建設業経理士2級 第37回 過去問+解説‐第1問(5)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は、「工事進行基準」の問題です。第37回試験の第1問‐仕訳問題の5問目。毎度おなじみ工事進行基準の問題です。本問では、ちょっとだけ国語の問題があるので、注意してください。

第1問(5)‐工事進行基準

 ◇問題◇

 


 ◇勘定科目群◇

 

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解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、数珠を持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、配偶者にパスタソースをかけるときの方です。

ポイント

 

 

 上記2つは、超絶重要な公式です。建設業経理士では、絶対に出ます。ガチ暗記しましょう。

処理1‐前期までの収益を計算

 おなじみの「工事進行基準」の問題です。

 当該「工事進行基準」は、おおむね2年目なり3年目が舞台なので、前期までの収益を計算する必要があります

 さて、問題文には…、

 「前々期より着工したS工事(請負金額¥30,000,000、工事原価見積額¥25,500,000)について工事進行基準を適用して 収益計上している。」

 「前期において追加工事の発生により、追加請負金として¥3,500,000 を見込み、工事原価見積額につ いては¥2,640,000 増額したうえで収益計上している。」

 …とあります。

 問題文から、請負金額と工事原価の増加のあることがわかります。

 新しい請負金額は、「30,000,000+3,500,000」で「33,500,000」となります。

 んで、新しい工事原価は、「25,500,000+2,640,000」で「28,140,000」となります。

 んで、後半の問題文には、「前期までの工事原価発生額は¥9,849,000」とあります。

 先の公式に数字を入れていくと…

 (33,500,000)*(9,849,000/28,140,000)-0

 (33,500,000)*(0.35)-0

 11,725,000

 …となり、前期までの工事収益は、「¥11,725,000」なことがわかります。

処理2‐当期の収益を計算

 次に、当期の収益を計算します。

 問題文には、「当期において発注者との協議の結果、追加請負金は¥3,550,000 にて合意に至った。」とあります。

 追加請負金は、もともと「¥3,500,000」だったのですが、当期になって「¥3,550,000」となった次第です。

 ここで注意なのは、¥3,550,000が新しく追加されたわけじゃないところです。

 「合意に至った」としか問題文にはないです。追加されたウンヌンの文言がありません。

 ですから、増えた請負金は、実質的に、「3,550,000-3,500,000」の「50,000」ってな次第です。

 ちょいとばかり、国語の問題なので、注意してください。

 んでは、請負金額の修正をしましょう。

 前期までの請負金額は、先に見たように「33,500,000」でした。

 ここに、追加分\50,000を足すと、「33,500,000+50,000」で「33,550,000」となります。

 工事原価ですが、問題文には、「当期の工事原価発生額は¥5,628,000 であった。」とあります。

 んで、先に見たように、前期までの工事原価は、「前期までの工事原価発生額は¥9,849,000」でした。

 工事の総見積原価は、先に修正した「28,140,000」を使います。

 んで、前期までの工事収益は、「11,725,000」でした。

 先の公式に数字を入れていくと…

「33,550,000*(9,849,000+5,628,000/28,140,000)-11,725,000」

「33,550,000*(15,477,000/28,140,000)-11,725,000」

「33,550,000*(0.55)-11,725,000」

「18,452,500-11,725,000」

「6,727,500」

 …と、相なります。

処理3‐仕訳

 問題文には、「当期の完成工事高に関する仕訳を示しなさい」とあります。

 答えの仕訳ですが、「資産」の増加と、「収益」の認識なので…、

 借方:完成工事未収入金 6,727,500

 貸方:完成工事高 6,727,500

 …と、相なります。

こたえ

 記号を付与すれば、答えは…、

 

 …です。

 >>> 次の問題へ。


第37回

 インデックス

第1問:仕訳

 1問:配当支払

 2問:法人税の納付処理

 3問:固定資産の売却

 4問:貸し倒れ

 5問:工事進行基準

第2問:文章問題

 1問:社債の償還

 2問:火災未決算

 3問:材料評価損

 4問:のれん代

第3問 個別問題

 1問:完成工事原価報告書

第4問 理論+計算

 理論問題

 部門費振替表:階梯式配賦法

第5問 精算表

 精算表:インデックス・ポイント

 精算表:設問1

 精算表:設問2

 精算表:設問3

 精算表:設問4

 精算表:設問5

 精算表:設問6

 精算表:設問7

 精算表:設問8

 精算表:設問9

 精算表:設問10

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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