結論から言うと、「スピード」と「国語の問題」があるため、為替手形が難しくなって、簿記3級の初心者キラーとなってしまうのでした。
簿記3級の仕訳は、大概が「反射と反応」で済んでしまうものばかりです。
売った、買った、支払ったという取引がほとんどで、問題文でそれら文言を見たら即、仕訳が切れていたのです。
しかし、為替手形は、「反射と反応」では、仕訳が切れません。
問題文をよく読んで、仕訳の主体が何で、何をしているのかを、正確に読み取らなくてはなりません。
対策としては、「為替手形は異質の作業」と踏まえておくことです。
為替手形だけは、問題文をしっかり読み取らなくてはいけないと注意して、まずは頭にブレーキです。
そして、仕訳の主体は「振出人」なのか?、それとも「指図人」なのか?、または「名宛人」なのか?、丁寧に読みます。
「振り出した」とあれば「振出人」で…、
「受け取った」とあれば「指図人」で…、
「引き受けた」とあれば「名宛人」となります。
先述したように、簿記3級の大半の仕訳は、「反射と反応」で切れるので、処理のスピードは凄く速いのです。
しかし、為替手形は“異色”で、時間をかけて問題文を読まないと、仕訳が切れない内容となっています。
これまでは、ちゃっちゃとテンポよく仕訳が切れていたのに、為替手形だけは時間と読解を必要とする作業になるために、ことさら“ひっかかってしまう”という次第です。
為替手形は、その取引の意味を理解して、落ち着いて問題文を読めば、絶対に解ける難易度です。
少し頭のスピードを抑えて落ち着いて、為替手形に取り組んでみてください。
簿記3級の大半の取引は、単純です。
言うなれば、登場人物は、売り手と買い手の2人しかいないのです。
それが、為替手形になると、「3」人物が現れます。
そう、「振出人」と「名宛人」と「指図人」です。
ここで話は、スーパーややこしくなります。
取引のうち、誰が何で何をしているのかを、正確に把握しないといけないからです。
しかも、個々の言い方が多すぎて、シチ面倒くさいことこの上ありません。
「指図人」は、「受取人」とも言われます。
「名宛人」は、「引受人」とも「支払人」とも言われます。
「振出人」という言葉と合せて、為替手形では「6個」も単語が出てくる塩梅です。
5つ以上は「たくさん」です。
わからなくなるに決まっています。
対策としては、「為替手形は、国語の問題」と踏まえておくことです。
上記6つの言葉を、きっちり整理していないと、混乱するばかりです。
それぞれの言葉をしっかり憶えてから、仕訳の処理に本腰を入れるようにします。
反対に言うと、為替手形の語句が曖昧なのに、無理から仕訳を切ろうとしても、混乱するばかりという塩梅です。
もっと反対に言うと、為替手形の仕訳が切れなかったり間違ったりするのは、言葉(語句)の問題を解決していない、正確に憶えていないという寸法です。
為替手形には、まず、「国語の問題」があって、そこをクリアして、ようやく「簿記の問題」の入るという、うっとおしい「2階建て方式」なのを、頭の片隅に置いておきましょう。
なお、下手なテキストだと、為替手形の説明がおざなりで、詰まります。
使っているテキストを何回読んでもわからないときは、「教材レビュー」で紹介する本格教材に切り替えましょう。
2015年7月7日 9:38 AM
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