を先に着手し、第5問の方で点を稼いでください。
ほいで、です。
本問は、部分点を狙っていきましょう。
計算することが少ない、カンタンな「材料費」「労務費」「外注費」「人件費」は、確実に取りましょう。何回も検算して、ガチで正確な数字を導いてください。
対して、経費は、(たぶん合わんなー)程度の心持ちで臨んでください。
経費ですが、手間を食って時間がかかるくせに、たぶん配点は、材料費とかと同じなはずです。
経費は、時間の費用対効果が悪いので、最後の最後で解くといいでしょう。
最後のコメントです。本問ですが、「経費」の計算が多いため、間違うと思います。
よって、当月発生原価と当月完成工事原価の合計額も、合わないと思います。
問題のレベル的には、満点取れないわけではないですが、先述したように、「材料費」「労務費」「外注費」「人件費」の部分点を最優先してください。
まずは、資料の一番上の「材料費」から処理していきましょう。
資料によると、月初残高は「56,000」で、月末残高は「63,000」となっています。
んで、「2」の「当月材料仕入高には…、
「1 総仕入高 845,000」
「2 値引・返品高 32,000」
「3 仕入割引高 15,000」
…となっています。
おなじみの論点の「仕入割引」がありますね。
当該「仕入割引」は、「営業外収益」で処理します。
仕訳を切ると…、
借方:買掛金とか ×××
貸方:仕入割引 ×××
…ってなり、「仕入」をいじらないのです。
よって、「仕入割引」の金額は、仕入高より引きません。
仕入高より引くのは、値引きと返品の分です。
よって、「845,000-32,000」の「813,000」が当月の仕入高となります。
答えのT字勘定を書くと…、
…となります。
借方の合計は、「56,000+813,000」で、「869,000」となります。
貸方の残高は、「63,000」です。
差額を求めると「869,000-63,000」の「806,000」が当月消費高となります。
んで、当該金額が材料費の当月発生原価となります。
検算をしたら、解答用紙の「当月発生工事原価」の所に記入しましょう。
んで、当該「806,000」が「未成工事支出金 材料費」に振り替えられることになります。
「未成工事支出金」の材料費勘定は、資料によると、月初残高は「152,000」で、月末残高は「183,000」となっています。
当月消費高は、先に見たように、「806,000」となります。
T字勘定的なものを書くと…、
…となります。
借方合計は、「152,000+806,000」の「958,000」です。
貸方の残高は、「183,000」です。
差額を求めると、「958,000-183,000」で「775,000」となり、これが、材料費の完成工事原価となります。
検算をしたら、解答用紙に入しましょう。
やっと、1つ終わりました。しかし、先はまだ遠いです。
次は、「労務費」を計算します。
資料を見ると、「工事未払金」しかないので、ここから、当月消費高を求めていくことになります。
さて、「工事未払金」の処理ですが、ぶっちゃけ言うと、T字勘定なりBOX図の書き方を暗記した方が“早い”です。
難しく考えず、“こう書く”と憶えてしまってください。(なお、わたし流の仕訳からの書き方は、「補足‐工事未払金」で述べますので、興味のある人は一読してください。)
さて、資料によると「工事未払金 賃金」は、月初残高は「236,000」で、月末残高は「218,000」となっています。
んで、「当月工事関係費用支払高」を見ると、「1 賃金 542,000」とあります。
月初残高の「236,000」は、貸方に書きます。
月末残高の「218,000」は、借方に書きます。
「1 賃金 542,000」は、借方に書きます。
これら資料の数字をT字勘定的なものにまとめると…、
…となります。
先述したように、「工事未払金」は、こう書くと憶えましょう。
借方の合計は、「218,000+542,000」で「760,000」となります。
貸方の残高は、「236,000」です。
差額を求めると、「760,000-236,000」の「524,000」となります。
当該「524,000」が当月消費高となり、労務費の当月発生原価となります。
検算をしたら、解答用紙に記入しましょう。
んで、「524,000」が「未成工事支出金 労務費」に振り替えられることになります。
「未成工事支出金」の労務費勘定は、資料によると、月初残高は「224,000」で、月末残高は「209,000」となっています。
当月消費高は、先に見たように、「524,000」となります。
T字勘定的なものを書くと…、
…となります。
借方合計は、「224,000+524,000」の「748,000」です。
貸方の残高は、「209,000」です。
差額を求めると、「748,000-209,000」で「539,000」となり、これが、労務費の完成工事原価となります。
検算をしたら、解答用紙に記入しましょう。
次は、「外注費」を計算します。
さて、資料によると「工事未払金 外注費」は、月初残高は「289,000」で、月末残高は「247,000」となっています。
んで、「当月工事関係費用支払高」を見ると、「2 外注費 765,000」とあります。
これら資料の数字をT字勘定的なものにまとめると…、
…となります。
先述したように、「工事未払金」系統は、こう書くと憶えましょう。
借方の合計は、「247,000+765,000」で「1,012,000」となります。
貸方の残高は、「289,000」です。
差額を求めると、「1,012,000-289,000」の「723,000」となります。
当該「723,000」が当月消費高となり、外注費の当月発生原価となります。
検算をしたら、解答用紙に記入しましょう。
んで、「723,000」が「未成工事支出金 外注費」に振り替えられることになります。
「未成工事支出金」の外注費勘定は、資料によると、月初残高は「1,232,000」で、月末残高は「1,105,000」となっています。
当月消費高は、先に見たように、「723,000」となります。
T字勘定的なものを書くと…、
…となります。
借方合計は、「1,232,000+723,000」の「1,955,000」です。
貸方の残高は、「1,105,000」です。
差額を求めると、「1,955,000-1,105,000」で「850,000」となり、これが、外注費の完成工事原価となります。
検算をしたら、解答用紙に記入しましょう。
同じような作業がまだまだ続きます。
このあたりで、少し深呼吸しましょう。
さて、次は、「未成工事支出金」の「経費」を見ていきたいのですが、まずは、数字の入れ物となるT字勘定だけ、作っておきましょう。
さて、資料によると「未成工事支出金 経費」は、月初残高は「117,000」で、月末残高は「185,000」となっています。
んで、この時点で、「当月工事関係費用支払高」で「経費」に計上する勘定科目も書いておきましょう。
現時点での経費のT字勘定を書くと…、
…となります。
んで、括弧書きの(経費のうち人件費)も、間違えやすいので、この時点で、T字勘定を書いておきましょう。
資料によると「経費のうち人件費」は、月初残高は「17,000」で、月末残高は「18,000」となっています。
さて、人件費ですが、資料の…、
「6 従業員給料手当 132,000」
「7 法定福利費 39,000」
「8 福利厚生費 12,000」
…が対象となります。
ひとまず、勘定科目だけT字勘定に反映させると…、
…となります。
以後は、計算して判明した分だけ、当該T字勘定に書いていくことになります。
次は、「事務用品費」を計算します。
これも、「工事未払金」で処理されているので、先にやったのと同じ処理です。
正直、単に面倒なだけで、何の実力考査にもなってないクソ問題だと思います。
さて、資料によると「工事未払金 事務用品費」は、月初残高は「7,500」で、月末残高は「8,000」となっています。
んで、「当月工事関係費用支払高」を見ると、「10 事務用品費 38,000」とあります。
これら資料の数字をT字勘定的なものにまとめると…、
…となります。
先述したように、「工事未払金」は、こう書くと憶えましょう。
借方の合計は、「8,000+38,000」で「46,000」となります。
貸方の残高は、「7,500」です。
差額を求めると、「46,000-7,500」の「38,500」となります。
当該「38,500」が当月消費高となります。
当該「38,500」は、「未成工事支出金 経費」に振り替えられることになります。
「経費」の「未成工事支出金」を求めるには、資料の前払費用を処理する必要があります。
当該前払費用は、先の未払工事金とはT字勘定的なものの書き方が異なってくるので、“特に”注意してください。
では、まずは、「保険料」から見ていきましょう。
さて、資料によると「前払費用」の「保険料」は、月初残高は「8,000」で、月末残高は「12,500」となっています。
「前払費用」は、経過勘定項目なので、月が始まると同時に、「振替仕訳」が切られます。
「前払費用」の「保険料」は、月初残高は「8,000」でした。
よって、仕訳は…、
借方:保険料 8,000
貸方:前払費用 8,000
…という仕訳が切られることになります。
次に、「当月工事関係費用支払高」を見ると、「5 保険料 9,000」とあります。
これは、ふつうに「保険料」を支払っただけです。
よって、仕訳は…、
借方:保険料 9,000
貸方:現金とか 9,000
…となります。
んで、「前払費用」の「保険料」は、月末残高は「12,500」でした。
「前払費用」の「保険料」ですが、これは、支払った保険料のうち、当月分でないものが該当したわけです。
仮に仕訳で表現すると…、
先に…
借方:保険料 ×××
貸方:現金とか ×××
…的なものが切られた後で、(あ、これ、来月分じゃん)的なことが判明し…、
借方:前払費用 ○○○
貸方:保険料 ○○○
…といった感じに、保険料を前払費用に振り替える仕訳を切った次第です。
よって、「保険料」のT字勘定は…、
…となります。
借方の合計は、「8,000+9,000」で「17,000」となります。
貸方の残高は、「12,500」です。
差額を求めると、「17,000-12,500」の「4,500」となります。
当該「4,500」が当月消費高となります。
当該「4,500」は、「未成工事支出金 経費」に振り替えられることになります。
残る「地代家賃」から見ていきましょう。
さて、資料によると「前払費用」の「地代家賃」は、月初残高は「17,000」で、月末残高は「18,000」となっています。
さっきの「保険料」と同じ処理です。
「前払費用」は、経過勘定項目なので、月が始まると同時に、「振替仕訳」が切られます。
「前払費用」の「地代家賃」は、月初残高は「17,000」でした。
よって、仕訳は…、
借方:地代家賃 17,000
貸方:前払費用 17,000
…という仕訳が切られることになります。
次に、「当月工事関係費用支払高」を見ると、「4 地代家賃 31,000」とあります。
これは、ふつうに「保険料」を支払っただけです。
よって、仕訳は…、
借方:地代家賃 31,000
貸方:現金とか 31,000
…となります。
んで、「前払費用」の「地代家賃」は、月末残高は「18,000」でした。
「前払費用」の「地代家賃」ですが、これは、支払った地代家賃のうち、「当月分でないもの」が該当したわけです。
仮に仕訳で表現すると…、
先に…
借方:地代家賃 ×××
貸方:現金とか ×××
…的なものが切られた後で…、
借方:前払費用 ○○○
貸方:地代家賃 ○○○
…といった感じに、地代家賃を前払費用に振り替える仕訳を切ったことになります。
よって、「地代家賃」のT字勘定は…、
…となります。
借方の合計は、「17,000+31,000」で「48,000」となります。
貸方の残高は、「18,000」です。
差額を求めると、「48,000-18,000」の「30,000」となります。
当該「30,000」が当月消費高となります。
当該「30,000」は、「未成工事支出金 経費」に振り替えられることになります。
これまでに、「未成工事支出金」の経費勘定に振り替えられたものをまとめると…、
…となります。
あとは、「当月工事関係費用支払高」で残っている経費群を転記するだけです。
転記すべきは…、
「3 動力用水光熱費 62,000」
「6 従業員給料手当 132,000」
「7 法定福利費 39,000」
「8 福利厚生費 12,000」
「9 通信交通費 19,000」
…です。
やっと、当月の発生額がわかります。
残高以外を足し算するだけです。
「38,500+4,500+30,000+62,000+132,000+39,000+12,000+19,000」で、「337,000」が「未成工事支出金」の「経費」の「当月発生工事原価」となります。解答用紙に記入しましょう。
先の費用をT字勘定に書き込むと…、
…となります。
後は、「当月完成工事原価」です。
借方の合計額を求めます。
資料から、「月初残高」は、「117,000」です。んで、「月末残高」は、「185,000」です。
借方の合計額は、「117,000+38,500+4,500+30,000+62,000+132,000+39,000+12,000+19,000」で「454,000」となります。
差額は、「454,000-185,000」で「269,000」となり、当該「269,000」が完成工事原価と相なります。
疲れ切っていると思いますが、まだ、経費の人件費の処理が終わっていません。
ここは、単なる知識問題でカンタンなので、確実に点としてください。
さて、先述したように、経費の人件費には…、
「6 従業員給料手当 132,000」
「7 法定福利費 39,000」
「8 福利厚生費 12,000」
…が該当となります。
これらの合計額「132,000+39,000+12,000」の「183,000」が「人件費」の当月発生工事原価となります。
資料によると、「人件費」の「月初残高」は「17,000」で、「月末残高」は「18,000」です。
これらの数字をT字勘定にまとめると…、
…となります。
借方の合計額は、「17,000+132,000+39,000+12,000」で「200,000」となります。
貸方の残高は、「18,000」です。
差額を求めると、「200,000-18,000」で「182,000」となり、当該金額が当月完成工事原価となります。
これで漸くすべてのマス目に数字を記入できました。
残るは、当月発生工事原価と当月完成工事原価解答用紙の合計額を計算するだけです。
「工事未払金」の処理ですが、教科書的に解説しました。
以下は、わたしのやり方です。仕訳から導けるので、わたしは、こちらの方が好きです。
まあ単に、貸借を入れ替えただけなのですが…。
わたしのやり方は、「工事未払金」は、「月末残高」から仕訳を切るようにしています。
賃金を例に、考えましょう。
「月末残高」に、賃金の工事未払金があるということは、期中にて…、
借方:賃金 ×××
貸方:工事未払金 ×××
…という一連の仕訳が切られたからですね。
次に、賃金支払いの仕訳は、同じく…、
借方:賃金 △△△
貸方:工事未払金 △△△
…とします。
さて、次に見るのは、「月初残高」です。
「月初残高」の工事未払金は、すべて決済されたとします。
仕訳で現わすと…、
借方:工事未払金 ○○○
貸方:現金とか ○○○
…となります。
この仕訳をT字勘定に記すと…、
…となります。あとは、差額を求めるだけです。
こうすると、仕訳から「当月消費高」を導くことができるので、わたしはこっちが好きです。
まあ、お手本の書き方を暗記した方が安心ではあります。
やりやすい方で、「未払工事金」の処理を行ってください。
答えは…、
…です。
結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。
当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。
公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。
PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。
なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。
アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。
とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。
受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。
教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、
簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。
簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、
過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。
建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。
建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。
合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。
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