沈静化してきた、入試問題のネット流出でございます。
当初、わたくしは、携帯やスマートフォンを最大限に利用した、ハイテク・カンニングであると考えておりました。
ネットの書き込みを読んでおりますと、こんな風な推測がかかれておりました。
「・・・あらかじめ試験会場の近くにライトバンを止めておく。車内に作業者をひとり、待機させておく。・・・」
「・・・受験役の人間が、袖などに仕込んだミニカメラで試験問題をスキャン、ライトバンに転送する。・・・」
「・・・待機者がスキャンデータを文字に起こして、ネットに投稿。返って来た解答を受験役に送信。受験役がそのデータを見つつ解答する。・・・」
とまあ、こんな風なことでありました。
技術的に少しもできなくないわけで、書き込みには、実に信憑性がありました。当初、多くの人が、今回のカンニングを複数犯と考えていたのも、無理なかったことでしょう。
しかし、実際には、古典的な机下教科書展開型のカンニングでありました。いくぶん、ほっとした人が多いのではないでしょうか。
今回の事件がここまでの大騒動になったのは、こうしたハイテク・カンニングが起こりうることを、そして、起きてもおかしくないことを、わたしたちが暗に認めていたからでございます。
ぶっちゃけ、「やろう」と思えば、できてしまうのでございます。
そういった無意識的な思いがあったからこそ、『すわ、ついに来たか!』という感じで、大騒動になったのではないかと、考える次第でございます。
おそらく、今回の事件を受けて、今後の試験体制は大きく変って行くことでしょう。
これまで、学校には必ず、カンニングを見抜くベテラン教師やカンニングマスター教授がいましたが、彼らはもう「古強者」となってしまうことでしょう。
近いうちに、電脳知識のない教師や教授では、カンニング行為を取り締まることができなくなることでしょう。
今回は、個人でした。しかし、塾や予備校や、試験サービス会社が結託して、組織的にカンニングをするようになったらどうするのか。
こうした危惧は、危惧では終わりません。
必ず、やる輩どもは現れます。これで終わったと、思ってはならないように存じます。
以降の試験体制の大幅な見直しを求める次第でございます。
おそらく、今回の事件で、カンニングの歴史が変るだろうと、そんな、歴史的瞬間を感じてございます。
2011年3月11日 12:07 PM
★みんなとシェアする