独学でススメ-読むだけで独学合格できるかもしれない、適当なヒントとTips

有価証券の期中売却‐簿記3級仕訳

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

簿記3級の第1問の仕訳問題で頻出なのが「有価証券の期中売却」。当該仕訳についての“狙われる理由”と注意事項を最低限に述べる。まず、徹底して計算が面倒。加えて、付随費用の処理と、未収入金の当否も試せるので、出題者お気に入りの論点である。ざっと読めば、勉強している“ふり”ができる。

有価証券の期中売却は、仕訳問題で頻出です。

狙われる理由は、「損益計算がめんどくさいのと、取得原価の論点(付随費用の処理)があるのと、勘定科目の未収入金も試せるから」です。

出題者からすると“ドてんこもり”の論点で、おっちょこちょいの受験生など、当該有価証券の仕訳で一掃されてしまいます。

問題文と答えの仕訳

よくある問題文としては…、

「株を30株、108円で売った。売却金額は来月受け取る。この株は、先月、1株100円で100株買ったもので、購入の際、手数料が500円かかっている。」

…という、期中売却の問題です。

答えとなる仕訳は…、

…です。

たった2行ながら、その“影に”計算量はそこそこあります。だから、「いやらしい」のです。

取得原価でミス多し

有価証券を売却する場合は、その元値となる「取得原価」を計算しなくてはいけません。

ここが第1の関門です。

購入手数料などの「付随費用」がかかった場合、当該費用を取得原価に加算します。

先の「1株100円の株を100株買った。購入の際、手数料が500円かかった。」の場合、株の代金は100円×100株の10,000円に、付随費用の手数料500円を足した「10,500円」となります。

取得原価は「10,500円」で、この際、1株の価格は、「10500÷100株」の「@105円」となり、当該金額で損益計算することになります。

うっかりすると、購入時の「100円」で、売却益なり売却損を計算しかねません。

こんな次第で、『有価証券の売却」では、「取得原価」に注意です。陰湿な出題者は、まず出してきます。

損益の計算

先の述べたように、有価証券の売却は、「取得原価」を算定してからになります。

損益の計算をミスをする人は、はしょらず、過程を計算用紙に書き出しましょう。わたしは、よく間違えるので、紙上計算派です。(自分の脳を信じていません。)

先の例で行くと、取得原価は、「一株あたり@105円」です。

これを30株売ったのですから、「30株×105」で「3,150(買い)」が、元の値段です。

単価108円で30株売ったのですから、「30株×108」で「3,240(売り)」が、入金予定額です。

「3240(売り)-3150(買い)」で「90」が、「有価証券売却益」となります。

なお、「108-105」で差額を計算して、「3×30株」でも計算できます。好き好きでやってください。

損益計算は、特に凝ったところもないのですが、何気に計算ミスを犯しやすいところです。(経験者は語る。)

先の(売り)(買い)の表記も、時折、どっちの数字で買って売ったのか、わからなくなったときがあるので、整理のためにそういうメモをしていました。

単純な計算で間違えるとショックなので、落ち着いて、丁寧に電卓を打ちましょう。

受け取り来月 未収入金

まだまだ、油断はできません。

問題文には「売却金額は来月受け取る。」とあるからです。

ついウッカリいつもの癖で、「現金」や「当座預金」で処理しそうになるので、本当に問題文は注意して読まなくてはいけません。

営業“外”で未入金のものは「未収入金」で処理します。

あまり使わない仕訳なので、受験生の盲点となっており、邪悪な出題者が突いてくる可能性が大です。

未収入金」という勘定科目の存在を、忘れないようにしましょう。

ちなみに、営業“上”の未入金は「売掛金」です。

まとめ

こんな次第で、「有価証券の期中売却」は、見かけと違って処理が多く、底の浅い受験生をさくさく狩れる、ブローニングM2重機関銃的な論点となっており、昔も今も、たびたび出題されています。

言うまでもなく、第1問の仕訳問題のみならず、第3問の総合問題、第2問の個別論点問題にも出題されるので、しっかり勉強しておきましょう。

本試験で目にしたら、御尻の穴をキュッと締めて、取り組んでください。そこかしこに、失点の可能性があります。

なお、「有価証券の期中売却」の要領は、簿記2級でもわんさか出題されるので、3級の時点で、完全に理解しておくと後々楽です。

なお、仕訳がうまく切れないという人は、「取引の8要素」が頭に刻まれていないからです。

独学の簿記3級:商業簿記」を参考にしてください。当該8要素が頭に入ってないなら、無理して問題を解かなくていいです。まずはここからです。

また、独学向け教材については「簿記3級の教材レビュー」を一読ください。

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