第24回‐仕訳過去問(H30/9実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は、「収益認識」の「工事完成基準」の問題です。第24回試験の第1問‐仕訳問題の5問目。最も出るのは、計算が面倒な「工事進行基準」ですが、当該「工事完成基準」も、出ることは出ます。両方を確実に押えておきましょう。

第5問‐収益認識

 ◇問題◇

 


 ◇勘定科目群◇

 

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解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 「工事完成基準」は、ド定番の論点であり、また、本問の処理は、基本中の基本なので、問題ないかと思われます。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフ・お箸を持ったり、配偶者に予防接種をするときの方です。

ポイント1

 本問は、「工事完成基準」で処理します。

 つまり、完成したときに、請負金額の全てを「完成工事高」で処理する、ってな寸法です。

ポイント2

 次のポイントは、「受注時に受け取っていた¥900,000との差額を約束手形で受け取った。」のところです。

 前半部分の「受注時に受け取っていた¥900,000」とは、要は、「未成工事受入金」のことです。

 当期以前に…、

 借方:現金とか 900,000

 貸方:未成工事受入金 900,000

 …てな仕訳が切られており、当期期首には、「未成工事受入金」が「貸方」に「\900,000」が計上されている、ってな寸法です。

 んで、後半部分の「差額を約束手形で受け取った」ですが、これは、単に「受取手形」を受け取った処理をするだけです。

 そして、当該差額ですが、請負金額が「\3,500,000」なので、未成工事受入金の「\900,000」を引き算して、「\2,600,000」が、手形で受け取った金額となります。

 後は、適当かつ曖昧に仕訳を切るだけです。

仕訳1

 まず、「貸方」にある「未成工事受入金」の「\900,000」を減らします。

 負債の減少ですから、仕訳は…、

 借方:未成工事受入金 900,000

 …と相なります。

 次に、「受取手形」の受け取った処理をします。

 金額は、先に見たように、「3,500,000-900000」の「\2,600,000」です。

 資産の増加ですから、仕訳は…、

 借方:受取手形 2,600,000

 …と相なります。

仕訳2

 問題文には、「受注した工事が完成し発注先に引渡した。」とあるので、請負金額の「¥3,500,000」を、マルッと収益に計上します。

 使用勘定科目は、おなじみ「完成工事高」です。

 収益の認識ですから、仕訳は…、

 貸方:完成工事高 3,500,000

 …と相なります。

合体

 先の仕訳群を合体させると…、

 借方:未成工事受入金 900,000

 借方:受取手形 2,600,000

 貸方:完成工事高 3,500,000

 …となり、これが答えです。

こたえ

 記号を付与すれば、答えは…、

 

 …です。

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24回

 index

第1問:仕訳

 1問:有価証券・・・「ふつう」。

 2問:完成工事補償引当金・・・「ふつう」。

 3問:利益処分・・・「ふつう」。

 4問:減価償却・・・「ふつう」。

 5問:収益認識・・・「ふつう」。

第2問:文章問題

 1問:未成工事支出金・・・「ふつう」。

 2問:工事進行基準・・・「ふつう」。

 3問:社債償還・・・「ふつう」。

 4問:総合償却法・・・「難」。

第3問:計算問題

 部門費配分・・・「ふつう」。

第4問 個別問題

 1問:理論問題・・・「ふつう」。

 2問:工事別原価計算・・・「ふつう」。

第5問 総合問題

 精算表:設問1~3・・・「ふつう」。

 精算表:設問4~6・・・「ふつう」。

 精算表:設問7~10・・・「ふつう」。

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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