第16回‐仕訳過去問(H26/9実施)

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

 本問は『貸倒』の仕訳。第16回試験の第1問‐仕訳問題の5問目。本問は、貸倒処理を問うている。基礎・基本レベルのふつうの問題なので、必ず点にしたい。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第5問‐貸倒

 ◇問題◇

 


 ◇勘定科目群◇

 

 (クリックして拡大。)

解説

 結論から言うと、「答えはこちら」です。

 本問のレベルは「ふつう」です。

 普通に仕訳を切ればいいです。気にするところはありません。

ポイント

 本問のポイントは、前期末に「貸倒引当金」を計上しているところです。

 んなもんで、当該「貸倒引当金」を充てて、その不足分は、「貸倒損失」で処理すればいい、ってな次第です。

 ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

 対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフ・お箸を持ったり、配偶者に呼び戻しをするときの方です。

貸倒引当金の額

 前期末に計上された貸倒引当金の額を計算します。

 設問では「\600,000に対し50%」とあるので、「600000*0.5」の「300000」が計上額となります。

 つまり、前期末では…、

 借方:貸倒引当金繰入額 300,000

 貸方:貸倒引当金 300,000

 …といった仕訳が切られ、貸倒引当金が、貸方に、\300,000計上された、という次第です。

 なお、「50%」を計算機で打つときは、「5」「0」「%」と入力できます。こっちのほうが楽なので、ぜひ試してみてください。「50%」を「0.5」と読み替えないで済みます。

回収不能

 債権が回収不能になったので、先の「貸倒引当金」で処理します。

 貸倒引当金を減らす仕訳なので…、

 借方:貸倒引当金 300,000

 …と相なります。

差額

 回収不能になった債権の額は「600,000」です。

 貸倒引当金との差額(設定不足額)は、「600000-300000」の「300,000」となります。

 当該差額の300,000を、「貸倒損失」で処理します。費用の増加なので…、

 借方:貸倒損失 300,000

 …と相なります。

お相手

 借方のほうは、出揃いました。

 お相手の貸方は、問題文にあるように、\600,000分の「完成工事未収入金」です。回収不能で減らす処理をするので…、

 貸方:完成工事未収入金 600,000

 …と相なります。





まとめとこたえ

 答えは…、

 

 …です。

 一口コメントです。

 本問では問われていませんが、貸倒引当金には、重要な論点があります。

 それは、「当期の分は当期の分、前期の分は前期の分」です。

 B/Sに計上されている貸倒引当金は、前期の債権に対応するものです。

 ですから、前期の債権を貸倒処理する際は、当該計上された貸倒引当金を、充当することができます。本問の様なケースです。

 しかし、当期発生した債権には、貸倒引当金を充当できません。

 先も言ったように、「当期の分は当期の分、前期の分は前期の分」だからです。

 んなもんで、当期発生した債権が回収不能になった場合、その全額を「貸倒損失」で処理します。貸倒引当金は、前期の債権に対応するものなので、当期の債権には充てれない、ってな次第です。

 この“問い方”も頻出なので、併せて憶えておきましょう。

必ず!チェック!!

 建設業経理士2級の仕訳問題には、『解答に記号を付す』という、他の簿記試験にはない、固有の特徴があります。

 

 このように、勘定を書く左側に「記号欄」があり、当該記号は「使用勘定科目群」にあります。

 本試験という緊張している時だと、“ついウッカリ”忘れることがあります。

 あまり意味がないので面倒ですが、普段から、記号を記入する訓練をしておきましょう。毎回やっていると、身体が覚えるので、本試験でポカをしません。

16回‐第1問:仕訳

 1問:資本的支出・・・「ふつう」。

 2問:有価証券の種類・・・「ふつう」。

 3問:中間金・・・「ふつう」。

 4問:新株発行・・・「ふつう」。

 5問:貸倒・・・「ふつう」。

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PDF過去問の閲覧

 結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

 

 当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

 公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

 本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

 PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

 なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

 アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

 とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

 受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

 教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

 簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。

 簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

 過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

 建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

 ところで、電卓です。

 100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

 高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。

 簿記2級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

 左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

 高品質な計算機

 考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士2級のこまごましたもの

 建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

 「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

 合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。

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