『69. もし政府のためになろうがなるまいが、船を持つことは出来る。』
この文章なら、政府というのは、「規制」と読み替えてもよい。
商売の精神は、規制がある・なし云々のものではない。
また、規制を司る公権力のために商売をするわけじゃない。
商売は、やる側の意思1つ、自由意志1つであると、フェレンギ人は高らかに謳うのだ。
規制頼みの商売もよくはあるが、その規制がいつなくなるか、いつ緩和されるかが大きな問題となる。
規制は往々にして、競争力を奪う。規制がはずれた途端、あっというまに落ちていく企業や業界は後を立たない。
商売とは、政府保証の船に乗るわけじゃない。
商売人は、自分の名前の付く「船」に乗り込んでいることを、改めて知っておくべきであろう。
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『70. まず金を受け取れ。そのあとで買い手に商品の心配をさせればいい。』
買う前に、よくよく、よくよく検討すること。
わたしたちにできることは、これぐらいである。
よく調べる、実物に触れる、『識者』に聞く。
失敗しない買い物のためだが、返金には結構な手間がかかる。
100%に近い不良品でない限り、たとえば、輸送や保存が杜撰で腐っていたとか、最初から壊れていた、動かないなどの症状がない限り、売り手側は返金を受け付けない。
返金にすぐに応じるケースは、「まれ」であることを、わたしたちが知っておくべきである。
それか、金額が些少である場合だけだ。
返金が早々に行なわれない理由の1つに、不良客の存在がある。
わたしたちは潔白だし真っ白だが、世の中には意図的に不良品をつかませて金銭をせしめる輩もいる。
店からすれば、そんな手口1件に付き同商品を数十個は売らないと利を出せず、誠に無駄である。
だから、相応に返金には高い敷居を設けている。
数千円の買い物なら、即受け付けるだろうが、万を超えるあたりから、決裁権者は上級管理職に移行すると思われる。
受付の人は、上司を呼びに行くだろう。チェックは入れられるだろう。
そして、返金が遅れがちな理由のもう1つは、不良従業員の存在で、返金制度の組織内での悪用が考えられる。
大口ならばれるし、また、頻繁にやればバレるだろうけれども、小口で目立たぬ偽の返金をやられると、手の出しようがない。
通例月当たり10件の返金事例があるとして、当月は4件しかなかった。なら、残り6件は偽装しても『わかりにくい』というわけである。
返金というのは、実にデリケートで、実に複雑な利害と組織管理とが絡んでくる。
こちらとしては、そういうものに関わらないようにするのが1番賢い。
1番嫌な目に遭うのは、こちら側である。
物を買うときは、特に高い買い物になるほど、わたしたちは注意しなくてはいけない。
2011年1月21日 1:54 PM
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