14問‐平成30年10月 二ボ公式過去問解説

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 平成30年10月 二級ボイラー技士の公式過去問の、第14問目の解説。第14問は、キャリオーバの問題です。二級ボイラー技士試験では、こういう「カタカナ語」を好んで出してきます。普通の知識問題なので、しっかり憶えて、1点としましょう。テキストを読んでいたら解けます。

14問‐キャリオーバ

 

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 本問のレベルは「ふつう」です。

 「キャリオーバ」とは、ボイラー水中に溶解または浮遊している固形物などが、蒸気に多量に混じってボイラーから出てくる現象を言います。

 別名で「気水蒸発」です。英語で言うと、「carryover」です。

 宝くじのロトくじでよく言われる「キャリオーバ」と同じ意味で、「繰越」「残り物」といった意味合いです。

 そう、ボイラー水に残っているものが、蒸気と一緒に出てくる、ってな寸法です。

 こういう「定番問題」を、落とさないことが、独学合格の肝です。

 本問の答えは、「こちら(番号のみ)」です。

選択肢1

 選択肢1の「蒸気の純度を低下させる。」ですが、正しい記述です。

 先に見たように、蒸気に残り物が入っている状態が「キャリオーバ」です。

 残り物が入っているのですから、蒸気の純度は、当然、下がります。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

選択肢2

 選択肢2の「ボイラー水全体が著しく揺動し、水面計の水位が確認しにくくなる。」ですが、正しい記述です。

 残り物や固形物が、言うなれば、蒸気の方に移動しているわけですから、選択肢のようになります。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

選択肢3

 選択肢3の「自動制御関係の検出端の開口部若しくは連絡配管の閉塞又は機能の障害を起こす。」ですが、正しい記述です。

 固形物等が「詰まり」の原因となります。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

選択肢4

 選択肢4の「水位制御装置が、ボイラー水位が下がったものと認識し、ボイラー水位を上げて高水位になる。」ですが、 誤った記述です。

 先の選択肢で見たように、ボイラー水が上下します。

 選択肢のように、“常に”水位が下がったものと認識するわけではありません。選択肢のケースとは、逆の事態もあるはずです。

 よって、当該選択肢は、「×」となります。

選択肢5

 選択肢5の「ボイラー水が過熱器に入り、蒸気温度が低下したり、過熱器の汚損や破損を起こす。」ですが、正しい記述です。

 「過熱器」とは、飽和蒸気をさらに過熱して過熱蒸気を作る設備です。

 先に見たように、蒸気中に固形物等が混じっており、それが、加熱器に接触することになるため、加熱器が汚れたりスケール(石灰的なもの)が付いたりします。

 そのため、選択肢の言うように、蒸気温度が低下したり、過熱器の汚損や破損したりします。

 よって、当該選択肢は、「○」となります。

答え

 設問は、「誤っているものはどれか?」です。

 答え:4

 次の問題へ。

過去問その他の問題

 本問以外の問題は、以下のリンク先にあります。

 通勤・通学中にどうぞ。

構造10問

 1問:熱・・・「やや難」

 2問:ボイラー効率・容量・・・「ふつう」

 3問:鏡板・・・「ふつう」

 4問:空気予熱器・・・「ふつう」

 5問:計測器・・・「ふつう」

 6問:給水系統装置・・・「ふつう」

 7問:貫流ボイラー・・・「ふつう」

 8問:炉筒煙管ボイラー・・・「ふつう」

 9問:水位検出器・・・「難」

 10問:自動制御用機器・・・「ふつう」

取扱10問

 11問:ボイラー水の吹出・・・「ふつう」。

 12問:燃料油用遮断弁・・・「難」

 13問:ボイラー水位・・・「ふつう」

 14問:キャリオーバ・・・「ふつう」

 15問:スートブロー・・・「ふつう」。

 16問:ボイラー水管理・・・「ふつう」

 17問:酸洗浄・・・「ふつう」。

 18問:ボイラー清缶剤・・・「ふつう」

 19問:点火前点検・・・「やや難」

 20問:単純軟化法・・・「ふつう」

燃料・燃焼10問

 21問:引火点・・・「ふつう」

 22問:重油・・・「ふつう」。

 23問:重油加熱・・・「ふつう」

 24問:石炭・・・「ふつう」

 25問:気体燃料・・・「ふつう」

 26問:低温腐食抑制・・・「ふつう」

 27問:流動層燃焼方式・・・「ふつう」

 28問:ガンタイプオイルバーナ・・・「ふつう」

 29問:通風・・・「ふつう」

 30問:大気汚染物質・・・「ふつう」

法令10問

 31問:伝熱面積・・・「ふつう」

 32問:変更届・・・「ふつう」

 33問:使用再開検査・・・「ふつう」

 34問:鋳鉄製ボイラー規制・・・「ふつう」

 35問:鋼製ボイラーの安全弁・・・「やや難」

 36問:設置規制・・・「ふつう」

 37問:付属品管理・・・「ふつう」

 38問:定期自主検査・・・「ふつう」

 39問:水面測定装置・・・「ふつう」

 40問:掃除・修繕・・・「ふつう」

独学向け教材

 独学向けの教材については「教材レビュー」にその詳細を述べています。

 ま、読むのがメンドウな人は…、

 過去問は、「詳解2級ボイラー技士過去6回問題集」を使い、

 そして、テキストは、本格版の「一発合格! これならわかる2級ボイラー技士試験 テキスト&問題集」か、簡易版の「いちばんわかりやすい!2級ボイラー技士合格テキスト」を使用します。

 わたしが再度、試験を受けるとしたら、上記の教材で勉強します。攻守揃い踏みで、鉄板合格です。

PDF過去問の閲覧

 

 PDFの閲覧は、スマホだと画面が小さくて見難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“過去問演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないです。

 手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 他のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDF過去問の閲覧も可能で、費用対効果が秀逸です。

 サブ機として、試験後も活躍するはずです。

 amazon参考‐Fire HD

ボイラの後は、乙4で

 乙4とは、「危険物取扱者 乙種4類」のことです。

 お馴染みの油炊きボイラーでは、「重油」を使います。

 「重油」の補充等の際、乙4があると“立ち合い”ができることから、「2ボ」と「乙4」とは、実に、相性のよい資格となっています。

 昨今では、油炊きボイラーが減っているとはいえ、まだまだ数があります。2ボと乙4があれば、とりあえず仕事があって、食いっぱぐれはないので、2ボ合格後は、「乙4」取得を目指してください。

 試験勉強等については、「乙種4類の独学」と、「乙4のテキスト・問題集を参考にしてください。

二級ボイラー技士のこまごましたもの

 二級ボイラー技士と相性のよい資格に、「危険物取扱者 乙種4類」があります。

 二ボ合格後の取得資格に、ピックアップしておくとよいでしょう。勉強方法等は、「乙4 独学前編:重要試験情報」や「乙4 独学後編:勉強方法」を一読ください。

 二級ボイラー技士に関するこまごましたことは、ブログにも投稿しています。興味のある方は、「二級ボイラー技士:ブログ記事」をばご参考ください。

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