行政書士を今後受けようかと考えている方への雑文。弁護士すら廃業する、法的ニーズの少ない時代。よほどに商才と人脈と地縁がない限り、行政書士は成功しない。
| カテゴリー: 資格の就職・転職事情 | Tags: 行政書士
弁護士は、数年前から、食えなくなった・食えなくなったと言われてました。
わたしも、情報として弁護士事情を、知ってはいました。
「法科大学院(ロースクール)の設立により、司法試験の合格率がアップ→弁護士が過剰に供給+景気悪化で需要低下+単価下落→食えなくなった」ということを。
でも、実感はなかったのです。
資格の最高峰の弁護士なのだから、食えないとはいっても、以前のような高収入ではなくなっただけだろう、と思っていました。
しかし、知り合いのWebデザイナーから、「数年前に請け負った弁護士のWebサイトのうち、もう半数の弁護士と連絡が取れなくなった」ことを耳にしたのです。
この時代、商売しようとしてホームページを持たないのは、車を持たずに運送屋を始めるようなもの。
要するに、廃業です。
要は、行政書士の受験生は、弁護士の廃業者が出てくるほど、法律的な需要が少なくなっている状況を知っておくべき、という寸法です。
『オレは弁護士だ!!行政書士の仕事をするのは、プライドが許さない!!』といって、先の、Webサイトの更新費用すら払えなくなった弁護士は廃業したのでしょうか?
しかし、弁護士になるには、とんでもないコストがかかっています。
法科大学院時代の2~3年間は、時間が勉強に取られるので、その間の生活費を負担します。月15万としても、3年で540万です。
そして、大学院への総額300万近い学費を払い、加えて、予備校代(1科目10~20万強)を費やします。
そのうえ、合格しても、司法修習生は無給。(以前は官費で給料がもらえてました)
実家暮らしとしても、最低でも500万以上のコストを費やして弁護士になっているのです。
行政書士の仕事だからやれねーよ!と言うでしょうか?
普通は、言わないでしょう。生活どころか、人によっては借金返済がかかっているのですから。
火がついているにもかかわらず廃業していくのは、それほどにまで法的なお金を取れるニーズがなく、応じて、「行政書士にも仕事がない」ことを暗に示しています。
もっといえば、新しい行政書士に回るほど、仕事はないと考えて間違いはありません。
行政書士は、以前はカンタンな部類に入る、ぶっちゃけ、公務員試験の力試しに使われるくらいの試験でしたが、今では難関資格に数えられています。
自己啓発や法律の勉強がしたいのなら、行政書士の受験は別に構いません。
しかし、心の片隅に、本気で独立開業を考えていたり、いざとなったら開業だ!的な保険を見ていたりするなら、日本政策金融公庫の融資が通るくらいの、事業プランを練ってからにしても、絶対に遅くありません。
弁護士ですら廃業するほどの需給状態です。下位互換資格の行政書士は、よほどに人脈と縁とコネと、それらを内包する商才がないと絶対に成功しません。
知り合いの行政書士で開業して成功した例は、こんな感じです。
おじが建築会社をやっていて、そこから、建設業関連の仕事を請け負っている行政書士。
学生時代から海外旅行や留学を繰り返していたので、外国人の知り合いが多く、そこからの人脈でビザや帰化手続きを生業にしている行政書士。彼はマンションを買いました。
実家が田舎の酒屋で地域の中心なので、そのあたりから法的需要(相続など)を汲んでいる行政書士。
陸運関係に強い、バイク便をしている行政書士。
「需要が目に見えて、手を伸ばせば届くくらい」の見通しがないと、厳しいってことです。
保険的な意味で資格を取るなら、男性なら「第2種電気工事士」か「乙4」、女性なら「宅建士」か「通関士」の方が、行政書士の何倍も当てになることを、述べ置きたいと思います。
正直、わたしは今、行政書士を受けないです。行政書士で苦労するくらいなら、電験3種を取るでしょう。
2015年4月15日 1:17 PM
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