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危険物取扱者 乙種4類と丙種の違い‐はじめての危険物試験

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

危険物取扱者の乙種4類(乙4)と丙種の違いを述べる。乙4は丙種の完全上位資格であるが、丙種は丙種で取得する意味がある。また、丙種は乙4に比べて格段に受かりやすい。

まず、漢字をアレすると、「甲>乙>丙」という評価の順位です。松竹梅、ABCみたいなもんです。

で、端的に言うと、乙4は丙種の完全上位の資格で、丙種は乙種4類の完全下位です。

言うなれば、「乙4の制限版」が「丙種」です。

個人的には、よほどの理由がないのなら、丙種よりも乙4の受験のほうを勧めます。

まあ、当のわたしは、「乙4に受かるかどうか不安→交通費と時間を無駄にしたくない→何かお土産は?→丙種を受けておこう!」ってな感じで、午前に乙4、午後に丙種を受けた手合いです。

ま、以下に、乙4と丙種の違いを述べていますので、受験の参考にしてください。

権能(権力)の違い

両者とも「可燃性液体」を取り扱う資格ですが、乙4はすべての可燃性液体(約30個)が取り扱えるのに対し、丙種では「12個」程度と、格段に制限されています。

まあ、世に流通する可燃性液体の大半は、「ガソリン」「灯油」「軽油」「重油」と、丙種で取り扱えるのですが、それでも、乙4のほうが、「汎用性」という点で優れているのは言を待ちません。

次に、「立ち合い」能力の有無です。

乙4には「立ち合い」という権能があります。

当該「立ち合い」とは、有資格者が近くにいれば、ド素人でも危険物を取り扱わせることができる権能のことです。

この「立ち合い」が、法律上、丙種には、認められていません。

これがため、劇的に資格の価値に差がついています。

たとえば、ガソリンスタンドでは、乙4の有資格者が1人いれば、他の従業者は無資格者でもよい、という次第です。

反対に言うと、乙4の有資格者がいないと、従業員全員が丙種を取らなくてはいけない、といった塩梅です。

言うなれば、一人が持っているとパーティー全員に効果のあるアイテムが乙4で、持っている本人しか効果のないアイテムが丙種、といった次第です。

どちらの価値が高いかは、説明無用でしょう。

次に、「試験の難易度」の違いについて述べます。

乙4と丙種の難易度の違い

危険物取扱者 丙種の独学」でも述べていますが、「勉強内容そのもの」は、乙4と丙種では、大差はないのです。

ただ、丙種は、「受かりやすい」ところに、乙4との違いがあります。

物化の有無

乙4の敷居を上げているのは、「基礎的な物理学及び基礎的な化学(通称:物化)」という、理系知識を問う試験科目の存在です。

不合格となる受験生のうち、大半の人は、法令や性消で合格点は確保できているのですが、当該「物化」で合格点が取れず憂き目に遭っています。

乙4の「物化」では、モル計算やら化学式やらが出題されるので、ガチ文系にとっては、鬼門そのものです。

この点、丙種では、試験科目の名称が「燃焼及び消火に関する基礎知識」となっていて、化学や物理に関する出題が除かれています。

このため、小難しいことを勉強しないで済み、応じて、格段に「受かりやすく」なっています。

ちなみに、乙4では「物化」は「10問」で、丙種は「5問」となっていて、試験のボリュームも格段に少ないです。

設問の違い

丙種は、問題ごとの選択肢が「4択」で、対して、乙4は「5択」です。

たった「1つ」の違いですが、これが、試験の「受かりやすさ」を、かなり左右します。

丙種では、あてずっぽの解答でも正解になる可能性が高いので、乙4と比べて、明らかに点数が採りやすいのです。

当方、乙4は「80%前後」の正解率でしたが、丙種は全科目「100%」でした。

4択だと、いかに“確率的に点が取りやすいか”の証左かと存じます。

性消・法令の少なさ

先述したように、乙4では30前後の危険物が取り扱えるのですが、その分、試験科目の「性消」のボリュームが増えます。

丙種は「12個」くらいしか危険物がないうえ、出題の大半は「ガソリン」「灯油(ケロシン)」「軽油」「重油」の4つなので、「性消」のボリュームは格段に少ないです。

当方の手持ちのテキストだと、乙4では「27ページ」も危険物の説明に記述が割かれているのに、丙種では「11ページ」しかありません。

こういった次第で、「性消」のボリュームが少ないことも、丙種の「受かりやすさ」に貢献しています。

また、「法令」も問題数が異なります。

乙4だと「15問」なのに対し、丙種では「10問」となっており、丙種のボリュームが少なくなっています。

その他のこと

乙4の合格率は「30%前後」で、丙種は「50%前後」です。

乙種の受験料は「3,400円」で、丙種は「2,700円」です。

試験時間は、乙4は「2時間」で、丙種は「1時間15分」です。

教材費は、おおむね乙4は「2,640円(2冊分)」で、丙種は「821円(1冊)」です。

参考:乙種4類独学向けテキスト・問題集・過去問

参考:丙種独学向けテキスト・問題集・過去問

まとめ的なもの

このように、危険物取扱者の乙4と丙種の違いを見てきました。

取るとしたら、ダンゼン「乙4」じゃんと思われるかもしれませんが、丙種は丙種で取得する意味はあります。

丙種は、主として、流通業・運送業の方が取る資格となっています。

危険物の『移送』業務のためです。危険物を運ぶだけなら、別段、立ち合いの必要はないので、丙種で十分、といった次第です。

危険物取扱者の取得目的が、『移送』用であるなら、わざわざシンドイ思いをして、乙4まで取らなくてもよい、といった次第です。

また、保安要員として、危険物取扱者の免状がすぐ要る!という場合なら、格段に受かりやすい丙種のほうが適切でしょう。

っとまあこんな次第です。

個人的には、一番最初に述べたように、乙4と丙種とでは、巨大な差もないので、せっかく時間とお金を費やすなら、乙4を取得するほうがよいかと思います。独学でじゅうぶん取れます。

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