29問‐管理業務主任者 H29過去問と解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は、区分所有法‐占有者についての問題です。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。落としてはいけない問題です。

29問‐区分所有法‐占有者

 

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 本問の難易度は、「ふつう」です。

 なお、解答はこちら(数字のみ)です。

解説:1

 正しい記述です。テキストそのままの記述です。

 選択肢のいうように、占有者(要は、賃借人)が会議の目的に利害関係を有する場合は、意見を述べることができます。

 こうした次第で、選択肢の「1」は、「正」と相なります。

 なお、以下は、補足事項です。

 「利害関係」ですが、判例では、「ペットを飼っている占有者→議題がペット禁止へ規約変更」であれば、占有者は、「利害関係」を有します。規約の変更でペットが飼えなくなる為、直に影響があります。んなもんで、意見を述べることができます。

 対して、「管理費の値上げ」では、占有者は、意見を述べることはできません。管理費の支払いは、区分所有者(賃貸人とか大家とか)が行なうからで、占有者は、直接的に関係なく、利害関係がありません。

 また、占有者は、「意見を述べることができる」だけで、当然ですが、議決権は行使できません。

 ついでに言うと、似たような規定に、「占有者に対する引渡し請求」があります。

 この場合、占有者に対して、“弁明の機会”を与えなくてはなりません。なお、区分所有者に対しては、その機会を与えなくていいです。

 ついでに、併せて、憶えていきましょう。

解説:2

 誤った記述です。軽いひっかけです。

 区分所有者・占有者に対して、集会の日時・場所を掲示する必要はあります。

 しかし、“占有者”に、通知を発する必要はありません。

 対して、“区分所有者”には、通知を発する必要があります。

 よって、選択肢の「2」は、「誤」と相なります。

解説:3

 正しい記述です。

 注意して欲しいのは、当該選択肢は、「標準管理規約」の出題であることです。

 標準管理規約によれば、占有者が意見陳述する際は、あらかじめその旨を、理事長に通知しておくことになっています。

 「区分所有法」には、こうした規定はないので、混同しないようにしてください。

 よって、選択肢の「3」は、「正」と相なります。

解説:4

 正しい記述です。

 標準管理規約によれば、理事会が必要と認めた者は、総会に出席することができます。

 たとえば、工事業者や清掃業者のプレゼン(作業説明)などは、それぞれの営業マンにやらせた方が合理的です。

 こうした次第で、選択肢の「占有者」の場合でも、理事会が必要と認めれば、総会に参加できる、ってな寸法です。

 よって、選択肢の「4」は、「正」と相なります。

答え

 「1」は「正」です。

 「2」は「誤」です。

 「3」は「正」です。

 「4」は「正」です。

 本問は、「最も不適切なものはどれか?」ですので…、

 正解:2

 …と相なります。

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H29過去問一覧

 1問:民法‐共有・・・「ふつう」。

 2問:民法‐不法行為・・・「ふつう」。

 3問:民法‐意思表示・・・「ふつう」。

 4問:民法‐代理・・・「ふつう」。

 5問:民法‐連帯債務・・・「ふつう」。

 6問:民法‐委任・・・「ふつう」。

 7問:標管委託契約書‐総合問題・・・「ふつう」。

 8問:標管委託契約書‐総合問題・・・「ふつう」。

 9問:標管委託契約書‐問合対応・・・「ふつう」。

 10問:少額訴訟・・・「ふつう」。

 11問:時効中断・・・「ふつう」。

 12問:標準管理規約‐管理費用・・・「ふつう」。

 13問:標準管理規約‐監事・・・「ふつう」。

 14問:会計・仕訳・・・「ふつう」。

 15問:会計・仕訳・・・「ふつう」。

 16問:税務・・・「ふつう」。

 17問:建築基準法‐総合・・・「ふつう」。

 18問:建築基準法‐居室・・・「ふつう」。

 19問:鉄骨鉄筋コンクリ・・・「ふつう」。

 20問:地震・・・「難」。

 21問:音・・・「難」。

 22問:排水設備・・・「難」。

 23問:浄化槽・・・「難」。

 24問:LED・・・「ふつう」。

 25問:長期優良住宅・・・「難」。

 26問:維持保全・・・「ふつう」。

 27問:報告等・・・「ふつう」。

 28問:標管委託契約書・管理対象・・・「ふつう」。

 29問:区分所有法‐占有者・・・「ふつう」。

 30問:区分所有法‐管理組合法人・・・「ふつう」。

 31問:標準管理規約‐団地・・・「難」。

 32問:標準管理規約‐理事長・・・「ふつう」。

 33問:標準管理規約‐役員・・・「ふつう」。

 34問:区分所有法‐規約敷地・・・「ふつう」。

 35問:区分所有法‐先取特権・・・「難」。

 36問:区分所有法‐分離処分・・・「ふつう」。

 37問:区分所有法‐集会・・・「ふつう」。

 38問:区分所有法‐管理組合法人・・・「ふつう」。

 39問:区分所有法‐一括建替・・・「ふつう」。

 40問:品確法・・・「ふつう」。

 41問:瑕疵担保責任・・・「ふつう」。

 42問:建替円滑化法・・・「ふつう」。

 43問:地震保険・・・「難」。

 44問:借地借家法・・・「ふつう」。

 45問:宅建業法・・・「ふつう」。

 46問:適正化法‐指針・・・「ふつう」。

 47問:適正化法‐事務報告・・・「ふつう」。

 48問:適正化法‐定義・・・「ふつう」。

 49問:適正化法‐管理業務主任者・・・「ふつう」。

 50問:適正化法‐書面・・・「ふつう」。

独学向け教材

 使用教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのがメンドウな人は…、

 テキストには、「管理業務主任者 基本テキスト」を…、

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管理業務主任者のこまごましたもの

 管理業務主任者に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。

 興味のある方は、「管理業務主任者:ブログ記事」をばご参考ください。

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