第22回‐仕訳過去問（H29/9実施）

まずは初めに結論を。一口で言うと。まとめ。要旨。

　本問は『建物応用』の仕訳。第22回試験の第１問‐仕訳問題の1問目。一見すると基礎・基本の仕訳問題だが、今後の難化を見据えた問題演習が必要。仕訳の切り方の要領や手順、注意事項など。憶え方、まとめページへのリンクもある。

第1問‐建物応用

　◇問題◇

　



　◇勘定科目群◇

　

　(クリックして拡大。）

解説

　結論から言うと、「答えはこちら」です。

　本問のレベルは「ふつう」です。

　すらっと解ける問題です。しかし、「難化」を前提とすると、途端に「あっ！」となる応用問題です。

　正解しても、解説だけは目を通しておくとよいでしょう。

　ところで、「借方」は「左がわ」で、フォーク・お茶碗・スマホを持つ方です。

　対して、「貸方」は「右がわ」で、ナイフ・お箸を持ったり、配偶者にペンキを塗るときの方です。

解説

　問題そのものは、難しくありません。

　発注した「本店事務所」は、まだ未完成なので、おなじみの「建設仮勘定」で処理することを思い出せば、終わったも同然です。

　「建設仮勘定」は、未完成ながら固定資産の取得ですから、「資産の増加」で「借方」計上となります。

　んなもんで、仕訳は…、

　借方：建設仮勘定　×××

　…と相なります。後は、「金額」を出すだけです。

小切手支払い

　問題文には、「工事開始時に小切手を振り出して￥2,000,000を支払った」とあります。

　小切手による支払いですから、「資産の減少」で「貸方」計上です。勘定科目は、定番の「当座預金」となります。

　んなもんで、仕訳は…、

　貸方：当座預金　2,000,000

　…と相なります。

建設業経理士独自の「材料」

　さて、「アレレ」となりがちなのが、「当該工事に関し、手許材料￥500,000 を消費した」のところです。

　ここは、日商簿記等の商業簿記には出てない、建設業経理士独自の処理です。

　じぶんところは「建設会社」なわけですから、倉庫には、セメントやら何やらがあるわけで、“わざわざ、割高な他社の材料”を使う必要はない、ってな寸法です。んなもんで、こういう手元材料の消費があるわけです。

　仕訳は、文言どおり「消費した」とあるので、「資産の減少」で「貸方」計上で、勘定科目は、そのままの「材料」となります。

　んなもんで、仕訳は…、

　貸方：材料　500,000

　…と相なります。

「建設仮勘定」を足し算

　ようやく、「建設仮勘定」の金額が出ます。

　小切手と材料を足し算して、「200000+500000」の「2,500,000」がその額です。

　ほいで、使用勘定科目群にある「記号」を付せば、おしまい！ってな次第です。

まとめとこたえ

　答えは…、

　

　…です。

契約額に注意

　そこそこ勉強した人は、「契約」の額面に注意してください。

　問題文には、「￥8,000,000の外注工事を契約」とありますが、これは、実際にお金が動いていないので、簿記上の取引ではありません。

　ある程度の実力のある人ほど、「借方：未払金 ○○○」といった、契約を反映した仕訳を切りがちです。

　「契約」は、後から破棄されたり変更されたりします。んなもんで、「￥8,000,000の外注工事を契約」は、仕訳を切らないところです。

　わたしもですが、「契約」という語句に引っかかって、結構、「未払金」の仕訳を切ります。「契約だけでは、簿記上の取引にならない」と意識して憶えておいて、配偶者選びのときのような、うっかりミスを防ぎましょう。散々な目にあったはずです。

本店事務所に、少々注意

　建設業経理士2級にも、「難化」の波が来ています。

　本問は、普通に「建設仮勘定」で処理するだけですが、これは、問題文に「本店事務所」とあるからです。

　本問は、試験が「難化」したとすると、一変します。

　「難化」すると、「工事用の建物」とか「工事用の事務所」などで出題される可能性が「大」です。

　この場合、“工事に使用する建物”ですから、「未成工事支出金」で処理して、工事原価に含める処理を行います。

　うっかりして「建設仮勘定」で処理すれば、誤りとなります。

　試験が「難化」しても正解できるよう、問題文は丁寧に読むようにしてください。

22回‐第1問：仕訳

　1問：建物応用・・・「ふつう」。

　2問：工事完成基準・・・「ふつう」。

　3問：当座借越・・・「ふつう」。

　4問：有価証券・・・「ふつう」。

　5問：仕入割引・・・「ふつう」。

　index

PDF過去問の閲覧

　結論から言うと、PDF形式の過去問でイライラしている人は、「タブレット」で閲覧する、といった次第です。

　

　当方、PDF過去問の閲覧には、12インチのタブレットを使いますが、「紙」の過去問と遜色なく、問題演習に集中できています。

　公式のPDF過去問は、スマホだと画面が小さくて問題文が読み難く、PCだとキーボードやマウス、配線等が邪魔で、かなりイライラします。

　本格的な“問題演習”には、「タブレット」が最も勝手がよく、ストレスが少ないというのが実感とするところです。

　PDFタイプの過去問演習でイライラしている方は、「タブレット」の活用を勧めます。押入れから出してみてください。

　なお、手許に「タブレット」がない人は、最もコスパの高い、アマゾンの「Fire HD」を推薦します。

　アンドロイド製のタブレットと性能が遜色ないくせに、値段は数割安く、もちろん、PDFの閲覧も可能で、コストパフォーマンスが秀逸です。

　とりわけ、スマホしか持ってない方に勧めます。小さい画面での問題演習は、倍疲れます。

　受験が終わっても、アレコレ使えますし、安価なサブ機としても使えます。これを機に「Fire HD」を買っても、損はないです。

独学向け教材

　教材の詳細は「教材レビュー」で述べていますが、読むのが面倒な方は…、

　簿記２級持ちの方は、ネットスクールの「建設業経理士 過去問題集&テキスト 2級 出題パターンと解き方」１冊で事が足ります。

　簿記３級持ちの方は、テキストと問題集は、TACの「スッキリわかる 建設業経理士2級」と「スッキリとける問題集 建設業経理士2級」を…、

　過去問には、「合格するための過去問題集 建設業経理士2級 」を使えばよいでしょう。

　建設業経理士２級は、市販されている教材が少ないので、大概、こうなるかと思います。試験会場でも、多くの人が同じような教材を手にしていました。

　ところで、電卓です。

　１００円ショップで売ってるような、ぺらぺら計算機は計算ミスの元です。

　高品質な電卓を使っていない方は、「簿記検定試験の計算機(電卓)選び」や「売れ筋の電卓は、結局なに？」を参考に、買い換えてください。

　簿記２級では必須の高品質電卓と避けるべきペラペラ計算機

　左のがぺらぺらで、中と右が高品質の計算機です。絶対的に高品質の方が打ちやすいです。

　高品質な計算機

　考えるのが面倒な人は、わたしが愛用している「DF-120GT」にすればよいでしょう。これで支障ありません。建設業経理士もこれで受験しました。

建設業経理士２級のこまごましたもの

　建設業経理士に関するこまごましたことは、ブログに投稿しています。

　「建設業経理士の投稿記事」をばご参考ください。

　合格体験記は「建設業経理士２級の合格体験記」で、合格証書は「建設業経理士２級の合格証書」です。

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