第16回‐仕訳過去問(H26/9実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『資本的支出』の仕訳。第16回試験の第1問‐仕訳問題の1問目。問題文中の「資本的支出」と「収益的支出」の区別ができるかどうかを問うている。「この取引では、こういう処理をする」という“決まり事”を問う知識問題。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第1問‐資本的支出

 ◇問題◇

 


 ◇勘定科目群◇

 

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解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 先述したように、本問は知識問題で、その処理を憶えてないと解けません。

 「資本的支出」は、当該有形固定資産勘定で、つまり、本問では、「建物」で処理し…、

 「収益的支出」は、「修繕費」で処理します。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフ・お箸を持ったり、配偶者を下手投げするときの方です。

処理

 「資本的支出」は、当該有形固定資産の価値が上がったことになるので、資産の増加で仕訳を切ります。んなもんで…、

 借方:建物 455,000

 …と相なります。

 「収益的支出」は、「修繕費」という費用で処理するので、費用の増加で仕訳をきることになります。んなもんで…、

 金額は、「572600-455000」の「117600」となるので…、

 借方:修繕費 117,600

 …と相なります。

 後は、貸方に、先の2勘定の合計額を、「当座預金」で合わせるだけです。言うまでもありませんが、「小切手支払」だからです。

 貸方:当座預金 572,600

 …と相なります。





まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 なんでこんな処理をするのか、???な人もいるはずです。

 なんで、「修繕費」一本でだめなの?という次第です。

 「資本的支出」と「収益的支出」に分けるのは、『税金の問題』があります。

 「資本的支出」は、本問では建物に加算ですが、減価償却を通じて、数年掛けて経費化します。つまり、一時に全部は、経費化(費用化)できないわけです。

 「収益的支出」は、本問では、修繕費ですが、これは、当該支出した年度の経費となります。

 多くの中小企業は、赤字を出して、節税をします。当該節税に、「建物の修繕」がよく使われるのです。

 つまりは、黒字で申告して税金を払うより、事務所等の壁紙を変えたり、ペンキを塗ったりして、赤字にしようという塩梅です。

 たとえば、今年、100万円の黒字なら、建物の修理でもして、修繕費をどーんと100万円計上して赤字にしよう、と相なるわけです。

 しかしながら、言葉は変ですが、当該修繕を悪用する人も入るわけです。たとえば、増築したのに、「修繕」で処理するといった塩梅です。

 んなもんで、税務署は、建物の資産価値が上がる修繕もどきについては、たとえば、エレベーターの設置などは、「資本的支出」として、その年度の経費として認めず、減価償却で一定期間かけて、費用とするという塩梅です。

 先の黒字100万円の例で言えば、修繕費で100万円の計上が、すべて収益的支出として認められたら、「利益ゼロ」で税負担もゼロになります。

 しかし、修繕費のうち、80万円は「資本的支出」であり、20万円分しか修繕費として認められないとなると、最終利益は「100万‐20万」の「80万」となり、この分に、税金が課せられることになっちゃいます。

 このように、「資本的支出」と「収益的支出」には、税金が絡んでいるんだ、と憶えておけば、頭に残りやすいかと思います。

必ず!チェック!!

 建設業経理士2級の仕訳問題には、『解答に記号を付す』という、他の簿記試験にはない、固有の特徴があります。

 

 このように、勘定を書く左側に「記号欄」があり、当該記号は「使用勘定科目群」にあります。

 本試験という緊張している時だと、“ついウッカリ”忘れることがあります。

 あまり意味がないので面倒ですが、普段から、記号を記入する訓練をしておきましょう。毎回やっていると、身体が覚えるので、本試験でポカをしません。

16回‐第1問:仕訳

 1問:資本的支出・・・「ふつう」。

 2問:有価証券の種類・・・「ふつう」。

 3問:中間金・・・「ふつう」。

 4問:新株発行・・・「ふつう」。

 5問:貸倒・・・「ふつう」。

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PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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