第36回試験の第5問『精算表』の設問4を解説するページです。当該設問は、「減価償却」を処理する問題です。基礎・基本的なものばかりなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。
◇問題◇
◇問題全文◇
◇解答用紙◇
(クリックして拡大。)
結論から言うと、当該設問の「仕訳はこちら」です。
おなじみ「減価償却」の処理です。
カンタンな計算問題です。落ち着いて計算しましょう! ① ② ③ 建設仮勘定 適切な科目に振替えた上で、以下の事項により減価償却費を計上する。 当期 10 月日に完成した本社事務所(取得原価 ¥154,000 残存価額 ゼロ 耐用年数 22 年 減価償却方法 定額法)
問題文には…、
「機械装置(工事現場用) 実際発生額 ¥30,000」
「なお、月次原価計算において、月額¥2,200 を未成工事支出金に予定計上している。当期の予定計上額と実際発 生額との差額は当期の工事原価(未成工事支出金)に加減する。」
…とあります。
年額の減価償却費を計算すると、「月額¥2,200」なので、「2,200*12」で「26,400」となります。
先に見たように、実際発生額は、「¥30,000」です。
差額は、「30,000-26,400」で「3,600」の償却不足となっています。
その不足分は、「未成工事支出金」に、計上します。
仕訳を切ると…、
借方:未成工事支出金 3,600
貸方:機械装置減価償却累計額 3,600
…と、相なります。
落ち着いて、指差し確認をしながら、「整理記入」に、転記してください。
②の備品ですが、問題文には…、
「② 備品(本社用)」
「取得原価 ¥108,000 残存価額 ゼロ 耐用年数3年 減価償却方法 定額法」
「なお、このうち¥36,000 については当期8月1日に取得したものである。」
…とあります。
(本社用)となっているので、当然、工事原価には含めず、ふつうに処理します。
まずもって、古い備品と新しい備品を分けましょう。
なお書きから、¥36,000が新しい備品です。
そうすっと、古い備品は、「108,000-36,000」の「72,000」となります。
「解答用紙」の「備品減価償却累計額」は、当該古い備品のものとわかります。
処理は、定額法の3年です。「72000/3」で「24,000」が古い備品の償却額となります。
仕訳を切ると、「費用」の認識と、「負債」の増加なので…、
借方:備品減価償却費 24,000
貸方:備品減価償却累計額 24,000
…と、相なります。
次にやるのは、新しい備品の処理です。
問題文には、「なお、このうち¥36,000 については当期8月1日に取得したものである。」とあります。
問題の一番最初の方に、「会計期間は1年(4月1日から3月31日)である」と記されています。
んなもんで、当該備品を使ったのは、8カ月なことがわかります。
処理の方法は、先と同じく定額法の3年で、8ヶ月分だけ償却します。
「36,000/3*8/12」の「8,000」が新しい備品の償却額です。
仕訳を切ると、「費用」の認識と、「負債」の増加なので…、
借方:備品減価償却費 8,000
貸方:備品減価償却累計額 8,000
…と、相なります。
2つの仕訳を合計すると…、
借方:備品減価償却費 32,000
貸方:備品減価償却累計額 32,000
…と、相なります。
落ち着いて、指差し確認をしながら、「整理記入」に、転記してください。
③ですが、問題文には…、
「建設仮勘定 適切な科目に振替えた上で、以下の事項により減価償却費を計上する。」
「当期10月1日に完成した本社事務所(取得原価 ¥154,000 残存価額 ゼロ 耐用年数 22 年 減価償却方法 定額法)」
…とあります。
建設仮勘定は、「解答用紙」を見ると、「154,000」あります。
完成したのですから、振替処理をします。仕訳は…、
借方:建物 154,000
貸方:建設仮勘定 154,000
…と、相なります。
「当期10月1日に完成した」とありますから、使用したのは、「6カ月」です。
耐用年数 22 年の定額法処理です。
「154,000/22*6/12」の「3,500」を償却します。
「解答用紙」を見ると、「建物減価償却費」と「建物減価償却累計額」とがあるので、これを使うことがわかります。
仕訳は、「費用」の認識と、「負債」の増加なので…、
借方:建物減価償却費 3,500
貸方:建物減価償却累計額 3,500
…と、相なります。
落ち着いて、指差し確認をしながら、「整理記入」に、転記してください。
以上で、「4」の処理が終了です。
当該設問の仕訳は、「こちら」です。
あと、念のために、問題全体の答えですが…、
…こうなっています。
結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。
当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。
公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。
PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。
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とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。
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教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、
簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。
簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級
」を…、
過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級
」を使えばよいでしょう。
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考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。
建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。
合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。
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