本問は、会計・仕訳の問題で、例年通りの出題です。仕訳の知識がないと、本問はまず解けません。後段の「仕訳がまったくわからない人に」で述べているように、「無理なら無理」で、捨て問にします。
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本問の難易度は、「ふつう」です。
各出金についての会計処理です。
「保険料」についての処理が目新しいくらいですが、要領は一緒なので、すぐ解けると思います。
なお、以下の解説がチンプンカンプンな人は、最後の「仕訳がまったくわからない人に」を一読ください。
問題の時間軸ですが、本問は「3月」が舞台です。「3月」が基準なので、ここだけは、きっちり押えてください。
カンタンなところからやりましょう。
まず、問題文の「損害保険料(掛捨保険、平成29年4月1日〜平成30年3月31日までの1年分の保険料)」の「240,000円」を処理します。
先に述べたように、問題の時間は「3月」です。
当該保険ですが、期間は、『平成29年4月1日〜平成30年3月31日』なので、翌年度の保険となっています。
このため、当該保険料の支払いは、“前払い的な”ものとなります。反対にいうと、本年度のものではないといった寸法で、「支払保険料」では、不適当となります。
さて、使用勘定科目ですが、選択肢には、「前払保険料」との文言があるので、これを使用します。
仕訳は、普通預金からの銀行振り込みですから…、
借方:前払保険料 240,000
貸方:普通預金 240,000
…と相なります。
次に、「水補修工事費用(平成29年4月実施予定工事の着手金)」の「200,000円」を処理しましょう。
要領は、先の保険と同じです。
『今』は「3月」です。
問題文には、「平成29年4月実施予定」とあるので、これは「翌年度」のもので、「本年度」のものではありません。
よって、当該支払については、「前払金」で処理します。
仕訳は、普通預金からの銀行振り込みですから…、
借方:前払金 200,000
貸方:普通預金 200,000
…と相なります。
次は、「排水管清掃費用(平成29年2月実施完了、2月請求、3月支払分)」の「100,000円」ですが、これは、少々、手が込み入っています。
見るべきは、「平成29年2月実施完了」のところです。
先に述べたように、問題の時間は「3月」です。
清掃作業は、前月の「2月」に済んでいるわけですから、当該清掃費用は、「2月」の時点で、清掃費なり修繕費で処理されているわけです。
んで、「2月請求、3月支払分」となっていますから、「2月」には、支払っていないことになります。そう、当該清掃費用は、「未払金」で処理されていたことになります。
よって、2月においては、以下のような仕訳が…、
借方:清掃費or修繕費 100,000
貸方:未払金 100,000
…切られていた事になります。
要は、「2月」の時点で、貸方に、「未払金」が「100,000円」、計上されている、ってな寸法です。
んで、「3月」になって、当該清掃費用を支払ったわけですから、当該貸方の「未払金」を取り崩すことになります。
普通預金からの支払いですから、仕訳は…、
借方:未払金 100,000
貸方:普通預金 100,000
…と相なります。
最後に、「水道光熱費(平成29年3月分)」の「150,000円」の処理です。
『今』は「3月」ですから、3月分の水道光熱費は、そっくりそのまま、費用計上するのみです。
仕訳は、「費用の認識」ですから…、
借方:水道光熱費 150,000
貸方:普通預金 150,000
…と相なります。
先の4つの仕訳は、以下のとおりです。
保険料支払は…、
借方:前払保険料 240,000
貸方:普通預金 240,000
…です。
工事費用は…、
借方:前払金 200,000
貸方:普通預金 200,000
…です。
清掃費用は…、
借方:未払金 100,000
貸方:普通預金 100,000
…です。
水道光熱費は…、
借方:水道光熱費 150,000
貸方:普通預金 150,000
…です。
貸方の「普通預金」を整理すると…、
借方:前払保険料 240,000
借方:前払金 200,000
借方:未払金 100,000
借方:水道光熱費 150,000
貸方:普通預金 690,000
…と相なります。
選択肢からこれを探せば…、
正解:1
…となります。
正直言うと、管理業務主任者のテキストでは、仕訳は理解できません。
管理業務主任者のテキストは、記述量が圧倒的に少ないです。また、練習問題がまったく足りないため、実力が付きません。わたしでも、“これだけ”なら、厳しいです。
本試験までに時間のある人は、たとえば、4月~9月にある人なら、いっそのこと、簿記3級の勉強をしてください。テキストで悪戦苦闘するより、絶対的に効率的です。
簿記3級の勉強については「簿記3級の独学」を、テキスト・問題集は「スッキリわかる 日商簿記3級」を使えばいいでしょう。
簿記3級の一通りの勉強が済めば、管理業務主任者の仕訳問題は、100%取れるようになります。
簿記3級レベルなら、2~3週間もあれば、習得できます。勝手の悪い管理業務主任者のテキストで勉強するより、わずかなコストと多少の時間を割いて簿記3級の勉強するほうが賢明です。
次に、本試験まで時間のない人です。
テキストを3回読んで、そして、過去問を3回解いて、まったく要領がつかめないなら、捨てます。
繰り返しますが、管理業務主任者のテキストで、仕訳を理解せよという方が無理です。
過去問の解き方だけ押えて、後は、ざっくり捨ててしまい、他の問題で失点をカバーできるようになる方が合格に近づくでしょう。
仕訳問題は、「無理なら無理」で、割り切って対処してください。
1問:民法‐共有・・・「ふつう」。
2問:民法‐不法行為・・・「ふつう」。
3問:民法‐意思表示・・・「ふつう」。
4問:民法‐代理・・・「ふつう」。
5問:民法‐連帯債務・・・「ふつう」。
6問:民法‐委任・・・「ふつう」。
7問:標管委託契約書‐総合問題・・・「ふつう」。
8問:標管委託契約書‐総合問題・・・「ふつう」。
9問:標管委託契約書‐問合対応・・・「ふつう」。
10問:少額訴訟・・・「ふつう」。
11問:時効中断・・・「ふつう」。
12問:標準管理規約‐管理費用・・・「ふつう」。
13問:標準管理規約‐監事・・・「ふつう」。
14問:会計・仕訳・・・「ふつう」。
15問:会計・仕訳・・・「ふつう」。
16問:税務・・・「ふつう」。
17問:建築基準法‐総合・・・「ふつう」。
18問:建築基準法‐居室・・・「ふつう」。
19問:鉄骨鉄筋コンクリ・・・「ふつう」。
20問:地震・・・「難」。
21問:音・・・「難」。
22問:排水設備・・・「難」。
23問:浄化槽・・・「難」。
24問:LED・・・「ふつう」。
25問:長期優良住宅・・・「難」。
26問:維持保全・・・「ふつう」。
27問:報告等・・・「ふつう」。
28問:標管委託契約書・管理対象・・・「ふつう」。
29問:区分所有法‐占有者・・・「ふつう」。
30問:区分所有法‐管理組合法人・・・「ふつう」。
31問:標準管理規約‐団地・・・「難」。
32問:標準管理規約‐理事長・・・「ふつう」。
33問:標準管理規約‐役員・・・「ふつう」。
34問:区分所有法‐規約敷地・・・「ふつう」。
35問:区分所有法‐先取特権・・・「難」。
36問:区分所有法‐分離処分・・・「ふつう」。
37問:区分所有法‐集会・・・「ふつう」。
38問:区分所有法‐管理組合法人・・・「ふつう」。
39問:区分所有法‐一括建替・・・「ふつう」。
40問:品確法・・・「ふつう」。
41問:瑕疵担保責任・・・「ふつう」。
42問:建替円滑化法・・・「ふつう」。
43問:地震保険・・・「難」。
44問:借地借家法・・・「ふつう」。
45問:宅建業法・・・「ふつう」。
46問:適正化法‐指針・・・「ふつう」。
47問:適正化法‐事務報告・・・「ふつう」。
48問:適正化法‐定義・・・「ふつう」。
49問:適正化法‐管理業務主任者・・・「ふつう」。
50問:適正化法‐書面・・・「ふつう」。
使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、
テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、
過去問には、「管理業務主任者 項目別過去7年問題集」を使えば、支障ありません。
予想問題集・模試問題集も、必要な状況です。「教材レビュー:管理業務主任者 予想問題集」を、参考にしてください。
民法が苦手で苦手で仕方のない人は、読書で凌ぎます。
お勧めの入門本は、「弁護士が教える分かりやすい「民法」の授業」と「民法はおもしろい」です。
苦手な人の多い「会計・仕訳問題」ですが、テキストの数ページで理解は不可能です。
時間があるなら、いっそのこと、簿記3級で勉強します。100%取れるようになります。簿記3級は、2週間あればマスターできます。
独学向けの教材は、テキストと問題集が一緒になった「スッキリわかる 日商簿記3級」で勉強すれば、まず間違いなく「1点」取れるようになります。
また、公式の過去問は、PDFで配布されています。過去問演習は、「タブレット」が便利です。もってない人は、受験を機に、アマゾンの「Fire HD」を推奨します。最優秀のコスパです。
管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。
興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。
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