第29回‐仕訳過去問(令和3年9月実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『利益処分』の仕訳。第29回試験の第1問‐仕訳問題の4問目。配当金の支払処理です。公式を暗記してないと解けないので、キッチリ憶えておきましょう。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。

第4問‐利益処分

 ◇問題◇

 


 ◇勘定科目群◇

 

 (クリックして拡大。)

解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、フォークを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフを持ったり、配偶者に塩麴をすり込むときの方です。

処理1

 「配当」を支払うには、おなじみの論点「少ないほう」の公式を、思い出さなくてはなりません。

 当該「少ないほう」の『公式』ですが…、

 ・配当額の合計×1/10

 ・(資本金×1/4)-(資本準備金+利益準備金)

 …のいずれか少ない方を、“積み立てる”ことになります。

 上記公式は、「資本」で数少ない「公式」です。

 「第2問」の計算問題でも出るので、ガチ暗記しておきましょう。

処理2

 上記公式に、本問の数字を代入すると…、

 ・300,000×1/10

 ・(1,000,000×1/4)-(150,000+50,000)

 …となって、

 ・30,000

 ・(250,000)-(200,000)

 …となるので…、

 ・30,000

 ・50,000

 …となります。

 「少ないほう」を積み立てるので、本問では、「30,000」となります。

処理3

 問題文には、「利益剰余金を財源として」とあるので、「利益準備金」に積み立てることになります。

 (なお、仮に、問題文が「資本剰余金」ウンヌンと指示していれば、「資本準備金」に積み立てます。)

処理4

 さて、「配当金」ですが、株主総会時には、まだ支払われていないので、「未払配当金」で処理することになります。

処理5

 積み立てられる「利益準備金」は、「¥30,000」でした。

 配当金ですが、「¥300,000」です。

 取り崩される金額は、「300000+30000」で「330,000」となります。

 後は、勘定科目の選択です。

 「勘定科目群」を見ると、取り崩す資本勘定は、「繰越利益剰余金」くらいしかないことがわかります。これを使いましょう。

 やっと、役者がそろいました。

処理6

 仕訳ですが、「資本」の減少と、「資本」の増加と、「負債」の増加なので…、

 借方:繰越利益剰余金 330,000

 貸方:利益準備金 30,000

 貸方:未払配当金 300,000

 …と相なります。

こたえ

 先の仕訳に、勘定科目の記号を付与すれば、答えは…、

 

 …です。

 >>> 次の問題へ。


必ず!チェック!!

 建設業経理士2級の仕訳問題には、『解答に記号を付す』という、他の簿記試験にはない、固有の特徴があります。

 

 このように、勘定を書く左側に「記号欄」があり、当該記号は「使用勘定科目群」にあります。

 本試験という緊張している時だと、“ついウッカリ”忘れることがあります。

 あまり意味がないので面倒ですが、普段から、記号を記入する訓練をしておきましょう。毎回やっていると、身体が覚えるので、本試験でポカをしません。

第29回

 インデックス

第1問:仕訳

 1問:仕入割引

 2問:売買目的有価証券

 3問:建設仮勘定

 4問:利益処分

 5問:社債発行

第2問:文章問題

 1問:生産高比例法と定額法

 2問:工事進行基準

 3問:手形貸付

 4問:前払利息

第3問 理論+計算

 1問:理論問題

 2問の1:完成工事原価報告書

 2問の2:未成工事支出金残高

 2問の3:間接費配賦差異

第4問 個別問題

 車両関係費予定配賦率

第5問 総合問題

 精算表:インデックス・ポイント

 精算表:設問1

 精算表:設問2

 精算表:設問3

 精算表:設問4

 精算表:設問5

 精算表:設問6

 精算表:設問7

 精算表:設問8

 精算表:設問9

 精算表:設問10

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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