| カテゴリー: 過去のススメ |
もともとは、お勉強や独学についてのブログなのですが、このところ、福島原発がらみの投稿ばかりで、申し訳なく思っております。
が、あまりに、申し伝えたいことが多いので、この場で述べておきたく存じます。
先のブログにて、文部科学省が児童生徒の年間被曝許容量20ミリシーベルトに引き上げた記事を投稿いたしました。
年間20ミリを超える被曝があるようなら登校させないけど、それ以下なら学校へ通わせてもよい、というわけでございます。
20ミリという数は、男性の原発作業員の年間許容量であって、作業員は放射線量を測るシールや各種健康診断等、数々の配慮があってこそのこの数字でございます。
それを、最も放射線の影響を強く受ける児童に適用するなど、とんでもないことだと思っておりました。
児童虐待や児童ポルノについては、こぞって大々的に報道するマスコミでございます。
多くのマスメディアが、この満天下の児童虐待について、報道すると思っておりました。
しかし、ほとんど、そういう動きが「ない」のでございます。
追加的な報道は、タイトルにありますように、原子力安全委員会の代谷誠治委員という人が、半分の10ミリにするよう述べたことぐらいで、内容については、何も述べていないのに等しいのでございます。
知りたいのは、それは、本当に大丈夫なのか、ということでございます。
ぞっとするのは、この基準引き上げについて、教授なり放射線医療の専門家のコメントを、1つも取っていない点でございます。
数少ない大手の報道記事を見てみましたが、ほとんどはプレスリリースもどきであって、似たり寄ったりものでした。
この沈黙が、何を意味するか、でございます。
1つは、あまりに危険だから、専門家からは「危険すぎる」というコメントしか取れず、自粛した。
もう1つは、「10ミリ」「20ミリ」でも、危険ではないから、ベタ記事扱い・コメントゼロでよい、と判断したのでありましょうか。
願わくば、後者であってほしいのですが、おそらく前者でしょう。
穿った物の見方をするなら、子どもに従来の年1ミリの被曝許容量をそのまま適用すれば、福島県では学校教育ができなくなるからでしょう。
東洋経済の記事によりますと、福島県の学校のうち、75%が放射能「管理区域」レベルの汚染になっているとのこと。
http://www.toyokeizai.net/business/society/detail/AC/77b1f6c632e436b9bd3d14d5796877ee/
福島県で教育ができない場合でも、国は義務教育を遂行する義務がありますから、児童生徒を福島県の法令抵触地域から避難させて、いわば、疎開させてでも教育をしなくてはならなくなります。
そうした場合の大きな影響(親から湧き上がる不安、県民の不安、教育のできない土地にした賠償)を勘案して、要するにそんなことはできないから、「10ミリ」でも教育できるように、基準を引き上げるのでしょう。
簡単に言えば、行政の都合と賠償額の減額が目的と考えられます。だれが、学校の行けない土地にマイホームを建てるでしょうか。
法令上、教育ができない土地になった場合、賠償の対象とならざるをえません。だから、基準を上げる、と考えられなくもありません。
将来の賠償を減らすためだとしたら、子どもの命と健康を危険に晒す国のやり方には、憤りしか感じられません。
そして、このことについての報道の少なさと沈黙の故に、どれほどこの基準引き上げが危険なのか、ありありと感じている次第でございます。
いざとなれば、こういうことをする行政と国であり、沈黙を続けるマスメディアと専門家に、心から軽蔑を感じております。
子どもがいて、義務教育と文部科学省がある。義務教育と文部科学省があるから、子どもがいるわけでは、絶対にない。太古から子どもはいた。
わたし1人の杞憂で終わればいいのですが、何とも心苦しいものがございます。
悪いことが起きないことを、祈るのみでございます。
2011年4月15日 7:10 PM
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