第23回‐文章問題 過去問(H30/3実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『固定資産売却』の仕訳。第23回試験の第2問‐文章問題の1問目の難易度は「ふつう」。基礎・基本的なものなので、難しいところはありません。テキストと過去問を繰り返しておけば、まず、取れます。解説とともに、注意点などを述べていきます。

第1問‐固定資産売却

 ◇問題◇

 

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解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフ・お箸を持ったり、配偶者にソースをかけるときの方です。

解説

 問題そのものは、難しくありません。あまりに普通なので、戸惑うかもしれません。

 怖いのは、月数計算のケアレスミスだけです。

過年度の減価償却費の計算

 まずもって、過年度の減価償却費の累計額を求めましょう。

 「平成23年4月1日」に購入されています。

 当期は、「平成29年4/1~平成30年3/31」です。

 図示すると…、

 

 …となります。

 指を折って数えると、過年度の減価償却累計額は、「6年」となります。

 本問では、償却方法は、「定額法」となっています。

 また、問題文には、特別の『指示』がないので、普通の定額法で処理します。

 取得原価が「\2,000,000」で、残存価額が「\100,000」です。

 んで、償却期間は「10年」で、経過年は「6年」です。

 これを計算すると…、

 (2000000-100000)* 6/10

 …の「1,140,000」となります。

 ところで、月数計算が苦手な人は、先のように、図示することを勧めます。

 わたしは、今でも、先のように線を引いて、年・月を書き込み、指折り計算して求めています。1~2コ、間違えるからですw

当期の償却

 本問の場合、期末ギリギリに売却しています。

 つまり、期中取引ではないので、この手の問題でよくある「1年の償却額×○/12」的な計算をしなくてよくなります。

 んなもんで、1年(12ヶ月)分を償却することになります。

 取得原価が「\2,000,000」で、残存価額が「\100,000」です。

 んで、償却期間は「10年」で、「1年」分を計算します。

 よって…、

 (2000000-100000)* 1/10

 …の「190,000」となります。

 仕訳を切ると…、

 借方:減価償却費 190,000

 貸方:減価償却累計額 190,000

 …となります。

減価償却累計額の計算

 過年度の減価償却累計額は、「1,140,000」でした。

 当期で計上される減価償却累計額は、「190,000」です。

 減価償却累計額の合計は、「1140000+190000」で、「1,330,000」となります。

 やっと、これで仕訳が切れます。

仕訳で考える

 仕訳を切ると答えがでます。

 売却金額は「\700,000」とあるので、まあ、現金で受け取ったとしましょう。

 仕訳を切ると…、

 借方:減価償却累計額 1,330,000

 借方:現金 700,000

 貸方:備品 2,000,000

 貸方:固定資産売却益 30,000

 …となります。

補足

 本問は、「売却益」だけを求めればいいので、端折ったやり方も可能です。

 本問の場合、期末のぎりぎりになって、売却されています。

 よって、過年度と当期とを、合わせて計算することもできます。

 要は…、

 

 …といった風に、「7年」で計算して…、

 (2000000-100000)* 7/10

 …と、計算してしまうわけです。

 計算結果は、「\1,330,000」となり、これが、おなじみの「減価償却累計額」となります。

まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 なお、税法改正により、平成19年4月1日以降に取得する有形固定資産は、残存価額が「ゼロ」で計算することができます。

 しかし、本問では、こういった形で処理せよという指示が“ないので”、原則どおり、残存価額を用いて処理することになります。

 自分勝手に判断しないようにしましょう。

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23回

 index

第1問:仕訳

 1問:貸倒引当金・・・「ふつう」。

 2問:工事進行基準・・・「ふつう」。

 3問:消費税・・・「ふつう」。

 4問:社債発行・・・「ふつう」。

 5問:手形・・・「ふつう」。

第2問:文章問題

 1問:固定資産売却・・・「ふつう」。

 2問:仕入・・・「ふつう」。

 3問:株式発行資本金・・・「難」。

 4問:本支店会計・・・「ふつう」。

第3問:計算問題

 人件費予定配賦・・・「ふつう」。

第4問 個別問題

 1問:理論問題・・・「ふつう」。

 2問:部門費振替表・・・「ふつう」。

第5問 総合問題

 精算表・・・「ふつう」。

PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

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 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

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建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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