建設業経理士2級 第36回 過去問+解説 第4問 計算・理論 設問1

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『材料の払出単価』の問題。先入先出法、移動平均法、総平均法の各計算がクソ面倒なだけで、難しい処理はありません。落ち着いて、計算してください。そこそこ時間がかかるので、「後回し」でやるのも、一手です。本試験で、どういう順番で問題を解けばいいかの予行演習をしてください。難易度は、「ふつう」です。

第4問 設問1‐材料の払出単価

 ◇問題◇

 

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解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 落ち着いて計算してください。

ポイント

 試験的なことを言うと、本問は、処理そのものは簡単なのですが、計算に手間取ります。

 ですから、本試験では、すぐに答えの出る問い3の総平均法だけやって、次の第5問精算表に進みましょう。

 精算表の方が部分点が取れます。

 本問で時間が取られて、精算表を解く時間が無くなる方がリスクです。

 精算表を終えてから、解いてない問い1と問い2をやった方がいいです。

問い1

 

 移動平均法ですが、移動平均法ですが、受け入れの都度、払い出し単価を計算する方法です。

 言葉にすると面倒ですが、述べていきます。

 まず、2日の受け入れで、個数は「100+400」で「500」となり、金額は「20000+90000」の「110000」となります。

 単価は、「110000/500」で「@220」となります。

 3日に払い出しがあるので、その処理をします。

 300個の払い出しですが、「@220」で計算して、「300*220」の「66,600」となります。

 在庫は、「500-300」で「200」個となります。

 9日に、「800個」で「@230」の受け入れがあります。

 「800*230」なので、金額は「184,000」です。

 在庫は「200」個で、金額は「200*220」で「44,000」です。

 個数は「800+200」で「1000」個に、金額は「184,000+44,000」で「228000」となります。

 単価は、「228000/1000」で「@228」となります。

 11日に450個の払い出しがあるので、その処理をします。

 単価は、「@228」なので、「450*228」で「102,600 」となります。

 在庫は、「1000-450」で「550」となります。

 16日に300個の払い出しがあるので、その処理をします。

 単価は、「@228」なので、「300*228」で「68,400」となります。

 在庫は、「550-300」で「250」となります。

 18日に150個の払い出しがあるので、その処理をします。

 単価は、「@228」なので、「150*228」で「34,200」となります。

 在庫は、「250-150」で「100」となります。

 23日に、「700個」で「@230」の受け入れがあります。金額は、「700*220」で「154,000」となります。

 在庫は、「100」で「228」なので、金額は「22,800」となります。

 個数は、「700+100」の「800」個です。

 金額は、「154,000+22,800」の「176,800」です。

 単価は、「176,800/800」の「221」です。

 26日に500個の払い出しがあるので、その処理をします。

 単価は、「@221」なので、「500*221」で「110,500」となります。

 在庫は、「800-500」で「300」となります。

 29日に250個の払い出しがあるので、その処理をします。

 単価は、「@221」なので、「250*221」で「55,250」となります。

 在庫は、「300-250」で「50」となります。

 答えは、「A:66,600」「B:102,600」「C:68,400」「D:55,250」となります。

問い2

 

 先入先出法ですが、読んで字のごとく、古いものを先に出したとして計算する方法です。

 受け入れと払い出しをまとめたのが上記の画像となります。

 コツコツ計算していってください。

 言葉にすると面倒ですが、述べていきます。

 在庫は、期首の100個の@200で「20,000」となります。

 まず、2日の受け入れです。

 400個に@225なので、金額は、「90,000」となります。

 3日に払い出しがあるので、その処理をします。

 300個の払い出しですが、そのうち100個は、期首在庫を払い出します。期首の100個の@200で「20,000」となります。

 残り200個は、@225の在庫となります。「200*225」で「45000」となります。

 合計額は、「20000+45000」の「65,000」です。

 在庫は、200個の@225で、金額は、「45,000」です。

 9日に、「800個」で「@230」の受け入れがあります。

 「800*230」なので、金額は「184,000」です。

 在庫は、先の200個@225の金額「45,000」と、当該受入のものとなります。

 11日に450個の払い出しがあるので、その処理をします。

 450個のうち、200個は@225の金額「45,000」が先に払い出されます。

 残り250個は、「@230」の受け入れたものを当てます。

 金額は、「250*230」で「57,500」です。

 合計額は、「45,000+57,500」で「102,500」です。

 在庫は、550個@230で「126,500」となります。

 16日に300個の払い出しがあるので、その処理をします。

 在庫は、550個@230で「126,500」のを使います。

 「300*230」で「69,000」となります。

 在庫は、550-300で「250個」で、@230なので「57,500」となります。

 18日に150個の払い出しがあるので、その処理をします。

 150個で@230なので、「150*230」の「34,500」となります。

 在庫は、100個@230で「23,000」です。

 23日に、「700個」で「@230」の受け入れがあります。金額は、「700*220」で「154,000」となります。

 在庫は、100個@230で「23,000」のと、今回受け入れたものとなります。

 26日に500個の払い出しがあるので、その処理をします。

 500個のうち100個は、@230で、「23,000」となります。

 残る400個は、@230のものとなり、金額は、「400*230」の「88,000」となります。

 合計額は、「23000+88000」の「111,000」となります。

 在庫は、700-400の「300個」で@220、金額は、「66,000」となります。

 29日に250個の払い出しがあるので、その処理をします。

 在庫の単価は、@220です。「220*250」で金額は、「55,000」となります。

 在庫は、「300-250」で「50」となります。

 本問では、 101 号工事の材料費が問われています。

 101号工事は、3日、18日、29日で、それぞれ、「65,000」、「34,500」、「55,000」となります。

 合計額は、「65,000+34,500+55,000」の「154,500」となります。

問い3

 

 総平均法は、一番カンタンです。

 上記画像のように、受け入れ数と受け入れ金額とを集計します。

 受け入れ数量は、「100+400+800+700」の「2000」個です。

 受け入れ金額は、「20,000+90,000+184,000+154,000」の「448000」です。

 単価は、「448000/2000」の「@224」となります。

 残っているのは、「50個」です。

 ですから、「224*50」の「11,200」が答えとなります。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 >>> 次の問題へ。


第36回

 インデックス

第1問:仕訳

 1問:資本準備金

 2問:公社債の買い入れ

 3問:消費税処理

 4問:資本的な修繕

 5問:工事進行基準

第2問:文章問題

 1問:材料費

 2問:銀行残高

 3問:本支店会計

 4問:未払賃金

第3問 個別問題

 1問:

 2問:工事別原価計算表

第4問 計算計算

 材料の払出単価

第5問 精算表

 精算表:インデックス・ポイント

 精算表:設問1

 精算表:設問2

 精算表:設問3

 精算表:設問4

 精算表:設問5

 精算表:設問6

 精算表:設問7

 精算表:設問8

 精算表:設問9

 精算表:設問10

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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