本問は『精算表』の問題。第24回試験の第5問‐総合問題の難易度は「ふつう」。本ページでは、設問の1から3を掲載しています。仕訳は、基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。しかし、設問の3は、税金が絡んでくるので、面倒です。また、精算表の記入の仕方なり要領なりは、何度も練習しておかないと、本試験で、間違いなく手間取ります。仕訳が切れただけで安心せず、何回も、“実地に”精算表を埋めてください。
◇問題◇
◇解答用紙◇
(クリックして拡大。)
結論から言うと、「答えはこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」です。
例年通りの問題であり、設問に難しいものはありません。
繰り返しますが、精算表は、解答そのものが難儀です。記入に慣れていないと、確実に、書くところを間違います。
精算表の解答用紙を3~4枚はコピーして、必ず、“表の埋め方”を、練習しておいてください。
なお、本ページは、設問の1~3を載せています。
「設問4~6はこちら」です。
んで、設問7~10はこちら」です。
①の「当期に受け取った受取手形のうち¥12,000が不渡りとなった。この手形について貸倒引当金を100%設定する。」ですが、手形と貸倒引当金の2つの仕訳を切るだけです。
まず、手形から処理です。
「不渡り」の処理ですが、解答用紙を見ると…、
…と、「不渡手形」の文言があります。
んなもんで、当該「不渡手形」で、仕訳を切る事になります。
仕訳は、単に、不渡となった「受取手形」を、「不渡手形」に振り替えるだけです。
資産の増加と、資産の減少なので、仕訳は…、
借方:不渡手形 12,000
貸方:受取手形 12,000
…と相なります。
次に、貸倒引当金の設定です。
問題文には、「貸倒引当金を100%設定する」とあるので、そのまんまの処理をするだけです。
計上額は、100%設定なので、「12000×100%」の「\12,000」です。
引当金の計上ですから、費用の認識と、負債の増加なので…、
借方:貸倒引当金繰入額 12,000
貸方:貸倒引当金 12,000
…と相なります。
切った仕訳は、記入場所に注意しながら、解答用紙の「整理記入」に転記していきます。
なお、当該貸倒引当金は、通常の債権とは別個の貸倒引当金となります。
通常の債権への引当金処理ではないので、(5)のところでは、注意してください。
リンク:設問4~6の「5」
材料の処理です。
②の問題文には、「仮設材料費の把握についてはすくい出し方式を採用しているが、現場から撤去されて倉庫に戻された評価額¥2,500の仮設材料について未処理である」とあります。
要は、当該倉庫に戻った材料は、工事に使われていないので、「未成工事支出金」から、その分だけ減らす、ってな寸法です。
一種の修正仕訳なので、仕訳は…、
借方:材料貯蔵品 2,500
貸方:未成工事支出金 2,500
…と相なります。
仮払金の2つの処理です。
当該仮払金が問われたら、前提の仕訳を、端っこにメモしておくと、混乱しなくなります。
「仮払金」ですから、それ以前に…、
借方:仮払金 64,000
貸方:現金 64,000
…といった仕訳が切られている、ってな次第です。
要は、もう既に、「借方」に、「仮払金」が「\64,000」計上されている、ってな寸法です。
では、①の方から見ていきましょう。
①は、「管理部門従業員の出張旅費(販売費及び一般管理費)の仮払いが¥6,000あり、精算の結果、実費との差額¥1,000を従業員が立て替えていた。」です。
まず、わかりやすい「仮払い」のところから、手を付けます。
当該「仮払い」ですが、出張旅費(販売費及び一般管理費)と判明してるので、その分だけ、「仮払金」を減らします。
費用の認識と、資産の減少なので、仕訳は…、
借方:販売費及び一般管理費 6,000
貸方:仮払金 6,000
…と相なります。
んで、忘れてはならないのは、問題文後半の「実費との差額¥1,000を従業員が立て替えていた。」のところです。
「実費との差額¥1,000」とあるので、実際の出張旅費(販売費及び一般管理費)は、「\7,000」だったことになります。
「7,000円」のうち、「6,000円」は先ほど処理していますから、残る「\1,000」を、出張旅費(販売費及び一般管理費)として計上します。
んで、期末の時点では、従業員に当該立替分の1,000円を払っていないので、「未払金」として、処理します。
費用の認識と、負債の増加なので…、
借方:販売費及び一般管理費 1,000
貸方:未払金 1,000
…と相なります。これで、①が終わりました。
次に、②を見ていきましょう。
憶えておいてください。
②のように、「税金」が絡んでくると、最終的な「当期純利益(当期純損失)」が出ないと、仕訳が切れません。
②のように、「法人税等の中間納付額¥58,000」云々の設問に当たったら、『後回し』にして、他の設問に進んでください。
とりあえず、答えを述べておきます。
当期の税引き前利益は、「\279,500」となります。
設問10の…、
…によると、法人税等は、「40%」に当たります。
「279,500*0.4」で、法人税等は、「\111,800」となります。
問題文によると、「¥58,000」が中間納付されていますから、納税すべき残金は、「111,800-58,000」で「\53,800」となり、これを「未払法人税等」で処理します。
仕訳をまとめると…、
借方:法人税等 111,800
貸方:仮払金 58,000
貸方:未払法人税等 53,800
…と相なります。
まあ、ここは、できなくても仕方ないと思います。ここができなくても、他の問題でカバーできるので、できるものに尽力してください。
念のため、すべての答えを挙げておくと…、
…こうなっています。
1問:有価証券・・・「ふつう」。
2問:完成工事補償引当金・・・「ふつう」。
3問:利益処分・・・「ふつう」。
4問:減価償却・・・「ふつう」。
5問:収益認識・・・「ふつう」。
1問:未成工事支出金・・・「ふつう」。
2問:工事進行基準・・・「ふつう」。
3問:社債償還・・・「ふつう」。
4問:総合償却法・・・「難」。
部門費配分・・・「ふつう」。
1問:理論問題・・・「ふつう」。
2問:工事別原価計算・・・「ふつう」。
精算表:設問1~3・・・「ふつう」。
精算表:設問4~6・・・「ふつう」。
精算表:設問7~10・・・「ふつう」。
結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。
当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。
公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。
PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。
なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。
アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。
とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。
受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。
教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、
簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。
簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、
過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。
建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。
建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。
合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。
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