第32回‐文章問題 過去問(令和5年3月実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『銀行勘定調整表』の問題です。おなじみ銀行勘定調整表の問題です。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。

第2問‐銀行勘定調整表

 ◇問題◇

 

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解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

処理1

 問題文には、「① 決算日に現金¥5,000 を預け入れたが、銀行の閉店後であったため、翌日の入金として取り扱われていた。」とあります。

 これは、おなじみの「時間外預入」で、「銀行側:加算」です。

 なお、蛇足ですが、念のため、第5問の「精算表」対策を見ておきます。

 当該時間外預入は、時が経過すれば、銀行側が処理するので、企業側では、特にすることがないです。

 よって、「仕訳なし」です。

処理2

 問題文には、「② 備品購入代金の決済のため振り出した小切手¥15,000 が、相手先に未渡しであった。」とあります。

 これは、おなじみの「見渡小切手」で、「企業側:加算」です。

 仕訳を考えたら、すぐわかります。

 企業側では、小切手振出時に…、

 借方:未払金 15,000

 貸方:当座預金 15,000

 …という仕訳を切っていたわけです。

 しかし、小切手が渡されてなかったので、上記取引を「なかったもの」にしなくてはいけません。

 修正のための反対仕訳は…、

 借方:当座預金 15,000

 貸方:未払金 15,000

 …です。

 よって、「企業側:加算」となるわけです。

 んで、第5問の「精算表」対策ですが、上記のような修正仕訳を切ることになります。

処理3

 問題文には、「③ 借入金の利息¥2,000 が引き落とされていたが、その通知が当社に未達であった。」とあります。

 これは、おなじみの「連絡未通知」で、選択肢の場合は、「企業側:減算」です。

 これも、仕訳を考えれば、わかります。

 銀行から、支払利息の引き落としの連絡がなかったので、企業側では、当該利息支払いの取引の仕訳が「まだ」なわけです。

 当然、仕訳を切ることとなり…、

 借方:支払利息 2,000

 貸方:当座預金 2,000

 …となり、「企業側:減算」となることがわかります。

 そして、第5問の「精算表」対策ですが、上記のような仕訳を切ることになります。

処理4

 問題文には、「④ 材料の仕入先に対して振り出していた小切手¥18,000 がまだ銀行に呈示されていなかった。」とあります。

 これは、おなじみの「未取付小切手」です。

 取引先は、いつの日か、銀行側に小切手を提示するでしょうから、「銀行側:減算」となります。

 なお、企業側では、取引が完了しているので、「仕訳なし」です。第5問の「精算表」対策でも同様です。

 ところで、「未取付小切手」ですが、以下のように、問題文を読み直すと、ぐっとわかりやすくなります。

 問題文は、「材料の仕入先に対して振り出していた小切手¥18,000 がまだ銀行に呈示されていなかった」ですが…、

 「材料の仕入先に対して振り出していた小切手¥18,000があったが、“取引先はまだ銀行に渡してなかった(提示してなかった)”」と、主語の「取引先」を補うと、文章の意味が明確になるかと思います。

 蛇足ですが、当該「未取付小切手」は、「未取立小切手」と、実に混乱しやすいです。

 「未取付小切手」は、先のように、取引先の問題です。

 「未取立小切手」は、企業側が取り立てを依頼したが、銀行側で取り立てがまだのものです。

 本試験の直前に、それぞれの意味と処理を、チェックしておきましょう。

処理まとめ

 

 ①~④までを「表」にまとめると、上の画像のようになります。

解答

 後は、足し算と引き算をするだけですが、計算ミスの温床なので注意してください。

 以下のように、「方程式」で計算すると、計算ミスが出ません。

 まず、銀行側を計算すると、調整後の数字は、「1,267,000」となります。

 当然、この数字は、企業側と同じとなります。

 企業側残高を「x」としましょう。

 そうすっと、「x+15,000-2,000=1,267,000」となります。

 これを展開すると…、

 x=1,267,000-15,000+2000

 x=1,254,000

 …となります。

 企業側の残高は、「1,254,000」です。

 銀行側の残高は、「1,280,000」です。

 差額は、「1,280,000-1,254,000」で「26,000」あったことになります。

こたえ

 答えは…、

 

 …です。

 >>> 次の問題へ。


第32回

 インデックス

第1問:仕訳

 1問:減資

 2問:法人税の納付

 3問:固定資産の交換

 4問:貸倒債権の取立て

 5問:完成工事進行基準

第2問:文章問題

 1問:未払賃金

 2問:銀行勘定調整表

 3問:固定資産の除去

 4問:火災保険

第3問 個別問題

 1問:工事間接費

第4問 理論+計算

 理論問題

 完成工事原価報告書

第5問 総合問題

 精算表:インデックス・ポイント

 精算表:設問1

 精算表:設問2

 精算表:設問3

 精算表:設問4

 精算表:設問5

 精算表:設問6

 精算表:設問7

 精算表:設問8

 精算表:設問9

 精算表:設問10

 精算表:設問11

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

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独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

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建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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