| カテゴリー: 過去のススメ |
料理法や料理の仕方を追い求める方がございます。
料理の教室に通い、本を読み、雑誌の記事を丹念に見、メモを取ってございます。
手作りパンやら自家製ハム、ポトフの作り方といった、世界のあらゆるレシピ・資料をてんこもりに集めてございます。
しかしながら、一向に料理が上達しない方がございます。また、ひとつも料理しない方もございます。
ほかでもないわたくしの母上と妹君でございます。
母上の得意料理は水炊き、湯豆腐、冷奴でございます。
こうした低カロリーでシンプルな料理で育ったからこそ、わたくしはこの歳まで大病せず、健康に暮らせたのでありましょう。
本当に両手を合わせて拝みたくなるほどありがたい気持ちで一杯でございます。
一方の妹君は何十万とパン教室に支払って師範の資格があるにもかかわらず、これまでパンのひとつも作ったことがございません。
彼女曰く「パンは、作るより買った方が経済的かつ合理的である」と、まるで経済学者のように結論を仰られるのですが、ではいったい何のためのパン師範なのか、全くの摩訶不思議でございます。
師範ともなれば作らなくても良いのかと、ひとりごちているわたくしでございます。
さて、先日、わたくしはある料理法を会得したのでございます。それは、「白菜と豚肉の重ね蒸し」という料理でございます。
作り方は簡単で、白菜を切る、鍋に敷く、豚肉をその上に敷く、また白菜を敷く、豚肉を再度敷く、といった感じで鍋一杯になるまで繰り返します。
最後に酒を適当に振りかけて蓋をして、火にかけます。水も何も入れないのがポイントでございます。
時間は分量によって異なりますが、10分くらいです。豚肉が硬くなる前に火を止めるのが良いかと思います。
蒸せたら、ぽん酢に柚子胡椒か七味唐辛子で頂きます。
やっていただければ氷解するかと思いますが、べらぼうにおいしいのでございます。
おそらくは、これまで食べたことのない分量の白菜を食すことになるでしょう。それほど、はむはむと食べに食べてしまうのでございます。
豚肉のうまみは白菜に吸収され、白菜の水っ気は豚肉の油と融合し濃密なスープと化し、何ともおいしい鍋へと変貌するのでございます。
調理など切って敷くだけという簡単さでこの味。まったくコストパフォーマンスに優れた一品としかいいようがございません。
この重ね蒸しは、お互いの持ち味が最大限に活きる調理を施したが故の結果であるかと考える次第でございます。
さて、お勉強とこの重ね蒸しが何の関係があるかといいますと、結局のところ、自分の力を発揮することほど、効率の良いことはないということでございます。
お勉強の方法やノウハウが100や200あっても、自分の力が発揮できなければ、結果がついてこないものでございます。
逆に、あの重ね蒸しのように、ひとつふたつのシンプルなやり方でも、自分の力が最大限に発揮できるならば、そのほかの方法論などうっちゃってもよろしいのでございます。
自分が活きるかどうかを、方法論ややり方を追いかける以上に考えなければならないかと存じます。
やっぱ
2009年1月8日 10:59 AM
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