第2種電気工事士の学科試験の法令科目「電気事業法」の小規模発電設備の定義は頻出事項です。本ページでは、太陽電池発電設備、水力発電設備、風力発電設備、内燃力発電設備、スターリングエンジン発電設備(作動ガスは不燃性ガス使用)、燃料電池発電設備(高分子型または固体酸化物型)、燃料電池自動車(家庭に給電するもの)のポイントや憶え方、語呂合わせを見ていきます。
第2種電気工事士の法令「電気事業法」で頻出の「小規模発電設備」の憶え方とコツです。
結論から言うと、語句は「日・水・風・ムズカシ系」の語呂で、そして、数字は「50=20+20+10」という足し算で憶えます。
電気事業法で定義されている「小規模発電設備」とは、600V以下で……、
①太陽電池発電設備で、出力50kw未満。
②水力発電設備で、出力20kw未満。
③風力発電設備で、出力20kw未満。
④内燃力発電設備、スターリングエンジン発電設備(作動ガスは不燃性ガス使用)、燃料電池発電設備(高分子型または固体酸化物型)、燃料電池自動車(家庭に給電するもの)で、出力10kw未満。
…となっています。
ひとまず、上記語句と数字(出力○○未満)のところを憶えていきましょう。
なお、後述しますが、内燃力発電設備以下の小難しいものの名称は、ざっくり押さえておけばいいです。 2電工試験では、細かいところまで突っ込まれないと思います。
さて、上述した「小規模発電設備」のうち、太陽電池発電設備と風力発電設備は、令和5年度の法改正で「小規模事業用電気工作物」という論点が追加されました。
「第2種電気工事士 学科 法令 小規模発電設備のポイント列挙と予想問題」の方も、必ず一読願います。
語呂合わせの「日・水・風・ムズカシ系」ですが、詳細は…、
日・・・お日様→太陽→太陽光電池発電設備。
水・・・“水”力発電設備。
風・・・“風”力発電設備。
ムズカシ系・・・内燃力発電設備、スターリングエンジン発電設備(作動ガスは不燃性ガス使用)、燃料電池発電設備(高分子型または固体酸化物型)、燃料電池自動車(家庭に給電するもの)といった小難しい奴。
…ってな塩梅です。
「ムズカシ系」ですが、読んで字のごとく、内燃力発電設備、スターリングエンジン発電設備(作動ガスは不燃性ガス使用)、燃料電池発電設備(高分子型または固体酸化物型)、燃料電池自動車(家庭に給電するもの)といった小難しい字面のものをまとめて、「ムズカシ系」と一括りにしました。
先述しましたが、「ムズカシ系」ですが、第2種電気工事士では、括弧書きのところまでは、突っ込まれないと思います。
つまり…、
「スターリングエンジン発電設備(作動ガスは“可燃性”ガス使用)」とか…、
「燃料電池発電設備(“低”分子型または“液体”酸化物型)」といった…、
…出題は、まずもって「ない」と思います。
ですから、括弧書きのところまで、無理して押さえなくていいでしょう。個々の発電設備の名称を見ておけばいいと思います。
数字の暗記は、「50=20+20+10」で憶えます。
それぞれの数字は、発電設備の数字に該当します。
「50」は、「太陽電池発電設備」の「出力“50”kw未満」に該当します。
「20」は、「水力発電設備」で、「出力“20”kw未満」に該当します。
「20」は、「風力発電設備」で、「出力“20”kw未満」に該当します。
「10」は、「内燃力発電設備、スターリングエンジン発電設備(作動ガスは不燃性ガス使用)、燃料電池発電設備(高分子型または固体酸化物型)、燃料電池自動車(家庭に給電するもの)」の「出力“10”kw未満」に該当します。
つまりは、「50(太陽)=20(水力)+20(風力)+10(ムズカシ系)」という次第です。
「日・水・風・ムズカシ系」と「50=20+20+10」を組み合わせて憶えてください。
んでは、先の憶え方を元に、過去問とひっかけ問題を、見ていきましょう。
「小規模発電設備」の典型的な出題が「R1上期学科 30問‐一般用電気工作物」の選択肢イです。
選択肢イでは、「60kwの太陽電池発電設備」が問われており、これが、「小規模発電設備」に該当するかどうかを問うています。
問題文の余白に、「日水風ムズカシ系」と「50=20+20+10」などとメモ書きすれば、解けます。
「太陽電池発電設備・・・出力50kw未満のもの」です。
設問では、「60kw」となっているので、「×」といった次第です。
たとえば、太陽電池発電設備なら、「出力50kw未満」です。
しかし、クソ「ひっかけ」が出ているので、注意してください。
「出力」が、「入力」に、なっているときがあります。
たとえば、「“入”力50kwの太陽電池発電設備は(略)」などと、出題される可能性があります。
当然、「×」です。
本試験という焦っているときだと、「出力」と「入力」の違いに気づかないこともあるので、注意してください。
たとえば、太陽電池発電設備なら、「出力50kw未満」です。
「未満」が、「以下」や「以上」、「超」に、なっているときがあります。
たとえば…、
「出力50kw“以下”の太陽電池発電設備は、小規模発電設備である」とか…、
「出力50kw“以上(または、超)”の太陽電池発電設備は、小規模発電設備である」などと…、
…出題される可能性があります。
単位が異なると、意味がまったく異なってきます。
「未満」の単位も、読み落としやすいので、注意してください。
たとえば、太陽電池発電設備なら、「出力50kw未満」です。
具体的な数字が問われることがあります。
たとえば、「出力50kwの太陽電池発電設備は、一般用電気工作物である」などと、出題される可能性があります。
「×」です。
「未満」は、その数字を含みません。
言うなれば、出力49.999…kwまでの太陽電池発電設備が、「小規模発電設備」となります。
選択肢のいう「出力50kwの太陽電池発電設備」は、「小規模発電設備」に該当しません。
閾値の取扱いも、試験に出るので、「以下・以上・未満・超える」で、用語の使い方を押えておいてください。
先に挙げた小規模発電設備以外の発電装置には、注意してください。
むちゃくちゃなたとえですが、「出力10kW未満の“ハイドロジェミニコスモ発電設備”は、小規模発電設備である」なんて問題は、「×」となります。
「ハイドロジェミニコスモ発電設備」という文言は、先のリストに「ない」からです。わけのわからん発電設備に惑わされないようにしましょう。
次に、過去問で、「出力25kwの非常用予備発電装置は、小規模発電設備か?」という選択肢が出ました。
「非常用予備発電装置」は、先のリストに「ない」ですし、また、これが何を指しているのか不明なので、極めて「×」です。
また、仮に、「非常用予備発電装置」が、先の「ムズカシ系」の「燃料電池発電設備」などに該当するとしても、10kw未満でないと小規模発電設備にならないので、数字の点でも「×」です。
(アレ、こんな発電装置、テキストで見たことがないぞ)と思ったら、その発電装置は、出題者の出したフェイク(はったり)じゃないのか?と判断してください。
こんな風に、テキストにはない発電設備で問われることもあるので、テキストをシッカリ読んでおいてください。
小規模発電設備については、以上です。
なお、勉強方法等は「第2種電気工事士の独学」を…、
独学向け教材については、「筆記試験の教材」と「技能試験の教材」をばお目汚しください。
2016年2月27日 11:27 AM
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