27問‐平成30年10月 二ボ公式過去問解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 平成30年10月 二級ボイラー技士の公式過去問の、第27問目の解説。本問は、流動層燃焼方式を問う問題です。漢字だけ見ると難しそうですが、問われる内容は、そうではありません。テキストを精読していれば、穏当に取れます。

27問‐流動層燃焼方式

 

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 本問のレベルは「ふつう」です。

 「流動層燃焼方式」は、石炭の燃焼方式です。

 穴の空いた金属板(多孔板・分散板)の上に、砕いた石炭や石灰、砂を入れて、下から空気を送って、石炭等を流動させながら燃やす方式です。

 テキストには、構造の画像があるので、それで、仕組みを確かめておきましょう。

 現在では、ガス炊きボイラーが主流ですが、今でも、流動層燃焼方式があります。それらが完全になくなるまでは、出題されるはずです。

 本問の答えは、「こちら(番号のみ)」です。

選択肢1

 選択肢1の「低質な燃料でも使用できる。」ですが、正しい記述です。

 砕いた石炭を使用するので、空気が混じりやすく、燃焼効率がいいです。

 んなもんで、選択肢の言うように、「低質な燃料でも使用可」です。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

選択肢2

 選択肢2の「層内に石灰石を送入することにより、炉内脱硫ができる。」ですが、正しい記述です。

 先も言ったように、「流動層燃焼方式」では、石灰石も使用します。当該石灰と硫黄とが反応するので、炉内脱硫が可能です。テキストで確認しておきましょう。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

選択肢3

 選択肢3の「層内での伝熱性能が良いので、ボイラーの伝熱面積を小さくできる。」ですが、正しい記述です。

 「流動層燃焼方式」は、熱伝導率が高いので、選択肢のいうように「伝熱面積を小さく」が可能です。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

選択肢4

 選択肢4の「層内温度は、1,500℃前後である。」ですが、誤った記述です。

 「流動層燃焼方式」は、700~900度の低温燃焼となっています。

 よって、当該選択肢は、「×」となります。

 また、「流動層燃焼方式」は、「低温燃焼」なので、NOxが抑えられます。これも、よく出るので、一緒に憶えてしまいましょう。

選択肢5

 選択肢5の「微粉炭バーナ燃焼方式に比べて石炭粒径が大きく、粉砕動力を軽減できる。」ですが、正しい記述です。

 「微粉炭バーナ燃焼方式」は、「微粉炭」とあるように、粉状まで石炭を砕きます。

 対して、「流動層燃焼方式」では、1~5mmの粒子状に石炭を砕きます。

 「流動層燃焼方式」では、石炭を粉にしなくていいので、その分だけ、砕く労力が少ないってな寸法です。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

答え

 本問は、「誤っているものはどれか?」です。

 正解:4

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過去問その他の問題

 本問以外の問題は、以下のリンク先にあります。

 通勤・通学中にどうぞ。

構造10問

 1問:熱・・・「やや難」

 2問:ボイラー効率・容量・・・「ふつう」

 3問:鏡板・・・「ふつう」

 4問:空気予熱器・・・「ふつう」

 5問:計測器・・・「ふつう」

 6問:給水系統装置・・・「ふつう」

 7問:貫流ボイラー・・・「ふつう」

 8問:炉筒煙管ボイラー・・・「ふつう」

 9問:水位検出器・・・「難」

 10問:自動制御用機器・・・「ふつう」

取扱10問

 11問:ボイラー水の吹出・・・「ふつう」。

 12問:燃料油用遮断弁・・・「難」

 13問:ボイラー水位・・・「ふつう」

 14問:キャリオーバ・・・「ふつう」

 15問:スートブロー・・・「ふつう」。

 16問:ボイラー水管理・・・「ふつう」

 17問:酸洗浄・・・「ふつう」。

 18問:ボイラー清缶剤・・・「ふつう」

 19問:点火前点検・・・「やや難」

 20問:単純軟化法・・・「ふつう」

燃料・燃焼10問

 21問:引火点・・・「ふつう」

 22問:重油・・・「ふつう」。

 23問:重油加熱・・・「ふつう」

 24問:石炭・・・「ふつう」

 25問:気体燃料・・・「ふつう」

 26問:低温腐食抑制・・・「ふつう」

 27問:流動層燃焼方式・・・「ふつう」

 28問:ガンタイプオイルバーナ・・・「ふつう」

 29問:通風・・・「ふつう」

 30問:大気汚染物質・・・「ふつう」

法令10問

 31問:伝熱面積・・・「ふつう」

 32問:変更届・・・「ふつう」

 33問:使用再開検査・・・「ふつう」

 34問:鋳鉄製ボイラー規制・・・「ふつう」

 35問:鋼製ボイラーの安全弁・・・「やや難」

 36問:設置規制・・・「ふつう」

 37問:付属品管理・・・「ふつう」

 38問:定期自主検査・・・「ふつう」

 39問:水面測定装置・・・「ふつう」

 40問:掃除・修繕・・・「ふつう」

独学向け教材

 独学向けの教材については「教材レビュー」にその詳細を述べています。

 ま、読むのがメンドウな人は…、

 過去問は、「詳解2級ボイラー技士過去6回問題集」を使い、

 そして、テキストは、本格版の「一発合格! これならわかる2級ボイラー技士試験 テキスト&問題集」か、簡易版の「いちばんわかりやすい!2級ボイラー技士合格テキスト」を使用します。

 わたしが再度、試験を受けるとしたら、上記の教材で勉強します。攻守揃い踏みで、鉄板合格です。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“過去問演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 サブ機として、試験後も活躍するはずです。

 amazon参考‐Fire HD

ボイラの後は、乙4で

 乙4とは、「危険物取扱者 乙種4類」のことです。

 お馴染みの油炊きボイラーでは、「重油」を使います。

 「重油」の補充等の際、乙4があると“立ち合い”ができることから、「2ボ」と「乙4」とは、実に、相性のよい資格となっています。

 昨今では、油炊きボイラーが減っているとはいえ、まだまだ数があります。2ボと乙4があれば、とりあえず仕事があって、食いっぱぐれはないので、2ボ合格後は、「乙4」取得を目指してください。

 試験勉強等については、「乙種4類の独学」と、「乙4のテキスト・問題集を参考にしてください。

二級ボイラー技士のこまごましたもの

 二級ボイラー技士と相性のよい資格に、「危険物取扱者 乙種4類」があります。

 二ボ合格後の取得資格に、ピックアップしておくとよいでしょう。勉強方法等は、「乙4 独学前編:重要試験情報」や「乙4 独学後編:勉強方法」を一読ください。

 二級ボイラー技士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「二級ボイラー技士:ブログ記事」をばご参考ください。

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