| カテゴリー: 過去のススメ |
お勉強といいますのは、決して面白いものではないものでございます。
何しろ、これまで聞いたことのない語句や用語を、頭の中に入れていかなければならないからでございます。
時折、楽しくなってくることはありますが、それはお勉強開始後、ある程度時間が経過して、なおかつ、穏当な努力をしてきた人にのみ訪れるものでありまして、最初からアハハと笑い転げてやれるものではない次第でございます。
しかしながら、数ヶ月以上は続くお勉強に対しまして、ずーと(つまらんのう)、(めんどくさいなあ)、(かったるいなあ)、(いやだな)云々と思い続けるのも、賢明ではないかと存じます。
といいますのも、義務感やマイナスの感情からのお勉強は、心理的な負担を倍増させるからでございます。
同じひとつのことをやるにも、克己と葛藤の後に行えば、近いうちにやる気や意欲は蒸発してしまうことでありましょう。
同じやるなら、楽しくやるべきなのでございます。
そこで、わたくしたちは、高度に頭を働かせなければいけないのでございます。
古人は、どうしてあんな悪妻を娶っているのかと聞かれ、「ああいう(ひどい)人と一緒に居ると、どんな人とでも付き合っていけるからね」と答えたと申します。
世に名高い、悪妻は君を哲学者にする、でございます。
どんな嫌なことでも、めんどくさい作業の中でも、ひとつくらいは、宝石のように輝く「利」なるものがございます。
難解なテキストを読まねばならなくても、それは、難解な文章を読見通す練習、心の免疫を作っている過程になるかもしれないのでございます。
詐欺まがいの話に引っかかり、さあ、契約書に捺印をと来たときに、よく読んでと答えることができましょう。
よくよく読んでみれば、まったく得にならない話で、来るべき損失を回避できるかもしれません。
たくさんの専門用語や語句を覚えないといけないのは、語彙を増やす練習にもなるのでございます。
人間、語彙が豊かであるほど、良く考え物を見通すことができます。下手な口説き文句、セールストークなどにびくともしなくなるものでございます。
お勉強では、たくさんの問題を解かねばなりませんが、それこそ要領よく事物を裁く練習に、過去問を解くのは、過去の事例を良く調べる訓練になっているかもしれないのでございます。
役に立たないと思うことが、実はとても役に立つことがあるのでございます。
今目の前でやっていることを、あの手この手、ああいう見方こういう視点から、見て行くことをお勧めするものでございます。
こういう利点があるな、とでも思うことができれば、多少、やっていることが好きになるものでございます。
決して無駄・徒労ばかりではありません。
かの古人のように、悪妻すら肯定してしまう知恵が求められているのでございます。
平面でなく
2009年5月20日 11:58 AM
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