基本情報技術者不合格体験記

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 基本情報技術者の不合格体験記です。不合格とはいえ、個人的に実りのある不合格でした。文系資格と理系資格との違いがわかり、有意義の経験ができました。

 2005年度春期の基本情報技術者の不合格体験記です。

 こういうとアレですが、不合格になったといえども、オイラ的には限りなく満足の行く試験結果でした。というのも、かつて一度、試験を放棄したことがあったからです。

 使ったテキストと問題集が全く性に合わず、読んでも解いても全く少しもわからず、チンプンカンプンなままであったので、申し込んだはいいが、実際に試験を受けに行くことができなかったのでした。

 こういう苦い経験があったものですから、基本情報技術者の試験を『実際に受ける』ことができた、というのが、成長の証でもあった次第です。

 もっといえば、「やった!試験を受けるところまで漕ぎ着けたぞ!」というのが、本心であったのです。

 そのときの受験では、いくつかの目標があって、①午前・午後の両方の試験を受けること、つまり、途中で帰らないこと。②最後の問題まで解き切ること、つまり、途中で諦めず、何でもいいので掴んで帰ってくること、この2つが目標でした。

午前640点・午後575点

 試験勉強の開始は2月の初旬だったと記憶しています。

 1回目の試験結果は、午前640点・午後575点と、不合格ながら満足が行きました。午前がボーダーを超えていたからです。

 個人的には、試合に負けたが、勝負には勝ったという感が強いです。

 午前のボーダー突破は、『あらま、基本情報技術者も、過去問を丁寧に解いていくことで、なんとかなるのね』と自信を深めることが出来ました。

 試験を受けて良かったことは、なによりも自信がついたこと、そして、情報処理の勉強そのものについての見当が付いたことです。

 例えば、(午前は、過去問演習方式のままでよい。午後は従来のやり方ではダメ)とか、(プログラムの勉強は再検討、もっと試験問題に適うようにしないといけない)などなどです。

 実際に試験を受けて、わからないながらも解答していく中で「今後、何をどうして行けば良いか?」という具体的な道筋が見えたことが大きかったです。

 ぶっちゃけていうと、文系・ド素人という五里夢中の状態で試験勉強を続けてきたわけで、そんな中で、自分自身の経験から引き出された「方針・指針」は、次の試験と合格への原動力となりました。

試験を受けること

 「方針・指針」のほかにも、試験を受けることで得るものは多かったです。

 それは、自分の勉強のムダなところ、無理なところを、改めて体感した次第です。「あーいうことをしていても仕方がないなぁ」という実感を、はっきりとつかんだのでした。

 つまりは、因果関係を現実的に捉えよってことでして、一生懸命やったのに、力を入れたはずなのに、点数が取れないということは、そのやり方が「的外れ」か「不適当」ということに他なりません。

 ならば、あれこれと変えていかねばならないわけで、自分の勉強の進め方を、より現実的に、より試験に適うように調整する契機となった次第です。

 また、一度、試験を受けてみると、試験勉強中にはわからなかったことが、多くあることに気付きます。試験勉強が進んでいないから、という理由で受験は放棄をしないほうがいいです。

 まあ、わたしのように、全く何も、文字も語句もわからないというのは、話が別ですが^^

 受けることでしかわからないものが、必ず、存在します。ホント、1回でも受けてみれば、思った以上に得るものがあります。午前が200点レベルでも、受けるべきだと強く主張します。かつての自分にいってやりたいですね^^;

 「あんだけワケわからん状態でも、点数は取れるんだ!」という、実の経験は強いです。

不合格で学べること

 今回の不合格で学んだことは、返す返す、使用するテキストの選択です。

 午前の得点が合格点をクリアできていたのも、副島さんの「1週間でわかる集中ゼミ・午前編」のおかげだと言わざるを得ません。

 かつて、受験を放棄したときは、上級者用?の全くついていけない、小難しいテキストを使っていた記憶がありました。

 この点で、「集中ゼミ」シリーズは素人向けの説明が多く、素人が陥りやすいミスの紹介があり、すらすらと問題が解けるようになりました。

 基数計算なんて、中学以来、計算式に触れたことのないわたしにとっては、計算問題にかなりの心理的バイアスがありました。が、この「集中ゼミ」を利用することで、抵抗感が和らぎ、加えて、(問題って解けるんだねー)という、確固たる自信を獲得しました。

 今回の基本情報技術者の受験で、「解説の足りない教材は絶対に使わない」「レベルの合わない教材は使わない」という、独学において、最も大切なことを再確認した次第です。

失敗の分析

 勝負には勝ったといえども、もちろん、結果は不合格でしたので、失敗は多々あります。

 今回の最大のミスは、「やり過ぎた」ということです。

 いわば、オーバーワークです。恥ずかしい話、試験を受ける前に、もうすでに燃え尽きていたのです。

 事情はこうです。

 プログラムに選択したCASLⅡのテキスト・問題集をごり押しでやってしまったのです。

 今でも憶えています。自分の部屋だとどうしても集中できなかったので、場所を変えました。

 ファミレスのドリンクバーを利用して、大量のコーラを補給できる環境に身を置きました。

 コーラはカフェインと糖質が莫大に含まれているので、脳を人為的に活性化させる事が出来ます。それをガブ飲みしてのチャレンジ・ザ・CASLⅡでした。

 でも、プログラムのような理解と経験を土壌とする科目は、ごり押しして無理やりアタマに叩き込んでも、効果の程はゼロです。

 理解する土壌がないもんですから、知っている人にとっては簡単でも、わからない人にとっては全く分からず、効率は最悪でした。

 解答を読んでもわからないものをどうしろというのでしょう。

 しかも、問題文の意味も分からないのです。それなのに、プログラムの本文に臨むという暴挙が多々行われました。

 そんな非効率なベンキョを続けてしまったので、一冊やり終えた時点で完全なギブアップ。やる気ゼロになってしまいました。

 このときほど、一度もギブアップをしなかったキン肉マンはえらいなと思ったときもありませんでした。

 基本的なスタンスは「読書百遍、義自ずら現れる」なのですが、無理やり一遍すると、できる萌芽も生まれないまま、終わってしまうことを、無謀な経験とともに学びました。

 ゴリゴリの無理矢理の試験勉強の結果、脳はオーバーヒートして、やる気が全く起きなくなってしまいました。試験の1週間前の追い込みでは、午後には、何も手をつけませんでした。

 最終的な勉強量は、過去問を午前だけ3回程度やり、午後は1問も解かないまま、本試験に臨むことになってしまいました。

 午後は、「解けなかった」というより、「解く気がなかった」というのが率直な表現になります。一片のやる気がありませんでした。

 理解するのに時間がかかるものを、短期間で無理にやろうとしない、ゴリ押ししない、こうした教訓を得ました。不合格とともに。

文系へのアドバイス-文系と理系の「基礎」は違う

 文系の人は、基礎科目の重要性をあまり知らない人が多いのではないかと思います。

 例えば、法学部。憲法を知らずとも民法は勉強できます。例えば、文学部。ある作家の本を一冊も読まなくても、レポートは書けますわな。

 おそらく、ま、経済学部で数学を利用してきた人でない限り、「基礎科目」の存在がしっくり来ないのではないでしょうか?

 文系の人間にとって「基礎」とは、何とでもなるものという意識であるように思います。わたしは超文系でしたので、この「基礎」をホント甘く考えていました。

 しかし、「基本情報技術者」は、理系の資格ですので、「基礎」の比重が重いことを憶えておいて下さい。

 では、基本情報技術者の基礎的な部分とは何か?というと、コンピューター基礎科学の基数計算だと思っています。

 学習の峠というのでしょうか、「基数計算ってこういうことかいな!?」という閃きがあったときが、合否のターニングポイントだったのではと考えています。

 個人的には、第1章の基数計算が出来るようになるにつれて、その他の章の内容を理解できるようになった感がします。

 独学のオキテでは、「わからない箇所は飛ばせ」でしたが、例外もあります。

 基本情報技術者では、基数計算は基本中の基本なので、理解できなければ先へ進むのはやめて、百マス計算のごとく、何度も練習して体得してください。

 基数計算がわからないと、なぜか、他の科目の理解度も落ちる気がしてなりません。いまいち、理解が進まないという人は、もう一度、基本となる基数計算の練習をやり直してください。

 頭で知ってるだけの脆い状態を超えて、自分の血肉となるくらいにまで、到達しておきましょう。だいぶ、わかるようになるかと思います。もっといえば、理解しうる「脳」になるかと思います。「脳のしわ」を増やせ!です。

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