| カテゴリー: 過去のススメ |
いつでもやる気満々なのではないのでございます。
いや、正直なことをいえば、やる気を持ってお勉強に臨むなど、年に数えるほどしかないものでございます。
孔子様の時代から、色を好む以上に学を好むものを見たことがないのでございます。
人類がお勉強にそれほどやる気を持たないのは、千年の歴史があるのでございます。
お勉強に、常にやる気は伴わず、と考えておく方が賢明であるかと存じます。
さすれば、やる気を出す方法論や、心理学に基づいたモチベーション理論に惑わされずに済むからでございます。
人類の千年のやる気の実態を鑑みれば、まあ、やる気が無いのが普通であって、やる気状態なのが異常なのでございます。
しかし、やりたくないからといって、やらないわけには行かないのが独学でございます。
他人が決めたことなど、いくらでも破ったり、反故したりできるものでございます。
隣で寝ている人の顔をじっと眺めれば、身につまされることかと思います。
自分で決めたが故に、そう簡単に事を終わらすことができないのでございます。
やらねばならないが、やりたくない。
よくよく、よくよく承知してございます。
しかしながら、お勉強の放棄もできない以上、二進も三進も行かなくなってしまうのでございます。
それでは、二律背反をどうしたらいいのかといいますと、とりあえず、座ってみることでございます。
やりたくないときは、あたかも、机の上に、本当に読みたくないお別れの手紙類(離婚届、人事異動書、子供の通知書、請求書、告知書、催促の手紙)があるかごとく、机の周辺に立ち寄らないかと存じます。
座ろうかなと思ったら瞬間に、もろもろの雑用をうまく思い付くものでございます。
で、あるからこそ、とりあえず座ってみるのでございます。
コツは、何かをしようと思わないことでございます。
お勉強の前に、あれとこれをしようと具体的に決めておくのは、お勉強のコツのひとつですが、全てにうまくいくものでもないのでございます。
気乗りのしないときは、敢えて何も考えず、おもむろに座ってみることでございます。
そして、おもむろに、テキストを手に取って見ることでございます。問題集を開いてみることでございます。
座ることに、たとえば、コーヒーで釣るのもいいでしょう。菓子パンやお菓子で釣るのもいいでしょう。晩酌で釣るのもいいでしょう。
兎にも角にも、机の前に座ってみることでございます。そして、机の前での滞在時間を増やすことでございます。
100の言葉、100のモチベーションの理屈よりも、「座る」という1作業に及びません。
とりあえず座って、ぱらぱらめくるだけでも、今日翌日以降から違ってまいります。
やる気の無いときでも、座ってしまえば、何とかなることが多うございます。
乾いた心を絞るようかのやる気を出すのでなく、自分をお勉強に持っていくように仕向けた方が、結果はよいものがあるかと考える次第でございます。
とりあえず
2008年10月27日 9:36 AM
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