本問は、『完成工事原価報告書』です。仕訳とT字勘定の意味の理解を問うている問題です。また、個々のT字勘定の繋がりも、問われています。シッカリ理解してください。できる人には、カンタンですが、計算ミスが怖いです。検算しながら解いていきましょう。
◇問題◇
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結論から言うと、「答えはこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」です。
資料と解答用紙を熟読すれば、単純に、資料の数字を計算するだけなことがわかります。
正直、難しい処理はありません。
最も怖いのは、計算ミス。落ち着いて計算してください。
まずは、解答用紙の1番目にある「未成工事支出金」から着手しましょう。
借方の「前期繰越」は、「資料」にある「工事原価期首残高」に該当します。
「資料」の材料費・労務費・外注費・経費の「工事原価期首残高」を集計して、記入してください。
括弧書きの「人件費」は、完成工事原価報告書に使います。ここでは、計算しません!
「未成工事支出金」を続けます。
借方の材料費・労務費・外注費・経費は、「資料」の「当期の工事原価発生額」の個々の数字を記入していくだけです。
「資料」を指差し確認しつつ記入してください。
焦って、「工事原価次期繰越額」の方の数字を書かないようにしましょう。
先と同様に、括弧書きの「人件費」は、完成工事原価報告書に使います。ここでは、計算しません!
「未成工事支出金」を続けます。
借方の集計をします。「17,230,000」となります。
「未成工事支出金」を続けます。
借方が終わったので、貸方の方に入ります。
「次期繰越」は、「資料」の「工事原価次期繰越額 」が該当します。
「工事原価次期繰越額」の材料費・労務費・外注費・経費を集計すると、「3,560,000」となります。
貸借は同額となりますから、貸方の合計額も、借方同様に「17,230,000」となります。
差額を求めると、「17,230,000-3,560,000」で、「13,670,000」となります。
当該金額は、繰越されないもの、つまりは、完成したものなので、「完成工事原価」に振り替えられます。
仕訳で表すと…、
借方:完成工事原価 13,670,000
貸方:未成工事支出金 13,670,000
…となります。
当該「完成工事原価」の記号は、「E」です。
数字・記号を書き入れたら、「未成工事支出金」は、終了です。
「完成工事原価」に入ります。
当該完成工事原価のT字勘定の借方は、先の仕訳を考えるとすぐわかります。仕訳は…、
借方:完成工事原価 13,670,000
貸方:未成工事支出金 13,670,000
…でした。
んなもんで、記号は、「未成工事支出金」の「D」となります。
んで、当該完成工事原価が向かう先は、「損益」です。記号は、「F」となります。
仕訳で表すと…、
借方:損益 13,670,000
貸方:完成工事原価 13,670,000
…となります。
「完成工事高」に入ります。
工事が完成したときの売り上げ認識の仕訳を考えましょう。
解答用紙から、期中では…、
借方:完成工事未収入金 15,500,000
借方:××× ??????
貸方:完成工事高 17,500,000
…くらいの仕訳が切られたことがわかります。
そこで、「×××」が何に当たるかを考えるわけですが、<勘定科目群>を見ると、「B 未成工事受入金」があります。
前もって工事代金の一部を受け取っていて、工事完成の際に、振り替えたんだなーとの推測が立ちます。
こうした次第で、「×××」のところは、「未成工事受入金」で、記号は、「B」となります。
「??????」のところは、借方と貸方の差額「17500000-15500000」の「2,000,000」と求めることができます。
よって…、
借方:完成工事未収入金 15,500,000
借方:未成工事受入金 2,000,000
貸方:完成工事高 17,500,000
…といった次第となります。
T字勘定:貸方側に、「B」と「2,000,000」と記入しましょう。
次に、T字勘定:借方側に進みます。
借方ですが、「完成工事高」が向かう先(振り替えられるところ)は、「F」の「損益」です。仕訳で表すと…、
借方:完成工事高 17,500,000
貸方:損益 17,500,000
…となります。
「販売費及び一般管理費」ですが、そっくりそのまま、「損益」に振り替えるだけです。
仕訳で表すと…、
借方:損益 529,000
貸方:販売費及び一般管理費 529,000
…となります。
よって、T字勘定には、「F」に「529,000」となります。
「支払利息」も、同様の処理です。
仕訳で表すと…、
借方:損益 21,000
貸方:支払利息 21,000
…となります。
よって、T字勘定には、「F」に「21,000」となります。
「損益」の作業です。
借方には、ここに振り替えられてきた…、
E 13,670,000
G 529,000
C 21,000
…を記入します。
なお、Eは「完成工事原価」で、Gは「販売費及び一般管理費」で、Cは「支払利息」です。
貸方は、「完成工事高」だけなので…、
A 17,500,000
…となります。なお、Aは、「完成工事高」です。
貸借差額を求めて、繰越利益剰余金を計算します。
「17500000-13,670,000-529,000-21,000」で「3,280,000」となります。
これで、T字勘定の作業は終了です。 *
「完成工事原価報告書」に入ります。
計算の際は、下の画像のように、個々の科目ごとに、T字勘定を作って計算すると、頭がこんがらがらないです。
「材料費」は、「186000+863000-292000」で「757,000」となります。
「労務費」は、「765000+3397000-831000」で「3,331,000」となります。
「外注費」は、「1735000+9595000-2326000」で「9,004,000」となります。
「経費」は、「94000+595000-111000」で「578,000」となります。
これらを集計すると、「57,000+3,331,000+9,004,000+578,000」で、「13,670,000」となります。
最後に、「人件費」を求めます。
「資料」から「9000+68000-12000」で「65,000」となります。
…と相なります.
結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。
当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。
公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。
PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。
なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。
アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。
とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。
受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。
教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、
簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。
簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、
過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。
建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。
建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。
合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。
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