建設業経理士2級 第37回 過去問+解説 第4問 計算・理論 設問2

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『部門費振替表:階梯式配賦法』の問題。階梯式配賦法のやり方を知ってたら解けます。わりかし出る処理なので、処理方法を暗記しましょう。

第4問 設問2‐部門費振替表:階梯式配賦法

 ◇問題◇

 

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解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

ポイント

 本問ですが、そう難しい処理をするわけではないです。

 注意すべきは、「階梯式配賦法」のやり方です。

 まずもって、配賦の順番に気を付けてください。問題文を熟読しましょう。

 んで、2つ目以降の配賦ですが、済んだ奴は、分母に含めないで計算します。

 以上が、階梯式配賦法のポイントです。

補足1

 

 升目を埋める数字は、大概、摘要欄等を眺めたらわかるのですが、上記赤四角のところは、何書くの???となるところです。

 それぞれ、“配賦済み”の「修繕部門」の合計額を、“配賦済み”の「材料管理部門」の合計額を記入します。(たぶん、採点ないと思うので、できなくてもいいですが、過去問に出たことは、甘く見てはいけないので、こういう書き方をするんだと押えておきましょう。)

補足2

 問題文には、「計算の過程におい て端数が生じた場合には、円未満を四捨五入すること。」とあります。

 しかし、建設業経理士2級試験では、余りが出ることがほとんどないです。大概が割り切れます。

 よって、割り切れなければ、どこぞに計算ミスがあったと踏んでいいです。検算をしましょう。

 まあ、ごく稀に、割り切れないときもありますが、本当にないです。ほとんど割り切れます!!!

処理1

 まずもって、最大の注意を払うべきなのが、問題文の「なお、補助部門 費に関する配賦は第 1 順位を運搬部門、第 2 順位を修繕部門、第 3 順位を材料管理部門とする」のところです。

 ここを読み飛ばしたり、誤読したりすると、全部ダメになります。

 読んで字のごとく、配賦は、運搬部門→修繕部門→材料管理部門の順で行います。

 摘要欄を配賦順ごとに埋めて数字を記入すると…、

 

 …となります。

処理2

 では、「運搬部門」から配賦してきましょう。

 資料の「各補助部門の他部門へのサービス提供度合」を見ながら、配賦していってください。

 数字を埋めると…、

 

 …となります。

 ここは、問題ないですね。

 なお、配賦の計算には、「定数計算」をすると便利ですね。

 参考:計算機の小技-定数計算

処理3

 次に、「修繕部門」を配賦しましょう。

 ひとまず、修繕部門に先の運搬部門で配賦された数字を足し算しましょう。

 配賦さえたのは「16,170」なので、「183,805+16,170」で「199,975」が修繕部門の配布額となります。記入すると…、

 

 …となります。やっと、配賦の準備が整いましたな。

 さて、修繕部門の配賦で注意すべきは、先述したように、配賦済の「運搬部門」は、分母に含めない点です

 資料の「各補助部門の他部門へのサービス提供度合」には、「運搬部門」に「5%」の配賦率が載ってますが、これは無視します

 よって、配賦の際の分母は、「100-5」の「95」で計算していきます。

 たとえば、第1工事部門には、「32/95」で配賦するってな次第です。

 資料を見ながら、分母を「95」で配賦していくと…、

 

 …となります。

処理4

 次に、「材料管理部門」を配賦しましょう。

 材料管理部門に、運搬部門と修繕部門の配賦された額を足し算しましょう。

 元は「132,400」なので、「132,400+11,550+8,420」で「152,370」が配賦額となります。記入すると…、

 

 …となります。

 さて、材料管理部門の配賦で注意すべきも、同じです。

 配賦の済んだ「運搬部門」と「修繕部門」は、無視して、分母に含めないで、配賦していきます。

 要は、「運搬部門」の「4」と、「修繕部門」の「6」は、無視するってな次第で、「100-4-6」で「90」を分母で計算していきます。

 資料を見ながら、分母を「90」で配賦していくと…、

 

 …となります。

処理5

 後は、足し算で集計するだけですね。

 各工事部門の数字を足し算します。記入すると…、

 

 …となります。

 ほいで、個々の各工事部門への配賦額を集計すれば、それでおしまいです。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 >>> 次の問題へ。


第37回

 インデックス

第1問:仕訳

 1問:配当支払

 2問:法人税の納付処理

 3問:固定資産の売却

 4問:貸し倒れ

 5問:工事進行基準

第2問:文章問題

 1問:社債の償還

 2問:火災未決算

 3問:材料評価損

 4問:のれん代

第3問 個別問題

 1問:完成工事原価報告書

第4問 理論+計算

 理論問題

 部門費振替表:階梯式配賦法

第5問 精算表

 精算表:インデックス・ポイント

 精算表:設問1

 精算表:設問2

 精算表:設問3

 精算表:設問4

 精算表:設問5

 精算表:設問6

 精算表:設問7

 精算表:設問8

 精算表:設問9

 精算表:設問10

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

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 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

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独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

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建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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