・はじめに−馬鹿の壁 養老孟司さんの有名な著書で「馬鹿の壁」というおもしろいエッセイがあります。この本、とにかく杓子定規であったり、融通の利かない馬鹿な人と行動をおもしろく紹介してます。 最初は「( ´,_ゝ`)プッ、アハハ、バカジャネーノ」と思うのですが、だんだん読んでいるうちに、身につまされることが多くなってきます。 ( この本の1流の演出として日本の最高学府「東大」の馬鹿者をピックアップしているので、そのギャップがまたとない面白さを醸しているのですよ。) えてして私たちは、よくよく考えてみれば、知らず知らずのうちに「馬鹿の壁」にぶちかましをしているものなのですよ。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・「よくわかる〜」「はじめての〜」でさえ、わからない 先ほどのページで基本情報技術者の過去2回の挫折を紹介しましたが、とにかく、市販されているテキスト・問題集が「できない」というのが、最大の問題でした。 過去2回とも、「よくわかる・はじめて系統のテキスト」にチャレンジ となってきたのです。いわば、2回も「馬鹿の壁」に自分からぶつかり玉砕してきたわけです。力押ししか考えられんからそうなったのです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・基本情報技術者はド素人でも合格できている ここで、再度、試験の開催機関「情報処理推進機構:情報処理技術者試験センター」が発行している統計情報を覗いてください。 統計情報の「経験年数別一覧」をみてみましょう。 基本情報技術者は「経験なし」でも合格しています。合格率をみても、経験あるグループと勝るとも劣らないパーセンテージを保持しています。 ここで、「ド素人でも合格できる」ことの理解を深めるために、上級シスアドの業務経験のページをを見てください。 上級シスアドは、実際の実務経験が重要な要素となる試験で、受験生のうち経験なし・1年未満の合格率の低さは圧倒的です。 上級シスアドは、経験年数が延びるにつれて安定した合格率をたたき出していることから、実務経験の有無が重要な合格要因であることがわかると思います。 再度いいます。 基本情報技術者は「経験なし」でも合格しています。 ですから、経験がなくても「不利かもしれないが、挽回できないものではない」ということです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・基本情報技術者をビジネスの観点から さて、再度、統計情報を見てください。前頁「文系のための基本情報技術者」でもいいましたが、文系という種族は、基本情報技術者業界のマーケティングの蚊帳の外にあります。 男性向けショーツくらいの外れっぷりです。 このことが「よくわかる〜」「はじめての〜」系統のテキストや問題集をやり始めてもチンプンカンプンな原因です。 多くの文系・ド素人受験生は、このような構造を知らないまま、基本情報技術者のテキストや問題集を手に、「バカの壁」にぶつかっているのではないかと思うのです。 ですから、ド素人さんは、基本情報技術者の市販テキストや問題集は、脇においておきましょう。 ひとまずは、テキストを読みすすめたり、問題集演習をするよりも、ざっくばらんな読書をして、パソコンやコンピューターについての知識を入手して行く必要があります。 雑多な知識がついてきた頃に、テキスト・問題集に入っていくほうが、内容が理解できます。 ド素人のベンキョのコツは、「自分が無知であることを知り、因って他に活路を見出す」というわけです。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・統計上の「経験がない人」とは、どんなド素人なのか? さて、さきほど、統計情報にでてくる「経験がない人」もいるのだから、未経験でも合格できるといいました。 とはいえ、この「経験がない人」というのは、どのような人なのでしょうか? 当然ですが、「パソコンに触れたことがない」という人ではないでしょうw そこまでのド素人を指して、「経験がない」とはしないはず。 おそらくは、実務経験を指しているでしょう。 −−−−−−−−−−−−−−− ここで、基本情報技術者のスキル標準をみてみましょう。スキル標準とは、コーいう人が受けてみてちょ、という資料のことです。 下の欄の「期待する技術水準」をよく読んでみてください。ここで一番多様されている言葉はなんでしょう? そう、プログラムというコトバなんですよ。 オイラは思うに、上記の「経験なしの人」とは、実務経験がないだけで、実際のところ、プログラムには触れたことがある人ではないか?と思うのです。 基本情報技術者は、プログラマーの育成のための試験でもあります。 プログラマーといえば、プログラムを生業とするものです。 この基本情報技術者のスキル標準を極端に意訳すれば、「プログラムに触れたことがあるかい?」と思っています。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・ド素人はプログラムに触れてみる ド素人は「バカの壁」にぶつかる、と先の方で述べました。 この「バカの壁」という表現を例としてあげたのは、基本情報技術者の勉強を、杓子定規に机上の勉強を続けてしまうことのムダさ加減を表現したかったからです。 正味な話、基本情報技術者とはプログラマーやSEの人(希望者)向けの試験であり、プログラムと切っても切れない関係にあると思います。 −−−−−−−−−−−−−−− わたしは、実質2回の受験で合格できました。 1回目の不合格を受けて、2回目のベンキョは少し変えてみました。 変えたことは、「実際にプログラムをメモ帳やワードパッドに打ち込んでみる」いう作業を増やしたことにあります。 2回目の受験のときは、この「実際にプログラムをメモ帳やワードパッドに打ち込んでみる」いう作業をどんどん続けました。 そうすると、1回目と違って、試験科目の多くの分野で、深く理解できるようになっていました。 午前問題は、計算問題に粘りが出るようになりました。投げ捨てていた計算問題でも、食らいつけるようになりました。 午後問題は、問題文の意味がわかるようになりました。簡単なアルゴリズムが完全に理解できるようになりました。 プログラム問題は、CASLUが得点源になりました。 1回目のときには、薄いJAVAのプログラム初心者本で紹介されていたプログラムを打ち込んでいました。さわり程度でさらっと流しただけです。 であるのに、1回目の試験が、自分では思った以上に点数が取れていたのは、この実際にプログラムを打つ訓練が効いたからと思っています。 ですから、2回目のときは、「実際にプログラムをメモ帳やワードパッドに打ち込んでみる」という作業をメインにして、あまりテキストテキスト、問題集問題集しない勉強をしていました。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・プログラムをテキストエディッタに打ち込む この「実際にプログラムをメモ帳やワードパッドに打ち込んでみる」作業が一番、ド素人に効く作業だと思います。 やってみれば、通常のテキスト・問題集型のベンキョより、スムーズに進むことがわかるんです。 まず、プログラムが動くのは楽しいです。おもしろいです。 次に、ややこしいテキストや問題集を相手にするより、圧倒的にラクです。 また、作業は、1日30分で終わるので、時間的負担が少ないです。 このように、「実際にプログラムをメモ帳やワードパッドに打ち込んでみる」作業は、ド素人にとって、精神的な面、質的な面、生活的な面で、合理的なベンキョ形態をとっていると思います。 テキストと読んでも、問題集を解いても、解説を読んでもピンとこないド素人は、まずは、プログラムに触れることをベンキョの1つにいれてください。 実際の作業の詳細は、プログラム編で述べているのでそちらを読んでください。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ・3重苦への結びの言葉 アタマが固くなっている30歳以降中年組は、無理やりベンキョをするよりも、プログラムをこつこつ打ち込むことでアタマのリハビリになります。 マーケティング外の文系組は、プログラム本を読みながら打ち込むことで、理系書籍の思考に近づくことができます。 受験対象外のド素人は、プログラムを実際に打つことで、なによりもプログラムのおもしろさ、プログラムの動く感動を味わえます。 自分の現状を踏まえ、試験の特質を考察し、そして何よりも「自分が楽しい」ベンキョをしましょう。
1回目のベンキョは、テキストや問題集がメインだったので苦痛でした。わからないわからないの連続でした。 しかし、2回目のベンキョでは、プログラムをチョコチョコ打ち込み、動く楽しさを覚えたのでホント、ラクでした。 カラダやアタマが感じる苦痛には、素直になりましょう。 おそらく、苦痛を感じるのは、その行為が間違っているサインです。 基本情報技術者は、資格試験には珍しく、結果的にベンキョが楽しかった試験でした。プログラムの世界が新鮮だったからです。 中年・文系・ド素人は、受験では間違いなく不利なのですが、その反面、楽しめるという特権があります。 この特権を捨てる必要はありません。 基本情報技術者に焦点を当てたテキストや問題集にこだわらず、一般書籍やプログラム入力など、試験に限定されないベンキョを、どんどん行うのことが、この特権の享受した姿だと思います。 3重苦の人は、基本情報技術者のベンキョを、新たな趣味の開発だと思い、くれぐれも机上のベンキョだけに止めないでください。 それだと人生を損しているんですよ。
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