陸上特殊無線技士の級の違いを、「難易度」の点から述べる。結論から言うと、計算問題ができないと合格できないのが「1級」で、計算問題ができなくてもよい(捨ててもOK)のが、「2級」と「3級」である。
陸上特殊無線技士の2級と3級は、取得しやすい資格です。
合格率はおおむね「70%」で、1級の25%とは、“倍以上”違います。
どうして、2級と3級の合格率が、これほどに高いのかというと、2級と3級は、「計算問題ができなくてもいい」からです。
「できなくてもいい」んだから、「捨ててもいい」のが、2級・3級な寸法です。
反対に言うなら、1級は、「計算問題で点が取れないと、合格がおぼつかない」「ゆえに、計算問題を捨てられない」です。
2級と3級の無線工学は、それぞれ「12問」出題され、満点は「60点」です。
合格基準点は「40点」で、1問5点ですから、「8問」正解しないといけません。
対して、1級は、無線工学は「24問」出題され、「15問」正解で合格です。
2級・3級は「66%」の正解率が求められ、1級では、「62.5%」が求められている、という次第です。
2級と3級のほうが、高い正解率が必要なので、一見すると難しいのでは?と思いがちですが、単なる数字のトリックです。
一口で言うと、1級と、2・3級の難易度は、別物です。
無線工学の計算問題の数と事情とが、まったく異なるからです。
2級と3級の無線工学では、計算問題は、おおむね「1問」しか出ません。
対して、1級では、計算問題が例年「5~7問」も出題されます。
計算問題の数は、5倍以上になるという塩梅です。
これに従って、合格点の事情も、ひっくり返ってしまいます。
2級と3級は、別段、計算問題を“完全に”捨ててしまっても「よい」のです。
残る11問の知識問題で、合格点を確保できるからです。
しかし、1級では、計算問題を“完全に”捨ててしまうと、残る知識問題だけで合格点を取るのは、かなり厳しくなります。
当該1級の計算問題事情は「1級陸上特殊無線技士(1陸特)の計算問題を捨てては絶対にいけない理由」をば、参考にしてください。
こんな次第で、1級と2級と3級とでは、「計算問題」の数が違うのです。
また、計算問題・知識問題の難しさも、1級になると跳ね上がるため、ますます、受かり難くなります。
言ってしまえば、『陸上特殊無線技士という試験は、「計算問題のさじ加減」で、難易度を変えている』といった手合いです。
極端に言うと、1級は、計算問題をたくさん“入れている”から難しい(からい)のであり、対して、2級と3級は少ししか“入れていない”ので易しい(甘い)のです。
まとめると…、
1級は、計算問題が解けないと、合格点が取れない。
計算問題の比重が高いため、計算問題で少しでも点を確保せねばならず、ゆえに、1級では、計算問題をみっちり勉強しなくてはならない。
対して、2級と3級は、計算問題が解けなくても、合格に支障はない。
というのも、計算問題は「1問」しか出ないので、捨ててしまっても、他の問題で点が取れる。
ゆえに、深遠な公式や呪文的な数式を勉強せずとも、2級と3級は合格はできる。
…ってな塩梅です。
2級・3級の受験生の方で、将来的に1級を目指すのであれば、2級・3級のときから、計算問題をみっちり勉強しておくことを勧めます。
でないと、1級のあまりの「大差」に、往生することになります。
当方が受験したときですが、途中退室する受験生が、1級のあまりの難しさに思い余ったのでしょう、「ぜんぜん解けない!」といって帰った人がいました。
2級と3級の延長で受験すると、確かに、そうなるように思います。
なお、1陸特の勉強方法等は「1陸特の独学」を…、
教材については「教材レビュー」を、その他、「合格体験記」などを、お目汚しください。
2016年7月9日 11:25 AM
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