本問は『社債償還』の処理です。第24回試験の第2問‐文章問題の3問目の難易度は「ふつう」。買入償還の基礎的な処理の問題で、知っていさえいれば、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、取れます。
◇問題◇
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結論から言うと、「答えはこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」です。
あまり出ない論点ですが、試験範囲には入っています。
「社債」そのものは、頻出論点です。できなければ、何回も解いて、おさらいしておきましょう。
ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。
対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフ・お箸を持ったり、配偶者にゴマ油をかけるときの方です。
本問のポイントは、『前提』を把握することです。
問題文には、「前期の期首に社債券面総額¥30,000,000(償還期限5年)を額面¥100につき¥97で発行した」とあります。
つまり、前期期首には…、
借方:現金など 29,100,000
貸方:社債 29,100,000
…という仕訳が切られていた、ってな寸法です。
なお、「29,100,000」という数字ですが、「額面¥100につき¥97」で発行しているので、「30,000,000×97%」的な計算で求められます。
社債の発行については、社債の額面金額ではないので、注意してください。実際の入金額で処理します。
さて、社債が発行されたのは、前期期首です。
忘れてならないのは、前期の期末で行なう社債発行差金の償却です。
問題文には、「社債発行差金は償還期間にわたり定額法により償却している」とあります。
んなもんで、前期の期末には、社債の額面と発行価額の「差=社債発行差金」を、償却している、ってな寸法です。
当該償却には、「社債利息」の勘定で処理します。
んで、当該「社債利息」の分だけ、貸方の「社債」を増やす処理を行ないます。
んでは、前期期末における償却を計算しましょう。
額面と発行価額の「差」は、「30,000,000-29,100,000」で「\900,000」です。
社債の償却は、『月割り』です。
本問では、償還期限は5年なので、分母が「5*12」の「60ヶ月」となります。
んで、期首発行なので、償却月数は、「12ヶ月」となります。
これらの数字で計算すると…、
900000*12/60
…で、「\180,000」が、前期の償却額となります。
この数字で仕訳を切ると…、
借方:社債利息 180,000
貸方:社債 180,000
…と相なります。
つまり、当期期首には、「社債」が「29,100,000+180,000」の「\29,280,000」が計上されているってな寸法です。
これで、ようやく、当期の処理に入れます。
役者はそろったので、当期の買入償還に入ります。
問題文には、「¥5,000,000を当期の期末に額面¥100 につき¥101で買入償還した。」とあります。
買い入れた社債の「帳簿価額」を求めます。
ここで忘れてはいけないのは、「当期の期末に(略)買入償還した」ことです。
そう、前期同様、当期でも、社債発行差金の処理を行なわないといけない、ってな次第です。
処理は、先と同様です。
額面と発行価額の「差」は、「30,000,000-29,100,000」で「\900,000」です。
償還期限は5年なので、分母が「5*12」の「60ヶ月」で、当期の償却月数は、「12ヶ月」となります。
これらの数字で計算すると…、
900000*12/60
…で、「\180,000」が、当期の償却額となります。
この数字で仕訳を切ると…、
借方:社債利息 180,000
貸方:社債 180,000
…と相なります。
つまり、当期期末には、「社債」が「29,280,000+180,000」で「\29,460,000」が計上されているってな寸法です。
当期期末の「社債」の帳簿価額は、先に見たように、「\29,460,000」です。
んで、買入償還したのは、額面「\30,000,000」のうち「\5,000,000」分です。
んなもんで、「比」を計算すると…、
5,000,000:30,000,000=X:29,460,000
1:6=X:29,460,000
6X=29,460,000
X=4,910,000
…となり、買い入れた社債「\5,000,000」の帳簿価額は、「\4,910,000」なことがわかります。
社債の買い入れに伴う支払額を求めます。
これは、カンタンです。
「額面¥100 につき¥101」なので、「5,000,000*101%」で「\5,050,000」が買い入れ額です。
買い入れた社債の帳簿価額は、「\4,910,000」です。
支払った金額は、「\5,050,000」です。
んなもんで、「4,910,000-5,050,000」で、「\-140,000」の損失が出た事がわかります。当該数字が答えです。
本問は、計算問題ですが、仕訳問題で出る可能性もあります。
当該買入償還の処理の仕訳ですが、「償却」の仕訳は…、
借方:社債利息 180,000
貸方:社債 180,000
…と相なります。
んで、買い入れ時の処理は…、
借方:社債 4,910,000
借方:社債償還損 140,000
貸方:現金とか 5,050,000
…と相なります。
仕訳も狙われるので、きっちり切れるようになっておきましょう。
答えは…、
…です。
1問:有価証券・・・「ふつう」。
2問:完成工事補償引当金・・・「ふつう」。
3問:利益処分・・・「ふつう」。
4問:減価償却・・・「ふつう」。
5問:収益認識・・・「ふつう」。
1問:未成工事支出金・・・「ふつう」。
2問:工事進行基準・・・「ふつう」。
3問:社債償還・・・「ふつう」。
4問:総合償却法・・・「難」。
部門費配分・・・「ふつう」。
1問:理論問題・・・「ふつう」。
2問:工事別原価計算・・・「ふつう」。
精算表:設問1~3・・・「ふつう」。
精算表:設問4~6・・・「ふつう」。
精算表:設問7~10・・・「ふつう」。
結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。
当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。
公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。
PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。
なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。
アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。
とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。
受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。
教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、
簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。
簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、
過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。
建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。
建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。
合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。
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