本問は『有価証券』の仕訳。第22回試験の第1問‐仕訳問題の4問目。有価証券のド定番論点は、「有価証券の分類」です。しっかり整理して憶えましょう。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。
◇問題◇
◇勘定科目群◇
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結論から言うと、「答えはこちら」です。
本問のレベルは「ふつう」ですが、しっかり整理して憶えていないと、「アレレ」となる間違えやすい問題です。
ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。
対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフ・お箸を持ったり、配偶者のまわしを締めるときの方です。
さて、本問の前提を見ていきましょう。
問題文には、「A社株式の30%を長期保有目的で所有しており、その簿価は¥1,500,000」とあります。つまり、本問の前提として、「借方」に「投資有価証券」が計上されている、ってな塩梅です。
仕訳で現すと…、
借方:投資有価証券 1,500,000
…ってな塩梅です。
本問は、当該前提の仕訳が分かってないと解けない仕様となっています。
なお、なぜ、「投資有価証券」なのかは、後述しています。ややこしいので読みたい人だけアレしてください。
さて、本問では、残り70%分の購入によって、A社が子会社になっています。
従って、既に「借方」に計上されている、\1,500,000の「投資有価証券」を振替処理しなくてはいけません。
というのも、子会社の株式は、「関係会社株式」で処理することになっているからです。
処理の際、「子会社株式」で仕訳を切りそうですが、「使用勘定科目」を見ると、当該「子会社株式」がないので、自動的に、「関係会社株式」を選択することになります。
後は、単純な振替処理です。新たに「関係会社株式」を増やして、既計上の「投資有価証券」を減らす処理を行ないます。「資産の増加」と「資産の減少」なので、仕訳は…、
借方:関係会社株式 1,500,000
貸方:投資有価証券 1,500,000
…と相なります。
さて、問題文には、「当期においてA社を子会社化するため残りの70 %のA社株式¥4,000,000を小切手を振り出して取得した」とあります。
「A社株式¥4,000,000を…取得した」とあります。
んで、先も見たように、当該A社は、子会社になっています。んなもんで、「関係会社株式」で処理します。「資産の増加」ですから、借方計上で、仕訳は…、
借方:関係会社株式 4,000,000
…と相なります。
残るは決済です。問題文のように、「¥4,000,000を小切手を振り出し」たのですから、おなじみ「当座預金」勘定で処理します。んで、振り出したのですから、「資産の減少」で「貸方」計上となります。
決済の仕訳は…、
貸方:当座預金 4,000,000
…となります。
先に切った仕訳を挙げると、借方は…、
借方:関係会社株式 1,500,000
借方:関係会社株式 4,000,000
…で、貸方は…、
貸方:投資有価証券 1,500,000
貸方:当座預金 4,000,000
…と相なります。
後は、借方・貸方を足し算して、使用勘定科目群にある「記号」を付せば、おしまい!ってな次第です。
答えは…、
…です。
一口コメントです。
「子会社株式」と「関連会社株式」は、「関係会社株式」で表示されます。
「関連」と「関係」とを、本当によく間違えるので、しっかり整理して憶えてください。
なお、当該有価証券の「保有目的別の処理」と「表示科目」は、建設業経理士では、あまり突っ込んだ出題はありません。
時間のある人は徹底するのが無難ですが、時間に余裕のない人は、おおまかに押さえておけば、試験では大丈夫かと思います。
おおむね、本問のように、使用勘定科目から類推したり、問題文の指示に従ったりすれば、仕訳を切るときの科目が見えてくると思います。
とはいえ、建設業経理士2級も「難化」しているので、簿記2級・3級レベルまで仕上げておくのが無難です。
以下は、ややこしくなるので、斜め読みしてください。
先の、30%時点のA社株式の処理は、「投資有価証券」としていますが、これは、問題文に「長期保有目的」とあるのと、使用勘定科目群がその根拠です。
「投資有価証券」と処理するか、「関“連”会社株式」として処理するかは、問題文の指示に従います。
たとえば、「当社はA社に、取引上、重大な影響を与えている」といった文言があれば、「関“連”会社株式」として処理します。
対して、本問のように「長期保有目的」や、過去の試験問題のように「取引関係の強化」などとあれば、「投資有価証券」で処理します。
参考:第15回‐第2問
そして、何よりのアレですが、使用勘定科目群には、「関“連”会社株式」がありません。(関係会社株式ならあります。)
この2点から、「投資有価証券」で処理する、もっといえば、「投資有価証券」でしか処理できない、ってな寸法です。
建設業経理士2級の仕訳問題には、『解答に記号を付す』という、他の簿記試験にはない、固有の特徴があります。
このように、勘定を書く左側に「記号欄」があり、当該記号は「使用勘定科目群」にあります。
本試験という緊張している時だと、“ついウッカリ”忘れることがあります。
あまり意味がないので面倒ですが、普段から、記号を記入する訓練をしておきましょう。毎回やっていると、身体が覚えるので、本試験でポカをしません。
1問:建物応用・・・「ふつう」。
2問:工事完成基準・・・「ふつう」。
3問:当座借越・・・「ふつう」。
4問:有価証券・・・「ふつう」。
5問:仕入割引・・・「ふつう」。
結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。
当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。
公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。
本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。
PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。
なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。
アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。
とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。
受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。
教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、
簿記2級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」1冊で事が足ります。
簿記3級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、
過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。
建設業経理士2級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。
ところで、電卓です。
100円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。
高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに?」を参考に、買い換えてください。
左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。
考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。
建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。
「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。
合格体験記は「建設業経理士2級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士2級の合格証書」です。
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