建設業経理士2級 第35回 過去問+解説‐第1問(1)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『配当』の仕訳。第35回試験の第1問‐仕訳問題の1問目。処理はヤヤコシイですが、資本会計の定番の論点です。忘れたころに出題されるので、解けるようになっておきましょう。

第1問(1)‐配当

 ◇問題◇

 


 ◇勘定科目群◇

 

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解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、フライパンを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、配偶者に塩を振るときの方です。

解説1

 配当支払いの処理ですが、配当を支払う際は、準備金を積み立てる必要があります。(法で定められています。)

 その処理ですが、「資本準備金と利益準備金の合計額が、資本金の1/4に達するまで、配当額の1/10を積み立てる」となっています。

 カンタンに言えば、下の2つのうち…、

 ・配当額×1/10

 ・(資本金×1/4)-(資本準備金+利益準備金)

 …小さい方を積み立てるってな次第です。

解説2

 先に挙げた数式に、問題の数字を入れていきましょう。

 問題文には、「甲社は、株主総会において、繰越利益剰余金を財源として、株主配当金¥3,000,000 を支払うことを決議した。なお、 同社の資本金は¥100,000,000 で、資本準備金は¥15,000,000 であり、利益準備金は¥8,000,000 である」とあります。

 先に見た数式とは…、

 ・配当額×1/10

 ・(資本金×1/4)-(資本準備金+利益準備金)

 …です。

 数字をぶち込むと…、

 ・3,000,000×1/10

 ・(100,000,000×1/4)-(15,000,000+8,000,000)

 …となります。

 展開すると…、

 ・300,000

 ・(25,000,000)-(23,000,000)

 …となって、最終的には…、

 ・300,000

 ・2,000,000

 …となります。

 小さい方ですから、上の「300,000」を積み立てることになります。

解説3

 残るは、積み立てる準備金が何か、です。

 問題文には、「繰越利益剰余金を財源として」とあるので、ここから、「利益準備金」に積み立てることがわかります。

解説4

 仕訳を切っていきます。

 まずは、配当の支払いからです。

 問題文では、「決議」しただけなので、配当は、まだ払われていません。

 ですから、勘定科目は、「未払配当金」を使用します。

 配当額は、「株主配当金¥3,000,000 を支払う」なので、「3,000,000」です。

 財源は、先に見たように、「繰越利益剰余金」でした。

 仕訳は、「資本の減少」と「資本の増加」なので…、

 借方:繰越利益剰余金 3,000,000

 貸方:未払配当金 3,000,000

 …となります。

解説5

 解説3で見たように、積み立てる準備金は、「利益準備金」です。

 作業的には、「繰越利益剰余金」を振り替えるだけです。

 仕訳は、「資本の減少」と「資本の増加」なので…、

 借方:繰越利益剰余金 300,000

 貸方:利益準備金 300,000

 …となります。

まとめ

 先の仕訳をまとめると…、

 借方:繰越利益剰余金 3,300,000

 貸方:未払配当金 3,000,000

 貸方:利益準備金 300,000

 …と、相なります。

 後は、それぞれの記号を、「勘定科目群」から探して、付記するだけです。

こたえ

 答えは…、

 

 …です。

 >>> 次の問題へ。


第35回

 インデックス

第1問:仕訳

 1問:配当

 2問:社債発行

 3問:固定資産の売却処理

 4問:賞与引当金

 5問:材料貯蔵品(すくい出し式)

第2問:文章問題

 1問:工事進行基準

 2問:未払利息

 3問:有価証券の売却

 4問:総合償却

第3問 個別問題

 1問:現場監督者給料手当の処理

第4問 理論+計算

 工事原価明細表

 理論問題

第5問 精算表

 精算表:インデックス・ポイント

 精算表:設問1

 精算表:設問2

 精算表:設問3

 精算表:設問4

 精算表:設問5

 精算表:設問6

 精算表:設問7

 精算表:設問8

 精算表:設問9

 精算表:設問10

 精算表:設問11

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

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 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

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独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

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建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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