簿記2級の論点「銀行勘定調整表」の、未渡小切手の勉強方法。未渡小切手には、銀行勘定調整表上の修正、修正仕訳が必要、修正仕訳が爆弾と、論点がてんこ盛りで、かなり高い確率で問われる論点です。第2問・第3問でも問われるので、慎重に解答する必要があります。
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この近年、あまり注目されていなかった「銀行勘定調整表」ですが、大改定の影響を受けて、何気に油断できない論点となっています。
以下は、未渡小切手についてのノートです。
まず憶えてほしいのは、銀行勘定調整表の論点の中で、当該「未渡小切手」が、際立って危険であり、ほぼ必ず問われる、という次第です。
銀行勘定調整表上の修正に加え、修正仕訳が必要で、また、当該修正仕訳が爆弾で間違いやすいという塩梅で、ゆえに、出題者は執拗に当該「未渡小切手」を狙ってくるわけです。
「未渡小切手」は、他の時間外預け入れやら未取付・未取立と比べたら、何倍も注意しなくてはいけません。
「未渡小切手」は、超主力論点です。目にしたら、慎重に接してください。
未渡小切手のポイントは、「主語・わたしを付ける」と「修正仕訳は爆弾」です。
「銀行勘定調整表の勉強‐未取立小切手と未取付小切手」でも述べましたが、銀行勘定調整表の小切手には、主語を付けるとわかりやすくなります。
未渡小切手には、「わたし」を付けます。「み・わたし」だけに「わたし」です。
なお、「わたし」とは、自分が企業側の人間(経理職員なり経営者)として考えます。
「わたしが、未渡し小切手」→「わたしが、まだ渡していない小切手」です。
「小切手を渡していない」ということは、手元に小切手が“残っている”わけで、「銀行口座から出金されていない=減っていない」ことになります。
ですから、実際に合わせるため、銀行勘定調整表では「企業側の帳簿残高に加算」する、という手合いです。
で、「わたし」が、まだ渡していない小切手ですから、当該取引の効力は発生していないわけで、先の「小切手振出時」に行った仕訳の「修正仕訳」をしなくてはいけない、という次第です。
未渡小切手で一番注意しないといけないのは、「修正仕訳」です。
当該未渡小切手の修正仕訳は、かなり注意しなくてはいけません。
これが「買掛金の支払いのために小切手を振り出した」なら、カンタンです。
振り出し時は「買掛金○○ / 当座預金○○」と仕訳を切っていますから…、
単純は反対仕訳「当座預金○○ / 買掛金○○」をすればいいだけです。
しかし、これが費用項目なら、慎重にならなくてはいけません。
たとえば、「旅費の支払いのため小切手を振り出した」の場合、単純な反対仕訳の「当座預金○○ / 旅費○○」では誤りです。
「旅費」は旅費で認識・計上されていますから、「当座預金○○ / 未払金○○」と、「未払金」で処理しなくてはいけません。
「当座預金○○ / 旅費○○」としてしまうと、発生したはずの「旅費」がどっかに行ってしまいます。
もっと言うと、この仕訳では、旅費の値引きを受けたとか、旅費が実際には少なかった仕訳となってしまいます。
このように、修正仕訳をする際は、「元の仕訳」がどうだったかを踏まえて、行わなくてはいけません。
なお、費用が「家賃」等々だったら、費用の見越し計上云々も関ってくるので、さらにややこしくなって、さらなる注意が必要となってきます。
このように、未渡小切手は、銀行勘定調整表上の修正、修正仕訳が必要、修正仕訳が爆弾と、なかなかに論点が詰まっているので、「未渡小切手」と遭遇したら、解答スピードを落として、慎重かつ丁寧に見ていってください。
なお、勉強方法等は「簿記2級の独学」を…、
独学向け教材については、「簿記2級の教材レビュー」を一読ください。
2016年9月3日 11:11 AM
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