| カテゴリー: 過去のススメ |
京都南禅寺琵琶湖疎水の周辺に、哲学の道という観光名所がございます。
たくさんの方がこの道をご存知であるかと思いますが、由来は京大の哲学の先生にございます。
哲学の道とは、「善の研究」で著名な西田幾多郎先生が、研究の合間に散歩をしていたことから、この名称と相成った次第です。
今では、西田先生の御名や著作・研究よりも、「哲学の道」という名称のみが一人歩きして、時の流れと申しますか、世のはかなさを感じる次第でございます。
さて、京都ネタは置いといて、今回のススメのテーマは、散歩のススメでございます。
やはり、つくづく思いますに、頭脳労働(頭を使う作業)と散歩というのは、実に相性のよい組み合わせにあると思うのでございます。
散歩自体が身体を動かしますので、それによるストレス発散効果もございますが、やはり、散歩が持つ独自の効能も、看過できないと考える次第でございます。
といいますのも、散歩というのは、いろいろと調子を変えることができるからでございます。
単に歩くという行為に、自分なりの変化を加えることで、ふっとお勉強の問題解決に到ることがあるのでございます。
たとえば、早く歩く競歩型の散歩でございます。
何かアイデアが出そうなとき、あと少しでわかりそうなとき、もうちょっとでできそうというときには、競歩でさっさと大股で歩いて行くと、なんだかうまく行きそうな予感がするのでございます。
たとえば、ゆっくり歩く散歩もございます。
いつもの歩調は和らげて、ゆっくりだらりと歩いていきます。
そのときに、(あれはいったい何なんだ?)と取り付く島もないことを考えて見ます。
全く茫漠として捉え所がないページを考え直して見ます。
現状では全く相手にならない箇所に再挑戦してみます。
緊張を解いてゆっくりと歩いて行くと、そうした難解な事柄について、何か名案というか突破口が開く予感がするのでございます。
わたくしが思いますに、人間というのは頭で考える以上に、足でも考えているとつくづく実感する次第でございます。
煮詰まったときや頭がうに状態になったとき、もやもやが晴れないときなどは、上着を手にして外に出かけてぶらぶらするのが日課となったわたくしでございます。
机の前で唸ればいいときもありますが、やはり、でないときはでないし、うまく行かないときはうまく行かないものでございます。
何となく停滞感を感じるときは、さっと散歩に緊急回避した方がよろしいかと存じます。
足で地面をける衝撃が脳に伝わって、脳を揺らすのでしょうか、それとも、血の巡りが良くなって、頭の回転が良くなるのかはわかりませんが、何かしら方針なりヒントなりがつかめるようにいたします。
難しいことを考えるとき、ややこしいことを考えないといけないとき、微妙な判断が必要なときなどは、歩きやすい靴を履いて散歩へ出かけるのがよろしいかと存じます。
公園や池、家の周りを3周するだけでも、30分前の自分とは違う自分が芽吹くかと存じます。
偉大な先達に倣って歩いて考えましょう。
足でも
2009年10月19日 7:42 PM
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