本問は『工事進行基準』の仕訳。第25回試験の第1問‐仕訳問題の4問目。本問は『工事進行基準』の仕訳。最初は「工事完成基準」だったのに、「工事進行基準」に切り替えた年度の処理を行います。過去にあまり出題のない問題なので、ケアレスミスで、ついウッカリ間違う人が多いはずです。しっかり復習しましょう。
◇問題◇
◇勘定科目群◇
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結論から言うと、「答えはこちら」です。
本問のレベルは「やや難」です。
多くの方が、ケアレスミスで、間違うと思います。
今は、間違えていいので、今後は、ミスをしないようにしましょう。
ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。
対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフ・お箸を持ったり、配偶者にノミ取りシャンプーをかけるときの方です。
問題文には、「前期に着工したY工事については、信頼性を持った総工事原価の見積もりができなかったため、工事進行基準を適用していなかった」とあります。
「工事進行基準ではない」ということは、つまりは、「工事完成基準」で処理していたわけです。
要は、前期着工のY工事では、完成工事高も完成工事原価も、未計上であったという塩梅です。
設問では、当期から、「工事進行基準」を採用しています。
んなもんで、あの公式を思い出すだけです。
問題文には、「請負金額¥75,000,000、総工事原価見積額¥67,500,000、前期の工事原価発生額¥10,500,000、当期の工事原価発生額¥43,500,000であった。」とあります。
先の公式に、数字を当てはめましょう。
工事収益総額は、請負金額の「75,000,000」です。
分子の「当月までの実際発生工事原価」は、「10,500,000+43,500,000」の「54000000」となります。
分母の「見積り工事原価総額」は、総工事原価見積額の「67,500,000」となります。
最後の「過年度工事収益累計額」ですが、先に見たように、前年は、「工事完成基準」であったので、工事収益は、計上されていません。よって、「0」となります。
公式に数字をはめ込むと…、
75000000*54000000/67,500,000-0
…となり、工事収益は、「60,000,000」と相なります。
これが、当期に計上される「完成工事高」となります。
後は、ふつうに、「完成工事高」の仕訳を切るだけです。
工事代金は、まだ受け取っていませんから(問題文に指示がありませんから)、穏当に、「完成工事未収入金」で処理することになります。
資産の増加と、収益の認識なので、仕訳は…、
借方:完成工事未収入金 60,000,000
貸方:完成工事高 60,000,000
…と、相なります。
収益を認識したなら、費用も認識せねば、片手落ちです。
しかし、ここに、ケアレスミスの大穴が待っています。
先に見たように、前年度は、「工事完成基準」でした。んなもんで、前年の完成工事原価は、未だ、未計上なのです。
よって、当期では、前年分を含めた完成工事原価を、計上することになります。
よって、先に計算した「10,500,000+43,500,000」の「54,000,000」を、工事原価として、当期に計上することになります。
処理ですが、「未成工事支出金」を「完成工事原価」に振り替えます。
費用の認識と、資産の減少なので、仕訳は…、
借方:完成工事原価 54,000,000
貸方:未成工事支出金 54,000,000
…と、相なります。
前年分と当期分の合計額を計上するので、間違わないでください。
わたしは、間違えて、当期分しか計上してませんでした。完全なケアレスミスでした。
本問のような、過去の工事原価をまとめて当期に計上する処理は、過去問にもほとんどないので、間違えやすくなっています。
今後の定番となりそうなので、意識して、憶えてください。
先の仕訳群を合体すると…、
借方:完成工事未収入金 60,000,000
借方:完成工事原価 54,000,000
貸方:完成工事高 60,000,000
貸方:未成工事支出金 54,000,000
…となり、これが答えとなります。
先の仕訳に、勘定科目の記号を付与すれば、答えは…、
…です。
建設業経理士2級の仕訳問題には、『解答に記号を付す』という、他の簿記試験にはない、固有の特徴があります。
このように、勘定を書く左側に「記号欄」があり、当該記号は「使用勘定科目群」にあります。
本試験という緊張している時だと、“ついウッカリ”忘れることがあります。
あまり意味がないので面倒ですが、普段から、記号を記入する訓練をしておきましょう。毎回やっていると、身体が覚えるので、本試験でポカをしません。
1問:自家消費・・・「ふつう」。
2問:仕入割引・・・「ふつう」。
3問:預り金・・・「ふつう」。
4問:工事進行基準・・・「やや難」。
5問:手形割引・・・「ふつう」。
1問:のれん償却・・・「ふつう」。
2問:材料評価損・・・「ふつう」。
3問:銀行勘定調整・・・「やや難」。
4問:未収利息・・・「ふつう」。
1問:理論問題・・・「ふつう」
2問:工事原価明細表・・・「ふつう」
部門費振替表‐階梯式配賦法・・・「ふつう」
精算表:インデックス・ポイント・・・「ふつう」。
精算表:設問1・・・「ふつう」。
精算表:設問2・・・「ふつう・難」。
精算表:設問3・・・「ふつう」。
精算表:設問4・・・「ふつう」。
精算表:設問5・・・「ふつう」。
精算表:設問6・・・「ふつう」。
精算表:設問7・・・「ふつう」。
精算表:設問8・・・「ふつう」。
精算表:設問9・・・「ふつう」。
精算表:設問10・・・「ふつう」。
精算表:設問11・・・「難」。
結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。
当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。
公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。
PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。
なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。
アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。
とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。
受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。
教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、
簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。
簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、
過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。
建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。
建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。
合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。
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