11問‐平成30年10月 二ボ公式過去問解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 第11問は、ボイラー水の吹出の問題です。当該吹出しは、ほぼ毎年、出題されています。大半の受験生は点を取るので、落とせないところです。細かいところまで問われるので、テキストの精読が必須です。

11問‐ボイラー水の吹出

 

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 本問のレベルは「ふつう」です。

 吹出し(ブロー)とは、「圧力のある熱水を排出する」危険な作業です。

 吹出しは、ボイラーの取扱いにて、最頻出の論点です。

 ほぼ毎年出るので、必ず、解けるようになっておきましょう。

 本問の答えは、「こちら(番号のみ)」です。

選択肢1

 選択肢1の「鋳鉄製蒸気ボイラーの吹出しは、燃焼をしばらく停止して、ボイラー水の一部を入れ替えるときに行う」ですが、前半・後半ともに正しい記述です。

 前半の「燃焼をしばらく停止して」ですが、正しいです。

 鋳鉄製蒸気ボイラーの吹出しは、「燃焼停止時(運転停止時)」に行ないます。

 次に後半ですが、そもそも、鋳鉄製蒸気ボイラーは、復水を循環使用するため、吹き出しをする必要があまりありません。

 んなもんで、選択肢のいうように、「ボイラー水の一部を入れ替えるとき」あたりで行うことになります。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

選択肢2

 選択肢2の「給湯用温水ボイラーの吹出しは、酸化鉄、スラッジなどの沈殿を考慮して、ボイラー休止中に適宜行う」ですが、正しい記述です。

 選択肢の言うように、給湯用温水ボイラーは、「休止中」に行ないます。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

選択肢3

 選択肢3の「水冷壁の吹出しは、スラッジなどの沈殿を考慮して、運転中に適宜行う。」ですが、誤った記述です。

 「水冷壁の吹出し」ですが、これは、ボイラー水の排水のために行います。

 んなもんで、運転中に行うと、低水位になるおそれがあります。よって、「運転中には行なわない」ってな寸法です。

 よって、当該選択肢は、「×」となります。

 当該選択肢は、頻繁に、使い回されています。。そっくりそのまま、「水冷壁の吹出しは、運転中に行わない」と憶えてしまいましょう。

選択肢4

 選択肢4の「吹出しを行っている間は、他の作業を行ってはならない。」ですが、 正しい記述です。

 吹出しは、先に見たように、「圧力のある熱水を排出する」危険な作業です。

 トラブルや事故が起きても、即、対処できるように、選択肢のような規則が定められています。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

 当該選択肢も、よく出ます。ガチ暗記です。

選択肢5

 選択肢5の「直列に設けられている2個の吹出し弁を閉じるときは、漸開弁を先に閉じ、次に急開弁を閉じる。」ですが、正しい記述です。

 本問は、「閉じるとき」の要領です。テキストを精読し、そっくりそのまま暗記です。本当によく出るところです。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

 なお、ボイラー本体に近いほうが「急開弁」です。

 んで、ボイラーから遠いほうが「漸開弁」です。

 吹出しをするときは、急開弁を全開にし、漸開弁を少しずつ開けます。

 吹出しを終えたときは、漸開弁を少しずつ閉じてから、急開弁を閉じます。

 「急・漸・漸・急(きゅう、ざん、ざん、きゅう)」くらいに憶えましょう。

 なお、急開弁が「1次側吹出弁」で、漸開弁が「2次側吹出弁」となっていることもあるので、頭の片隅に置いておきましょう。

答え

 設問は、「誤っているものはどれか?」です。

 答え:3

 次の問題へ。

過去問その他の問題

 本問以外の問題は、以下のリンク先にあります。

 通勤・通学中にどうぞ。

構造10問

 1問:熱・・・「やや難」

 2問:ボイラー効率・容量・・・「ふつう」

 3問:鏡板・・・「ふつう」

 4問:空気予熱器・・・「ふつう」

 5問:計測器・・・「ふつう」

 6問:給水系統装置・・・「ふつう」

 7問:貫流ボイラー・・・「ふつう」

 8問:炉筒煙管ボイラー・・・「ふつう」

 9問:水位検出器・・・「難」

 10問:自動制御用機器・・・「ふつう」

取扱10問

 11問:ボイラー水の吹出・・・「ふつう」。

 12問:燃料油用遮断弁・・・「難」

 13問:ボイラー水位・・・「ふつう」

 14問:キャリオーバ・・・「ふつう」

 15問:スートブロー・・・「ふつう」。

 16問:ボイラー水管理・・・「ふつう」

 17問:酸洗浄・・・「ふつう」。

 18問:ボイラー清缶剤・・・「ふつう」

 19問:点火前点検・・・「やや難」

 20問:単純軟化法・・・「ふつう」

燃料・燃焼10問

 21問:引火点・・・「ふつう」

 22問:重油・・・「ふつう」。

 23問:重油加熱・・・「ふつう」

 24問:石炭・・・「ふつう」

 25問:気体燃料・・・「ふつう」

 26問:低温腐食抑制・・・「ふつう」

 27問:流動層燃焼方式・・・「ふつう」

 28問:ガンタイプオイルバーナ・・・「ふつう」

 29問:通風・・・「ふつう」

 30問:大気汚染物質・・・「ふつう」

法令10問

 31問:伝熱面積・・・「ふつう」

 32問:変更届・・・「ふつう」

 33問:使用再開検査・・・「ふつう」

 34問:鋳鉄製ボイラー規制・・・「ふつう」

 35問:鋼製ボイラーの安全弁・・・「やや難」

 36問:設置規制・・・「ふつう」

 37問:付属品管理・・・「ふつう」

 38問:定期自主検査・・・「ふつう」

 39問:水面測定装置・・・「ふつう」

 40問:掃除・修繕・・・「ふつう」

独学向け教材

 独学向けの教材については「教材レビュー」にその詳細を述べています。

 ま、読むのがメンドウな人は…、

 過去問は、「詳解2級ボイラー技士過去6回問題集」を使い、

 そして、テキストは、本格版の「一発合格! これならわかる2級ボイラー技士試験 テキスト&問題集」か、簡易版の「いちばんわかりやすい!2級ボイラー技士合格テキスト」を使用します。

 わたしが再度、試験を受けるとしたら、上記の教材で勉強します。攻守揃い踏みで、鉄板合格です。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“過去問演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 サブ機として、試験後も活躍するはずです。

 amazon参考‐Fire HD

ボイラの後は、乙4で

 乙4とは、「危険物取扱者 乙種4類」のことです。

 お馴染みの油炊きボイラーでは、「重油」を使います。

 「重油」の補充等の際、乙4があると“立ち合い”ができることから、「2ボ」と「乙4」とは、実に、相性のよい資格となっています。

 昨今では、油炊きボイラーが減っているとはいえ、まだまだ数があります。2ボと乙4があれば、とりあえず仕事があって、食いっぱぐれはないので、2ボ合格後は、「乙4」取得を目指してください。

 試験勉強等については、「乙種4類の独学」と、「乙4のテキスト・問題集を参考にしてください。

二級ボイラー技士のこまごましたもの

 二級ボイラー技士と相性のよい資格に、「危険物取扱者 乙種4類」があります。

 二ボ合格後の取得資格に、ピックアップしておくとよいでしょう。勉強方法等は、「乙4 独学前編:重要試験情報」や「乙4 独学後編:勉強方法」を一読ください。

 二級ボイラー技士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「二級ボイラー技士:ブログ記事」をばご参考ください。

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