第33回試験の第5問『精算表』の設問11を解説するページです。当該設問は、「法人税、住民税及び事業税」と「当期純利益」と「仮払金」を処理する問題です。すべての仕訳・処理・転記・集計が正しくないと、正解を導けないところです。こういうとアレですが、「おまけ」程度に考え、深追いしない方が賢明です。他の設問を仕上げてから、または、他の問題をチェックして、時間が余るようなら、着手するとよいでしょう。わたしは、「捨て問」候補にします。
◇問題◇
◇問題全文◇
◇解答用紙◇
(クリックして拡大。)
結論から言うと、当該設問の「仕訳はこちら」です。
繰り返しますが、すべての作業が正確でないと、正解が導けません。
時間に余裕があるなら、「やる」くらいが妥当と思います。
言うは安し、行うは難しですが、設問ごとの仕訳を解答用紙に転記して、当期の税引き前純利益を計算します。
個人的なアドバイスですが、最初の1回目は、絶対にどこかが間違っているので、もう一度、仕訳をやり直して、間違いないことをチェックしてから、税引き前利益の計算に入りましょう。
んで、もし、①~⑩で処理できないものがあれば、正解は、絶望的です。
さっさと、「捨て問」にして、部分点をガッチリ取りましょう!
さて、損益計算書から税引前当期純利益(損益)を求めます。
「収益」の合計は、「12,323,400」です。
「費用」の合計は、「12,003,400」です。
「12,323,400-12,003,400」で「320,000」となります。これが「税引前当期純利益」です。
問題文には、「当期の法人税、住民税及び事業税として税引前当期純利益の30%を計上する。」とあります。
んなもんで、「320,000*0.3」は、「96,000」となります。
当該「96,000」が当期の「法人税等」となります。
んで、「320,000-96,000」の「224,000」が「税引後当期純利益」となります。
これでようやく、「仮払金」の処理ができます。
「精算表:設問3」の②で見たように、中間納付をしています。
設問3の②の問題文には、「¥25,000 は法人税等の中間納付額である」とあります。
よって、当該「仮払金」を、ここで処理することになります。
まずもって、「法人税等」を計上しましょう。
費用の認識と、負債の増加なので、仕訳は…、
借方:法人税等 96,000
貸方:未払法人税等 96,000
…と、相なります。
支払う税額は「96,000」ですが、中間納付額「25,000」を引くと、「96,000-25,000」で、実質的な、未払い分は「71,000」となります。
費用の認識と、資産の減少と、負債の増加なので、仕訳は…、
借方:未払法人税等 25,000
貸方:仮払金 25,000
…と、相なります。
仕訳を合体します。
借方:法人税等 96,000
貸方:未払法人税等 96,000
借方:未払法人税等 25,000
貸方:仮払金 25,000
…となります。
借方・貸方を整理します。
借方:法人税等 96,000
借方:未払法人税等 25,000
貸方:未払法人税等 96,000
貸方:仮払金 25,000
…となります。
上記仕訳を整理記入に書きます。
後は、各項目の集計等をしていけば、精算表の処理が終わります。
上記仕訳ですが、敢えて、あんな風に書いています。
借方・貸方で重複する「未払法人税等」を相殺消去しても、結構です。
そうすっと…、
借方:法人税等 96,000
貸方:未払法人税等 71,000
貸方:仮払金 25,000
…となります。
当該設問の仕訳は、「こちら」です。
あと、念のために、問題全体の答えですが…、
…こうなっています。
過去問は、以上です。お疲れ様でした!
結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。
当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。
公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。
PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。
なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。
アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。
とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。
受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。
教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、
簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。
簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、
過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。
建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。
建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。
合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。
★みんなとシェアする