ヨーグルトメーカーと圧力鍋があれば、市販の納豆よりも、格段にやわらかい納豆が自作できる。糖質制限の方やダイエット中の方、筋トレ中の人など、大豆をたくさん食べたい人は、消化の良い当該柔らか納豆の自作をオススメする次第である。
お箸でつぶせる、やわらかくて食べやすい納豆です。
市販の納豆は硬いので、納豆をたくさん食べる人は、咀嚼しやすい自作納豆の方が「量」を摂れます。
わたしは、プチ糖質制限を始めたのを機に、納豆の自作が本格化しました。肉ばっかりは食べられず(おさいふ的に)、納豆大盛・ご飯少な目が日々の食事です。
「肌がきれいですねー」と言われるようになったので、たんぱく質は充足されているようです。
さて、「やわらかい納豆」の作り方は、以下の通りです。
計量カップ(容量200ccc)2杯分の大豆を一晩、水に浸けます。
大豆が結構膨れるので、水は多めに入れておかないと、浸潤が足りなくなります。
これが…、
…こうなります。
なお、大豆はカップ2杯までが限度です。3カップになると、大豆がヨーグルティアの容器に入りきりません。
膨れた大豆を水洗いします。虫食い大豆がないか探し、あれば、配偶者に渡します。
なお、変色している豆は、得てして「表皮」だけなので、皮だけを取り除きます。もったいないので捨てないように。
たとえば…、
こうした茶色の豆も…、
一皮むくと普通の豆です。
配偶者のように見た目でダメが即解するものもありますが、豆は違います。
わたしは、大豆を「蒸し」ます。水で「煮る」と、うまみが抜けるような気がするからです。
まあでも、「煮る」でもOKです。
えぐみの強い大豆なら煮るで、雑味のない大豆なら蒸す、でよいでしょう。
豆質やお好みで、蒸すか煮るか変えてください。微妙にできあがりの味は異なります。
まあ、煮ても焼いても食えない配偶者と共同生活ができているのですから、どちらでも気にはならないはずです。
重要なのは、結構な時間、煮たり蒸したりするところです。
当方は、『高圧』で『20分』ほど加圧しています。
ここまで加圧しないと、「やわらかい納豆」になりません。
玄米3合炊きが「高圧30分」なので、「高圧20分」という数字は“長い”方です。精白米なら加圧「5分」ですから。
なお、当方の圧力鍋の作動圧力は、高圧で「100kpa」です。
加圧時間は、お使いの圧力鍋で変わってくるので、各自で調整してください。
また、豆を蒸すには、蒸し器が要りますが、穴あき円盤状のものが100円ショップで売ってます。
ここが一番、気を使います。最重要作業なので、“神経”を使って作業します。
詳細は後述しますが、納豆に触れるもののみならず、種ナットウまで、熱湯で消毒します。
消毒が足りないと、必ず失敗します。
納豆の自作で気をつけるのは当該消毒作業くらいなので、手を抜かないように。
経験を積んで慣れてくると、当該消毒でポカをして、24時間後に鼻をつまむことになります。
なお、種ナットウは、市販のパック納豆を利用します。
納豆1パックの4分の1が適量です。
種ナットウを入れすぎると、当該種ナットウが過熟成されてアンモニア臭の元になります。
わたしは1度、1パック丸々放り込んだら、臭いのきつい納豆ができあがって往生しました。
後述しますが、当該きつい納豆は、酢をかけて臭いを消して食べました。
ところで、種ナットウは、市販の納豆ならどれでもいいです。
が、「臭わない系」の納豆だと、臭いが軽い感じがします。反対に、本格納豆は、臭いがきつい感じがします。
臭いが気になる方は、「におわなっとう」などを種に使いましょう。
なお、種ナットウについては、下記記事も参考までに。
参考:種ナットウの保存について
チンした容器に、やわらかくなった大豆を入れ、種ナットウを入れて、適当に2~3回かき混ぜます。
コツとしては、容器にまず「3分の2」の大豆を入れてから、種ナットウを投入して混ぜます。
で、混ぜた後で、残りの「3分の1」の大豆を“蓋”をする感じで入れます。
「蓋」をする感じにしておくと、種ナットウが外気に触れないので、乾燥して硬くなりませんし、臭いもやわらぎます。(種ナットウが外気に接すると水分が蒸発してかなり硬くなり、食味を損ないます。)
配偶者も何かで蓋をすると程よい人間性になるかもしれませんが、試しても無駄な気がする一方、やらないよりもやって後悔する方がいいと思いますが、試しに一緒になって後悔している現状を踏まえると心が萎えるのも仕方がありません。
なお、「かき混ぜ」は適当でいいです。納豆菌は良く動くので、軽く混ぜても納豆菌は全体に行き渡ります。
なお、完成時の底に溜まる濃縮ドロドロなっとう汁が“好ましくない”方は、いったん大豆をざるに入れて、いったんお湯を切ると、“汁”気が少なくなります。
ヨーグルトメーカーの設定をします。
温度は42~45度で、時間は22~24時間ですが、まあ、お好きに。
温度と加熱時間が異なると、風味も変わる気がします。
わたしは「42度」の「22時間」です。(冷蔵庫で2日ほど、低温熟成させるので。)
納豆菌は呼吸をするので、説明書どおりに、内蓋は載せず、代わりに布をかぶせて、容器蓋を斜めにして、通気できるようにします。
なお、画像の布は、当方で余っていたネル生地ですが、布なら真新しいふきんやハンカチでも勤まります。
年がら年中作っていると時々忘れます。忘れるとガックリ来ます。とりわけ、夏だと腐って異臭騒動が起きます。
この時点で食べれます。
さじですくって、できたての納豆をこどもに食べさせてみてください。「アレ?おいしいかも」的な怪訝な表情をします。
配偶者には、さじごと投げつけるといいでしょう。
荒熱が取れたら冷蔵庫に入れて低温熟成させます。
冷蔵庫での保存は、こんな風に、布を輪ゴムで止めるといいです。
タッパーで密封すると、納豆菌が呼吸できないので、風味が損なわれます。
布と輪ゴムだけですが、ほとんど納豆臭はしません。
当方は、この簡易なやり方でも冷蔵庫が臭ってませんし、納豆がダメになってもいません。
布蓋が納豆臭くなりますが、洗濯してしまえば気になりません。
が、口に近いものを洗濯するは、一緒に洗うものを選別する、たとえば、配偶者のものとは別にするとか、または、手洗いすればよいでしょう。
・・・以上です。
文字に起こすと凄く手間取りそうですが、作業自体はカンタンです。
要注意事項は以下の通りです。
納豆の自作で一番注意しないといけないのは、「殺菌」です。
納豆菌が増えやすい環境とは、雑菌が増殖しやすい環境です。
きちんと殺菌されてないと、アンモニア臭の漂う大豆の『山』ができあがり、言いようのない空しさに包まれます。
お玉やざるなど、大豆と接触する物には、ざっと熱湯をかけます。
種ナットウは小皿に入れて、そこに熱湯をかけ、1分ほど置いて殺菌します。納豆菌は熱に強いので熱湯をかけても大丈夫です。
ヨーグルトメーカーの容器は、説明書にあるように、水を50ccほどいれて、さじを入れ、取っ手部分を置き、レンジで2分30秒ほどチンすると殺菌は終了です。
内蓋の代わりに布(真新しいふきんなど)をかぶせるのですが、当該布は水洗して絞り、当該容器にのっけて、いっしょにチンすれば殺菌できます。
殺菌が納豆の自作のキモなので、本作業は、手を抜かないようにしてください。
もちろん、作業前は石鹸で手洗いです。
なお、煮たり茹でたりした大豆はいい匂いがしますが、配偶者を近づけてはいけません。雑菌予防です。
納豆を作る日は、いつもより大目の食事を与えます。満腹だと動きが睡魔で鈍くなり、寝転がって周辺の興味を失います。名前を呼ばれても物憂く尻尾を動かすだけです。
大豆が冷めると、納豆菌が増えません。
蒸しあがったり茹であがったりしたら、すぐさま、『種ナットウかき混ぜ作業』に入ってください。
圧力鍋だと圧の抜ける頃合を計る必要がありますが、おおむね、加圧が終わって10分くらい経って、お湯を沸かすなどの、殺菌作業に入るとよいでしょう。
低温調理中のヨーグルトメーカーは、どうしても「その中」を見たくなります。
結構、香ばしい匂いがするので、殊更に見たくなります。
こどもに醗酵中の大豆を見せるのは、よい教育ですが、程が過ぎると、大豆が痛みます。
布を空けて覗く際に、雑菌が空気感染するのでしょう。
唯一のわたしの失敗は、頻繁に蓋を開けて、(うわーできてんじゃん)と何度も覗いたり、(うひょ、醗酵してんじゃん)と何回も匂いを嗅いだときに発生しました。
アンモニアが激臭する2カップ分の大豆は、捨てるのに勇気が要ります。
中を見てもいいのですが、1回くらいにしておくのが無難です。
なお、作動中のヨーグルトメーカーに、配偶者を近づけてはいけません。倒したりするからです。配偶者はゲージで囲んでおいて、納豆を守ります。
アンモニア臭が“すごい”ときは、失敗です。
“すごい”とは、鼻を近づけてクンクンすると、“わっ”となる場合です。
雑菌が増殖して腐敗しているので、廃棄するか、犬や隣で寝ている人のえさにします。
アンモニア臭が“そこはかとなく”漂うときは、だいじょうぶです。わたしの納豆も、大概少し臭います。
おそらく、種ナットウが過熟成されために、この臭いが発生すると思われます。
とはいえ、少しの臭いは、冷蔵庫で熟成するうちに(揮発して)無くなります。
気になる方は、少量のお酢(さじ大盛り1)をかけて混ぜると、酸とアンモニアが反応して、臭いがなくなります。
においが“そこそこ”して、食あたり等がに気になる方は、一度配偶者に毒見をさせて、自身と家族とが口にすると良いでしょう。
しかし、配偶者の胃腸はタフなことが多く、なぜならあなたの配偶者だから、毒見が当てにならないときが多いので気をつけてください。
まあでも、多少臭っても“ぎゃっ”とか“うわっ”となるほどの刺激臭でないなら、おおむね大丈夫です。
・ヨーグルトメーカー:ヨーグルティア
・圧力鍋:パール金属の圧力鍋
・大豆仕入先1:e-zakkokumai
・大豆仕入先2:豆のすずき
大豆は、5キロ・10キロ単位で買うのを勧めます。ちまちまと近場のスーパーで500グラムや1キロ単位を買ってられません。
e-zakkokumaiの青森産のおおすず大豆はリーズナブルです。味も問題なし。消費量の多い家族世帯にオススメします。
豆のすずきの北海道産の大粒つるの子大豆は高級品です。クセがなく食味良好。単身・夫婦世帯にオススメです。
2016年5月10日 11:56 AM
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