簿記3級の第1問の仕訳問題で頻出なのが「所得税の源泉徴収税額の納付」。当該仕訳についての“狙われる理由”と注意事項を最低限に述べる。出される理由は「実務問題」だから。税金の源泉徴収制度について、テキストで理解しておく必要がある。
簿記試験の方針は、「実務重視」路線に切り替わっており、「実務で多用する取引」や「実務上、重要な処理」が、出題されるようになっています。
「所得税の源泉徴収税額の納付」も、こうした背景から、よく出るようになっています。
仕訳そのものは単純でも、源泉徴収制度について理解していないと、仕訳が切れないので、その目的と意味とを、しっかり理解しておく必要があります。
よくある問題文としては…、
「従業員の給与から差し引いた所得税の源泉徴収税額50,000円を銀行で支払った。」
…となっています。
答えの仕訳を先に挙げておきます。
当該論点のポイントは、「前提」の理解です。
皆さん、重々、ご承知ですが、わたしたちに給料が支払われる際は、所得税が「源泉徴収」されています。
これを「支払側」からすると…、
…ってな仕訳が切られているわけです。
この仕訳が、当該論点の前提、ってな塩梅です。
「前提」が頭に入っているなら、処理はカンタンです。
一時預かり分の「所得税預り金」を減らすだけ、ってな次第です。
なお、勘定科目は、「預り金」の場合もあるので、柔軟に対応してください。
「所得税の源泉徴収税額の納付」は、漢字だらけで頭が痛くなりそうですが、仕訳そのものはカンタンです。
しかし、どうして、このような仕訳をするのか、その『前提』を、つまり、源泉徴収制度を、きちんと理解しておいてください。
ざっくり述べると、給料を支払う際、事業者は所得税を徴収しなくてはいけません。
で、当該事業者が、期日が来たら当該源泉徴収した所得税を、銀行やコンビニで支払にいく、ってな塩梅です。
安易な暗記と記憶は、失点の元です。
当該論点は、社会人の方なら「当たり前」ですが、学生さんなら、いまいちピンと来ないため、しっくりこないはずです。
受験生を狩るのが趣味のブラディー出題者は、当該論点が「実務事項」であることもあり、ことさらに狙ってきそうです。
『心の軍師』に、『実務事項ゆえに、狙われることでしょう。』と、助言してもらってください。
なお、仕訳がうまく切れないという人は、「取引の8要素」が頭に刻まれていないからです。
「独学の簿記3級:商業簿記」を参考してください。当該8要素が頭に入ってないなら、無理して問題を解かなくていいです。
また、独学向け教材については「簿記3級の教材レビュー」を一読ください。
2016年11月25日 10:37 AM
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