第33回‐仕訳過去問(令和5年9月実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『建築仮勘定』の仕訳。第33回試験の第1問‐仕訳問題の2問目。過去に何度も何度も問われている基本論点です。テキストと過去問を繰り返して、確実に取れるようになっておきましょう。

第2問‐建築仮勘定

 ◇問題◇

 


 ◇勘定科目群◇

 

 (クリックして拡大。)

解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、スマホを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、スマホをいじったり、配偶者にコショウを振るときの方です。

処理1‐以前の処理

 問題文には、「本社事務所の新築工事が完成し引渡しを受けた。契約代金¥21,000,000 のうち、契約時に¥7,000,000 を現金で支払っており、残額は小切手を振り出して支払った。」とあります。

 まずは、前払い分の処理を見ていきます。

 建物建設等の前払い的な支払いは、おなじみ「建設仮勘定」を使います。

 支払いは、現金となっています。

 仕訳ですが、「資産の増加」と「資産の減少」なので…、

 借方:建設仮勘定 7,000,000

 貸方:現金 7,000,000

 …と相なります。

 こうした次第で、「借方」に「建設仮勘定」が「7,000,000」計上されていることがわかりました。

処理2‐引き渡し時の処理

 建物の引き渡し時の処理を行います。

 問題文には、「本社事務所の新築工事が完成し引渡しを受けた」とあります。

 当該事務所ですが、「勘定科目群」を見ると、「建物」とあるので、これを使うことがわかります。

 引き渡された「建物」は、問題文には「契約代金¥21,000,000」とあるので、この金額で計上します。

 仕訳は、「資産」の「増加」なので…、

 借方:建物 21,000,000

 …と相なります。

処理3‐支払処理

 建物の引き渡しの際の、支払処理を見ていきます。

 「残額は小切手を振り出して支払った」とあります。

 支払い分は、前払い分を、つまりは、「建設仮勘定」の金額を除いたものになります。

 「建設仮勘定」は、¥7,000,000です。

 んなもんで、「21,000,000-7,000,000」の「14,000,000」となります。

 小切手で支払いとあるので、勘定科目は、「当座預金」となります。

 仕訳は、「資産」の「減少」なので…、

 貸方:当座預金 14,000,000

 …と相なります。

処理4‐最後

 「建物」の引き渡しを受けたので、「建設仮勘定」を振り替えます。

 「借方」に計上されていた「建設仮勘定」の振り替えを行います。

 仕訳は、「資産」の「減少」で…、

 貸方:建設仮勘定 7,000,000

 …と相なります。

処理5

 仕訳をまとめると…、

 借方:建物 21,000,000

 貸方:当座預金 14,000,000

 貸方:建設仮勘定 7,000,000

 …といった塩梅です。

 後は、それぞれの記号を、「勘定科目群」から探して、付記するだけです。

こたえ

 記号を付せば、答えは…、

 

 …となります。

 >>> 次の問題へ。


必ず!チェック!!

 建設業経理士2級の仕訳問題には、『解答に記号を付す』という、他の簿記試験にはない、固有の特徴があります。

 

 このように、勘定を書く左側に「記号欄」があり、当該記号は「使用勘定科目群」にあります。

 本試験という緊張している時だと、“ついウッカリ”忘れることがあります。

 あまり意味がないので面倒ですが、普段から、記号を記入する訓練をしておきましょう。毎回やっていると、身体が覚えるので、本試験でポカをしません。

第33回

 インデックス

第1問:仕訳

 1問:別途積立金取り崩し

 2問:建築仮勘定

 3問:社債

 4問:固定資産の保険処理

 5問:完成工事補償引当金

第2問:文章問題

 1問:棚卸減耗

 2問:工事進行基準

 3問:総合償却法(加重平均法)

 4問:賞与引当金

第3問 個別問題

 1問:部門費振替表

第4問 理論+計算

 理論問題

 工事別原価計算表

第5問 総合問題

 精算表:インデックス・ポイント

 精算表:設問1

 精算表:設問2

 精算表:設問3

 精算表:設問4

 精算表:設問5

 精算表:設問6

 精算表:設問7

 精算表:設問8

 精算表:設問9

 精算表:設問10

 精算表:設問11

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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